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BYD、新プラットフォーム「スーパーeプラットフォーム」発表 目指すは“油電同速”の実現

2025年3月21日 発表
「油電同速」の実現に向けた新プラットフォーム「スーパーeプラットフォーム」について説明を行なうBYD会長兼社長の王伝福氏

 BYDは3月21日、EV(電気自動車)の充電速度をガソリン車の給油速度と同等にする「油電同速」の実現に向けた新プラットフォーム「スーパーeプラットフォーム(Super e-Platform)」を発表した。このプラットフォームは、1秒あたり2kmの航続距離に相当する超高速充電を行なう「フラッシュ充電」を実現し、5分間で最大400km分の充電を可能とすることで、EV充電に関するこれまでの課題を大幅に改善するという。

 今回発表されたスーパーeプラットフォームでは、世界初の量産乗用車向け「全域キロボルト高電圧アーキテクチャ」、SiC(シリコンカーバイド)パワーチップ、最高速300km/h超を達成する高性能モーターを採用すること、「フラッシュチャージバッテリー」で最大1000Aの充電電流と10Cの充電レートを実現したこと、さらに中国全土で4000か所以上のメガワット級フラッシュ充電ステーションを展開することがアナウンスされた。

 スーパーeプラットフォームでは世界初の量産乗用車向け「全域キロボルト高電圧アーキテクチャ」を採用し、バッテリ、モーター、電源システムなど、車両全体で最大1000V級の高電圧に対応し、超高速充電を可能にした。また、新たに導入した「フラッシュチャージバッテリー」は正極から負極まで超高速イオンチャネルを備え、最大1000Aの充電電流と10Cの充電レートを実現。これにより、従来のEVバッテリよりも大幅に高速な充電を可能にしている。

 さらに業界初となる量産型自動車用の「SiCパワーチップ」を開発し、これにより最大1500Vの高電圧環境下で効率的な電力制御が可能となった。量産車としては最高水準の1メガワット(1000kW)の充電出力を達成し、1秒あたり2kmの航続距離に相当する充電を実現しているという。

 スーパーeプラットフォームに搭載されるモーターについては、単体で最大580kWの出力を発揮し、最高回転数30000rpmを実現。これにより、中国市場向けの「HAN L(ハン エル)」「TANG L(タン エル)」では最高速300km/h超を達成したことが発表されている。

 また、スーパーeプラットフォームの性能を最大限に活かすため、業界初となる「フル液冷メガワット級フラッシュ充電ターミナルシステム」を開発。このシステムは最大1360kWの出力を可能にし、既存の充電インフラをアップグレード可能な「デュアルガン充電」技術を採用した。さらにBYDでは、中国全土に4000か所以上のメガワット級フラッシュ充電ステーションを展開する計画をアナウンスしており、これによってEVユーザーがガソリン車並みの利便性を享受できる超高速充電環境を整備し、充電に対する不安を解消することを目指すとしている。