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アストンマーティン、SUVモデル「DBX」のフラグシップとなる新型「DBX S」

2025年4月30日(現地時間)発表
アストンマーティンのSUVモデル「DBX」にフラグシップとなる新型「DBX S」が登場

最新ターボ技術とエンジン内部の改良で20PSアップを達成

 英アストンマーティンは4月30日(現地時間)、SUVモデル「DBX」のフラグシップとなる新型「DBX S」を発表した。現在オーダーを受け付け中で、デリバリーは2025年第4四半期の予定。

 新型DBX Sは、モデル名の末尾に“S”を付けることで、2004年のパリモーターショーで一般公開した「ヴァンキッシュ S」と同様に、既存モデルの特別ハイパフォーマンス仕様を示している。

DBXのフラグシップとなる新型「DBX S」

 搭載するV型8気筒DOHC 4.0リッターツインターボエンジンには、これから発売されるPHEV(プラグインハイブリッド)のミッドエンジン・ハイブリッド・スーパーカー「Valhalla(ヴァルハラ)」に採用している大型コンプレッサーホイールをはじめとしたターボ技術と、そのほかにもエンジン内部の改良により出力は「DBX707」よりも20PSアップの727PSに到達し、最高回転数でさらなる急激な出力アップを実現。最高速はこれまでのDBXと同じ310km/h、0-100km/h加速も3.3秒と同等だが、0-200km/h加速は0.3秒の短縮に成功している。

DBX S

 9速湿式クラッチトランスミッションは、回転範囲の拡大を反映してギアシフトポイントの調整が行なわれ、オートマチックでの「Sport」および「Sport+」モードでのシフトダウンはさらにアグレッシブさが増したという。また、新しくオプション設定した「カーボンファイバールーフ」は、18kgの軽量化に加え、重心が下に移ったことで、さらなる安定性と敏捷性を両立している。

18kgの軽量化につながるカーボンルーフはオプション設定

 さらに、強度が高いだけでなく驚異的な軽さを誇るマグネシウムホイールもオプションに設定。スチールに比べて約75%軽く、チタンの半分の重さで、アルミニウムと比較しても約1/3の軽量化を図れるという。このオプションの23インチのホイールを選択した場合、バネ下重量をさらに19kg削減でき、乗り心地、ステアリングの精度とフィール向上に加え、インプットに対する即時の応答性も向上できるとしている。ちなみにマグネシウムホイールを選択すると、ルーフレールも省かれるほか、軽量ポリカーボネートのハニカムグリルも指定可能となる。

23インチマグネシウムホイールをオプションで設定。バネ下重量を19kg軽量化できる

 フロントまわりは新しいスプリッターとディフューザー、特徴的なラップアラウンドデザインのデイタイムランニングライトが存在感を高めるほか、サイドには車体の脇を通る空気の流れを導くエアスプリッターを配置。サイドミラー、サイドストレーキ、ドアシルはカーボンファイバーも選択可能となっている。

特徴的なラップアラウンドデザインのデイタイムランニングライトを採用
軽量ポリカーボネートのハニカムグリルも設定

 フロントフェンダーの「S」のバッヂは、アストンマーティンの由緒あるウイングバッヂと同様にガラスエナメル加工された金属製で、赤い「S」の周囲はオーナーが選んだウイングの色に合わせて、ブライトクロームまたはダーククロームで覆われる。

サイドには車体の脇を通る空気の流れを導くエアスプリッターを配置し、特別な「S」バッヂもあしらわれる

 リアは、リアバンパーとディフューザーのデザインを刷新。サイドシルとウイングと共にカーボンファイバーを選択すればさらに7kgの軽量化を実現できる。また、縦並びの新型クアッド・エキゾーストは、グロス仕上げとマット仕上げのいずれかを選べる。ボディカラーは、ロッソ・コルサ・レッド、トロフィー・シルバー、ポディウム・グリーンの3色から選べる。

縦並びの新型クアッド・エキゾースト

 シートは上にいくほど幅が広くなってスピード感を表現するヘリンボーン模様を採用。オプションのカーボンルーフを選択すると、ヘッドライナーにも同じヘリンボーン模様が使用される。シート、ヘッドライナー、センターコンソール、ロア・インストルメントパネル、アッパートリムにはアルカンターラを使用。シートベルトはSを表現する赤色も選択可能となる。

DBX Sのインテリア
シートはヘリンボーン模様を採用
シート背面にも「S」ロゴがあしらわれる

 アストンマーティンの最高経営責任者(CEO)であるエイドリアン・ホールマーク氏は、「この2年間、アストンマーティンは次世代スポーツカーの新たな中核コレクションと新型DBXを新しく登場させてきました。そのどれもが、社内で設計された完全ビスポークの新しいインフォテインメントシステムを搭載しています。今後もクラス最高のパフォーマンス、ウルトラ・ラグジュアリーなデザインとイノベーションに重点を置きながら、各コアモデル下の製品ラインアップの拡大に取り組んでいきます。DBX Sは、最もエキサイティングで満足感を感じられる美しいクルマの創造を目指すアストンマーティンの決意を改めて示すだけではありません。DBXだけでなく、アストンマーティンというブランドに対して私たちが掲げる野心を強力に発信するものでもあります」とコメントしている。

DBX Sは現在オーダー受け付け中
デリバリーは2025年第4四半期の予定