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アウディ、新型バッテリEV「Q6 e-tron」発表会 年内に「A6 アバント e-tron」などの導入予告も
2025年3月26日 17:31
- 2025年3月25日 開催
アウディ ジャパンは、プレミアムミッドサイズSUVのBEV(バッテリ電気自動車)である「Q6 e-tron」とスポーツグレードの「SQ6 e-tron」を4月15日に発売する。価格はRWD(後輪駆動)の「Q6 e-tron」が839万円、クワトロ(4WD)の「Q6 e-tron quattro」が998万円、「SQ6 e-tron」が1320万円。
また、新型Q6 e-tronの導入に際し、世界的な販売を記念して展開される限定モデル「Q6 e-tron edition one grey」(100台限定)と「Q6 e-tron edition one blue」(30台限定)を発売する。価格はedition one greyが1238万円、edition one blueが1253万円。
3月25日、アウディはこの新型Q6 e-tronの発表会をTODA HALL & CONFERENCE TOKYO(東京都中央区京橋)で開催。フォルクスワーゲン グループ ジャパン 代表取締役社長 兼 アウディ ジャパン ブランドディレクターのマティアス・シェーパース氏があいさつを行なうとともに、フォルクスワーゲン グループ ジャパン アウディ マーケティング本部 プロダクト マーケティング部マネージャーの丹羽智彦氏が新型Q6 e-tronの概要を紹介した。
Q6 e-tronシリーズはポルシェと共同開発したBEVプラットフォーム「PPE(プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック)」をベースにした初の市販モデルシリーズで、アウディのSUV、Qモデルのスタイル、e-tronのデザイン言語を融合させた次世代電動SUVに位置付けられる。
RWDのQ6 e-tronは185kW/450Nmの電気モーターと83kWhのバッテリを、Q6 e-tron quattroは285kW/580Nmの電気モーターと100kWhのバッテリを、SQ6 e-tronは360kW/580Nmの電気モーターと100kWhのバッテリを組み合わせる。リチウムイオンバッテリは12のモジュールと180のプリズムセルで構成され、一充電走行距離は185kW出力モデルで569km、285kW出力モデルで644km、SQ6 e-tronで672kmを実現する。
RWDのQ6 e-tronのリアアクスルにはヘアピンコイルを採用する最大トルク450Nmを発生するPSM(永久磁石同期モーター)を搭載する一方、quattroモデルのリアアクスルには共通のヘアピンコイルを採用する580NmのPSMを備え、フロントアクスルには同じく共通の最大トルク275Nmを発生するASM(非同期機モーター)を搭載。さらにドライサンプ方式の新冷却システムを採用することで、パワートレーンのコンパクト化と軽量化を図り、効率性とパフォーマンスの両立を図ったという。
また、Q6 e-tronシリーズは日常の利便性と長距離ドライブの快適さを両立するべく標準バッテリに800Vテクノロジーを採用。欧州では最大充電出力が270kWに達し、最適な急速充電ステーション(High Power Charging:HPC)を利用すると、約21分で充電レベル(SoC)を10%から80%まで引き上げる。日本では、Audi charging hub紀尾井町をはじめとする日本国内アウディ販売店に設置されているChAdeMO方式として国内最大出力の150kW充電器を利用した場合、最大135kWの急速充電に対応し、約35分で充電レベル(SoC)を10%から80%まで引き上げる。さらに8kWのAC充電にも対応し、家庭や公共施設での充電もスムーズに行なえる。
一方、インテリアではPPEの採用によって広々としたスペースと居住性を両立し、高い実用性を実現。トランク容量は526L、リアシートは3分割(40:20:40)となっており、最大1529Lまで拡大可能。さらにボンネット下のフランク(フロントトランク)には64Lの収納スペースを確保して利便性を高めている。
また、新開発された未来志向の電子アーキテクチャーE3 1.2を採用し、MMIパノラマディスプレイとMMIパッセンジャーディスプレイなどからなるデジタルインテリアを特徴とする。スリムな独立型MMIパノラマディスプレイは、曲面デザインとOLEDテクノロジーを採用し、11.9インチのバーチャルコックピットプラスと14.5インチのMMIタッチディスプレイで構成した。助手席にはアクティブプライバシーモードを備えた10.9インチMMIパッセンジャーディスプレイを装備。これにより、運転中のドライバーの注意散漫を防ぎながら、助手席では映画やビデオコンテンツのストリーミング再生、ナビゲーションルートの共有、充電ステーションの検索などが可能になっている。
発表会で登壇したマティアス・シェーパース氏は、新型Q6 e-tronがアウディの自信作であり、アイコニックなアウディのSUVとしてひと目で分かるデザインを備えること、走行距離を伸ばし、1台でさまざまなことがまかなえる新世代のBEVであること、また新世代を代表するさまざまなテクノロジーを搭載したことが特徴であると紹介。
また、BEVは日本市場にもっともふさわしい商品であるとし、その理由について「日本にはアウトバーンがなく、スピードをそんなに出さない。走行距離も実際に1回で走る距離、そして年間の走行距離もそんなに長くない。音も静かで快適、振動がなく気持ちよく乗れる。そういった商品になっているので、電気自動車は日本に一番向いていると私は思います。ですが、市場の2%が電気自動車、これが日本です」と語る一方で、「日本はクルマが好きで詳しい方が多く、クルマカルチャーの国です。ドイツとものすごく似ているところがあり、評価されるクルマが今後どんどん出てきますし、自信をもって日本市場に導入するのがQ6 e-tronです」とコメントした。
加えてBEVの普及にはチャージングステーションの展開も不可欠であるとし、アウディ、フォルクスワーゲン、ポルシェのBEVオーナーを対象としたPCA(プレミアム チャージング アライアンス)を展開していること、2024年4月に蓄電池を備えた超急速EV充電器2基4口の急速充電施設「Audi charging hub(アウディチャージングハブ)紀尾井町」をオープンしたことなどについて語り、都市部での充電ニーズに着実に対応していると報告。
マティアス・シェーパース氏はこのほか、「年内にワクワクする電気自動車を導入する」とし、「A6 アバント e-tron」「A6 スポーツバック e-tron」「S6 e-tron」「Q6 スポーツバック e-tron」の日本発売を予告している。