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アストンマーティン、新型オープンモデル「ヴァンキッシュ ヴォランテ」 835PS・1000Nmの新型V12エンジン搭載
2025年3月27日 07:00
- 2025年3月25日(現地時間) 発表
アストンマーティン史上最速のオープントップシリーズ
アストンマーティンは3月25日(現地時間)、新型「ヴァンキッシュ ヴォランテ」を発表した。年間の生産台数はクーペを含めて1000台以下となることから、台数限定で注文を受け付けており、2025年第3四半期に最初の納車が予定されている。価格は非公開。
新型ヴァンキッシュ ヴォランテは“アストンマーティン史上、最も早く、最もパワフルなオープントップシリーズの量産モデル”とのこと。ルーフは50km/h以下であればセンターコンソールのメタルスイッチから開閉操作ができ、14秒で開き、16秒で閉じることができるという。
ボディサイズは4850×1980×1296mm(全長×全幅×全高)で、ホイールベースは2885mm。新しいV型12気筒5.2リッターツインターボエンジンを搭載し、最高出力614kW(835PS)/6500rpm、最大トルク1000Nm/2500-5000rpmを発生。最高速は345km/h(214mph)に達する。トランスミッションはZF製8速AT。車両重量は1880kgで、パワーウェイトレシオは416HP/tとした。
従来の鉄製ディスクブレーキよりも27kg軽く、寿命と耐フェード性を向上させたカーボンセラミックブレーキ(CCB)システムを標準装備。新しいビルシュタインDTXダンパーを採用し、重量配分を考慮して設計された独自の特注サスペンションチューニングが施されたことにより、「GT」「Sport」「Sport+」の各ドライブモードで大きな差別化が図られた。
新型ヴァンキッシュ ヴォランテは、フロントバンパー、フェンダー、グリルのデザインを一新し、より主張の強いデザイン特性と高いロードプレゼンスを実現。従来の水平翼を備えたグリルは表面積は13%拡張し、エンジンの冷却性能を高めているほか、新しいアウターバンパーベントでノーズまわりの空気を導き、冷却用の空気をフロントホイールアーチに誘導してブレーキの冷却を早めている。
インテリアはアストンマーティンの次世代モデルすべてに見られる新しいインテリア・アーキテクチャーを継承。スポーツプラスシートを標準装備し、オプションとしてカーボンファイバー製のパフォーマンスシートを用意。低いセンターコンソールとスカラップ型のドアパネルによって上半身まわりに最適なスペースが確保され、激しい運転や操作の動きでもドライバーは腕を自由に動かせるとしている。
インフォテインメントでは、10.25インチのデジタルTFTドライバー・ディスプレイと、オンライン接続機能を備えた10.25インチのピュアブラック・タッチスクリーンを採用。オーディオには新型ヴァンキッシュ ヴォランテ専用のチューニングを施したBowers&Wilkinsの15個のスピーカーとダブルアンプのサラウンドサウンドシステムを標準装備している。
ヴォランテ60周年の特別なモデルとしてクーペと同時開発
3月26日にはThe House of Aston Martin Aoyamaでプレスプレビューが行なわれ、アストンマーティン APAC リージョナルプレジデント グレゴリー・アダムス氏と、ヘッド・オブ・Q・スペシャルプロジェクトセールス サム・ベネッツ氏がプレゼンテーションを行なった。
アダムス氏は「昨日イギリスで発表したばかりのヴァンキッシュ ヴォランテの実物を早めに日本に持ってきました。日本という市場は非常に大事になります。新しいクルマがあればなるべく早く、あるいは発表前に皆さんにお見せしたいと思っています」と、日本が重要な市場であると説明。続けて「今年はわれわれアストンマーティンのオープンカーであるヴォランテの60年記念の年となります。V12のトップクラスのオープンカーとして、60年記念の特別なモデルです。非常にいいクルマで、非常に速いオープンカーです」と、新型ヴァンキッシュ ヴォランテについて紹介した。
ベネッツ氏は新型ヴァンキッシュ ヴォランテについて「世界最速、フロントエンジンの最もパワフルなコンバーチブルカー」と説明。オリジナルのヴァンキッシュに対して、V型12気筒の最高出力は426PSから835PSへとパワーが倍増しているという。また、新型ヴァンキッシュ ヴォランテはダイナミックなクーペの走りを損なわないことが重視されたことから、インテリジェントな構造強化や特別なシャシーチューニングを施すことで、重量の増加が最小限に抑えられているとのこと。
ベネッツ氏いわく「クーペとヴォランテはまったく同じ走りが体験できるように目指して開発が行なわれました。ヴォランテを開発するにあたってなんの妥協もありません。ヴォランテの開発はクーペと同時に行なわれています。なぜならば、両方の車両に妥協することなく、トライビングエクスペリエンスを確実に持たせたかったからです」とのことで、オープンモデルでありながらも変わらずにパワフルであるとした。
新型ヴァンキッシュ ヴォランテの特徴については、Kフォールドルーフの格納時のスタック高さを260mmというクラストップレベルとし、リアを低くキープしたことにより、流線型のプロファイルを保つことができたと紹介した。
ベネッツ氏は「この数週間、実際にヴァンキッシュ クーペを東京で、幸運にも運転させていただく機会がありました。素晴らしい時間だったと思っています。外観も素敵ですし、実際に道路を走っていても、ほかのクルマと比べて特別なクルマであるということが一目瞭然です。将来的に皆さまのドライビングエクスペリエンスを豊かにするものとして、ご予約いただければと思います」と話した。