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トヨタ、WRC第3戦サファリラリーで33号車エバンス/マーティン組が優勝
2025年3月24日 14:13
- 2025年3月24日 発表
TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team(以下、TGR-WRT)は3月23日(現地時間)、2025年のWRC(FIA世界ラリー選手権)第3戦サファリ・ラリー・ケニアで、GR YARIS Rally1 33号車のエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組が優勝した。
サファリ・ラリー・ケニアの結果は、優勝したエルフィン・エバンス/スコット・マーティン組に続いて、2位にヒョンデのオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組、3位にヒョンデのティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ組となった。
優勝したエバンス選手は安定した走りで、総合2位のタナック選手に1分09.9秒差をつけて優勝。サファリ・ラリー初優勝、そして前戦ラリー・スウェーデンに続く今シーズン2勝目を挙げ、ドライバー選手権におけるリードを36ポイントに拡大した。
なお、TGR-WRT2からのエントリーとなる5号車のサミ・パヤリ/マルコ・サルミネン組は総合4位でフィニッシュ。18号車の勝田貴元/アーロン・ジョンストン組と、69号車カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組はリタイアとなった。
第3戦終了時点でのドライバー選手権順位
1位エルフィン・エバンス選手:88ポイント
2位ティエリー・ヌービル選手:52ポイント
3位オィット・タナック選手:49ポイント
4位セバスチャン・オジエ選手:33ポイント
5位アドリアン・フォルモー選手:31ポイント
6位カッレ・ロバンペラ選手:31ポイント
7位勝田貴元選手:25ポイント
8位サミ・パヤリ選手:19ポイント
9位グレゴワール・ミュンスター選手:16ポイント
10位マールティンシュ・セスクス選手:8ポイント
また、第3戦終了時点でのマニュファクチャラー選手権の順位は、TGR-WRTが148ポイント、Hyundai Shell Mobis World Rally Team が122ポイント、M-Sport Ford World Rally Teamが47ポイント、TOYOTA GAZOO Racing WRT2が25ポイント。
エバンス選手は「このラリーで優勝することができたのは、素晴らしいことです。まだ実感が湧きませんが、サファリ・ラリーで優勝するのは特別なことです。素晴らしいクルマを用意するために、一生懸命頑張ってくれたチームに感謝したいと思います。また、トヨタのこのラリーにおける輝かしい歴史のほんの一部に関わることができて、誇りに思います。非常に厳しい週末でしたし、自分たちが出場するようになってからは、最も過酷なサファリ・ラリーだったように思います。土曜日は天候が状況をさらに複雑にしました。最終日に、大きなリードを保ちながらフィニッシュを目指すのは、容易ではありませんでした。日曜日に追加ポイント獲得を狙うという誘惑もありましたが、このような状況ではクルマをフィニッシュまで運ぶことが何よりも重要だったので、最終的にとても満足しています」とコメントしている。
TGR-WRTはサファリ・ラリー5連勝、トヨタとして13回目のサファリ・ラリー優勝
TGR-WRTとしては、今回の勝利によりサファリ・ラリーがWRCのカレンダーに復帰した2021年以降、負けなしの5連勝を達成。トヨタとしては通算13回目のサファリ・ラリー優勝となった。
今回チーム代表代行を務めたユハ・カンクネン氏は1985年にセリカ・ツインカム・ターボを駆り、このラリーでWRC初優勝を果たしており、それから40年後の今大会では、チームを率いる立場でサファリ・ラリー優勝を達成した。パワーステージエンドで行なわれた表彰式では、カンクネン氏は選手達と共に表彰台の最上段に登壇して優勝を喜んだ。
TGR-WRTにとって今回は100戦目のWRCイベント。チーム代表代行のカンクネン氏は「ここケニアで、チームにとって100回目のWRCイベントでの優勝を達成できたこと、そして、私が初めてここで優勝してから40年後に、トヨタの優勝をサファリ・ラリーで祝うことができたことをとても嬉しく思いますし、涙が溢れ出ました。近年の走行距離が短くなったサファリ・ラリーの中でも、今回は間違いなく最も過酷なラリーだったと思います。常に何かが起こっていたので、自分が運転していた時よりもずっと緊張しました。特に最終日に関しては、過去数年と比較すると少し運が悪かったかもしれませんが、最も重要なのは、このラリーで再び優勝できたことです。エルフィンとスコットは本当に良くやってくれましたし、彼らは非常に素晴らしいシーズンのスタートを切ったと思います」とコメントしている。
TGR-WRT会長の豊田章男氏もコメントを発表
TGR-WRT会長の豊田章男氏もコメントを発表、以下はその全文となる。
エルフィン、スコット、優勝おめでとう! ふたりが、今シーズンの3連勝とサファリ・ラリー5連覇を実現してくれました。そして、今回のラリーでチーム代表を代行したユハをポディウムに連れていってくれました。昔からのラリーファンであるモリゾウは、せっかくならユハにはサファリ・ラリーのポディウムに立ってもらいたいと考えていました。それを実現してくれた二人に感謝します。エルフィン、スコット勝ってくれてありがとう。
今回、エルフィンたちのおかげで勝つことはできましたが、ケニアは例年と変わらず本当に厳しい道でした。簡単に勝てた訳ではありません。われわれは、サファリでの4年の経験を生かして万全の準備をしてケニアに臨みました。しかし今年もまたサファリでは新たな課題にぶつかりました。最終日、最終SSまで様々なことがありました。エルフィンたちにはもっと楽に勝たせてあげたかった。カッレたちには最後まで走らせてあげたかった。貴元たちも今回こそはと思っていたし、サミたちにももっと力を発揮させてあげたかった。「もっといいクルマづくりに終わりはない」を改めて実感させてくれるような道に出会うと、われわれはワクワクしてきます。
チームのみんなは明日からまたGR YARIS Rally1を、もっと乗りやすくて、もっと強いクルマに改善していってくれるでしょう。そして、その改善はラリーカーに留まらず、世界中を走るあらゆるトヨタ車に繋がっていきます。ケニアの道は自動車メーカーがラリーに出る意義を再確認させてくれました。チームのみんな、明日からまたもっといいクルマづくりを頑張っていきましょう!そして、ライバルたちとの戦いを楽しみましょう!