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豊田章男TGR-WRT会長、WRC第1戦ラリーモンテカルロの勝利にコメント
2025年1月27日 20:01
WRC第1戦ラリー・モンテカルロをトヨタが1-2フィニッシュ
1月23日~26日の4日間にわたって2025年FIA WRC(世界ラリー選手権)第1戦ラリー・モンテカルロが開催された。2025年のWRCでは、最高峰のラリー1においてハイブリッドシステムが廃止されるなどラリーマシンに大きな変更が加えられたほか、ポイントシステムも変更。タイヤもピレリからハンコックに変わるなど、影響がどのように出るのかも注目されていた。
レースは、17号車 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ組(トヨタ GRヤリス ラリー1)が優勝。2位も33号車 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(トヨタ GRヤリス ラリー1)が獲得するなど、TGR-WRT(TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team)が1-2フィニッシュ。
日本人ドライバーとして唯一最高峰クラスに参戦している18号車 勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタ GRヤリス ラリー1)は、デイ3まで総合6位につけ速さを見せていたものの、最終日となるデイ4でリタイア。初戦はノーポイントとなってしまった。
セバスチャン・オジエ選手はモンテカルロでは10勝、トヨタのラリーチームでの優勝も通算15回となり、カッレ・ロバンペラ選手、過去に2回世界王者を獲得したカルロス・サインツ選手と並び、トヨタで最も多くの勝利を獲得したドライバーとなった。
このオジエ選手やチームとしての優勝に対し、豊田章男TGR-WRT会長やヤリ-マティ・ラトバラチーム代表らがコメントを発表。合わせて今シーズンへの意気込みを述べている。
豊田章男 TGR-WRT会長
記念すべき“セブのモンテカルロ10回目の優勝”で今シーズンの幕を開けることができました。2019年までのセブは色々なクルマでモンテカルロを6連勝。トヨタに来てくれた2020年からは1年おきに2位と1位の繰り返し…。その法則があったので今年は絶対に勝ってくれると思っていました。セブ、モンテカルロ10回目の優勝おめでとう!来年はそろそろ法則を破ってもらっていいと思っています。
昨シーズンは、最終戦の最終日の最終ステージまで、ヒョンデと戦い続けた本当に楽しいラリーでした。但し、それはラリーファンとしての気持ちです。チームの一員としては苦しい気持ちになることの方が多いシーズンでした。
今年はチームの一員としても“心の底から楽しいラリーだった”と思えるようなシーズンにしていきたいと思っています。そして、その気持ちを、またラリージャパンで味わいたい! ヤリ-マティ代表、ユハ代表代行、ドライバーのみんな、コドライバーのみんな、そして、チームのみんな、よろしくお願いします!わかっていると思いますが、今年のラリージャパンは最終戦じゃないですからね…
ヤリ-マティ・ラトバラ チーム代表
本当に嬉しい気持ちです。きっと、これ以上いいスタートは望めないでしょう。チームとして最大の60ポイントを獲得し、総合でも1-2-4フィニッシュを達成し、セバスチャン・オジエがラリー・モンテカルロ10回目の勝利を獲得するという、本当に素晴らしい、そして他に類を見ない偉業を成し遂げることができました。最後までコンディションは非常に厳しく、今朝のタイヤ選択は大きなストレスを感じるものでした。なぜなら、ルートノートクルーがステージを走り終えた後に、路面が凍結したからです。残念ながら、サミと貴元はコースアウトしてしまいましたが、彼らが安全策を選ぶように私がプッシュするべきでした。彼らにとって、このラリーは経験を積むことが全てでした。他のドライバーたちのおかげで最終的には上手くいったので、彼らに感謝したいと思います。とても見どころの多いラリーでしたし、今年はきっとエキサイティングなシーズンになると思います。
優勝 17号車 セバスチャン・オジエ選手
このラリーで10回目の優勝を飾ることができたのは素晴らしいことですし、信じられないほど幸せで、誇らしい気持ちです。このラリーは、私がラリードライバーになるという夢を与えてくれたものです。ですから、シーズンでもし1イベントだけ勝てるとしたならば、常にこのラリーを選びます。今年は最後のステージまで大接戦でした。コンディションの変化や難しいタイヤ選択、そして最後までプレッシャーを感じ続けるなど大変でしたが、なんとかうまくコントロールすることができたので良かったです。確かに危ない場面もありましたが、このラリーで勝つには運も必要だと思います。チームにとって最高のスタートが切れたので、これ以上は望みようがありません。
2位 33号車 エルフィン・エバンス選手
今回は典型的なラリー・モンテカルロとなり、ここ数年よりも少し過酷な週末でした。ですので、最後にポイントを獲得してフィニッシュすることができてとても嬉しく思います。今日は、非常に難しいコンディションで始まりました。最後の最後で、スタッドタイヤを4本選ぶという変更に踏み切りましたが、果たしてそれが正しい判断だったかどうかはわかりませんでした。結局、2つの選択肢にそれほど大きな違いはなかったようで、最後のパワーステージはかなりスリリングな展開になりました。フィニッシュまであと数コーナーというところで危ない瞬間がありましたが、幸いにも無事に切り抜けることができました。
4位 カッレ・ロバンペラ選手
モンテカルロは常にタフなラリーですが、今年は特にそうでした。個人的には、かなり難しい週末になってしまいました。望んでいたような結果やペースは得られませんでしたが、最終的には多くのポイントを獲得することができたので満足しなければなりません。今日は自分たちにとって悪くない一日となり、ベストを尽くし、安定性を保ち続けたことが報われました。チームに感謝します。次はスウェーデンなので、どうなるのか楽しみです。
リタイア 18号車 勝田貴元選手
朝最初のステージがかなり難しいコンディションになることは分かっていましたが、凍結した右コーナーに差しかかった時、ペースノートにその情報が反映されていませんでした。かなり速度を落としてコーナーに進入したのですが、それでもクルマがワイドに脹らんで小さな溝に落ちてしまい、そこから抜け出せなくなってしまいました。それまでは、特に土曜日はペースも良かったので、かなり良い戦いができていたと思います。残念ですが、次のラリー・スウェーデンに向けて集中し、チームのために良い仕事ができるように頑張ります。
リタイア 5号車 サミ・パヤリ選手
今日のアプローチはこれまでと同じで、特にハードにプッシュするつもりはありませんでした。ただ、予想外の凍結したブレーキングポイントが一ヶ所あり、そこでミスを犯してしまいました。それまではすべて計画通りに進んでいたので、残念な結末となってしまいました。特に土曜日は、タイムが良くなり、フィーリングも良くなり、自信もかなりつきました。すべてがうまくコントロールできているように感じていただけに、このような結末を迎えるのは残念ですが、今回の事から学び、次のスウェーデンに臨みたいと思います。