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出光と名鉄、「出光リニューアブルディーゼル」を使用した旅客バス公道運行実証を愛知県で開始 油脂系原料に水素化処理などする次世代バイオ燃料
2025年3月17日 18:04
- 2025年3月17日 発表
出光興産、名鉄バス、名鉄エリアパートナーズの3社は3月17日、次世代バイオ燃料IRD(出光リニューアブルディーゼル)を使用した東海地区初の旅客バス公道運行実証を4月1日から愛知県にて開始すると発表した。
「IRD」は、出光興産が2024年12月に販売を開始したリニューアブルディーゼルで、リニューアブルディーゼルは廃食油や植物油等の油脂系原料に水素化処理などをして製造する軽油の代替燃料。燃焼時にCO2を排出するが、原料の植物が成長過程でCO2を吸収するため、軽油対比でのCO2排出量は実質ゼロと見なされるカーボンニュートラル燃料となる。
出光興産では、欧州EN規格(EN15940:2016)に適合したリニューアブルディーゼルを海外から調達し、独自の規格で品質を担保した商品「IRD」として、建設現場における機械向けなど公道以外での使用に限定して供給をしてきた。
今回の実証では、出光興産が名鉄エリアパートナーズを通じて名鉄バス津島営業所に「IRD」を供給し、名鉄バスが「IRD」を使用した路線バス1台を運行。同実証を通じて3社は、「IRD」を使用したバスが支障なく運行できることを確認するとともに、燃料の調達から供給、運用、メンテナンスまでのプロセスを総合的に検証するとしている。
2025年4月1日から開始される実証では、名鉄バス津島営業所が運行する近距離高速バスに「IRD」を使用し、乗客を乗せて運行。運行台数は近距離高速バス1台(運転士を含む定員66名)で、運行時期(予定)は2025年4 月1日~2026年3月31日。運行系統(予定)は、名古屋・長島線(名鉄バスセンター~長島温泉)、上下線(片道36km)1日最大4往復。CO2削減量(推定)は年間約69t。
旅客バスにおけるリニューアブルディーゼルの公道での使用は東海地区初となり、同実証を通じて3社は環境にやさしい交通の実現・拡大を目指すとしている。