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ホンダ、Nシリーズ第4弾は“最強欲張りハイトワゴン”新型「N-WGN(エヌワゴン)」
レース技術を投入した新開発エンジン&CVTで29.2km/Lを達成
(2013/11/20 14:00)
本田技研工業は、新型軽自動車の「N-WGN(エヌワゴン)」「N-WGN Custom(エヌワゴン カスタム)」を11月22日に発売する。価格はN-WGNが113万1000円~147万円。N-WGN Customが133万5000円~163万円。
●N-WGN
モデル | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 |
---|---|---|---|---|
G | 直列3気筒DOHC 0.66リッター | CVT | 2WD(FF) | 1,131,000円 |
G Aパッケージ | 1,250,000円 | |||
G ターボパッケージ | 直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ | 1,350,000円 | ||
G | 直列3気筒DOHC 0.66リッター | 4WD | 1,251,000円 | |
G Aパッケージ | 1,370,000円 | |||
G ターボパッケージ | 直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ | 1,470,000円 |
●N-WGN Custom
モデル | エンジン | 変速機 | 駆動方式 | 価格 |
---|---|---|---|---|
G | 直列3気筒DOHC 0.66リッター | CVT | 2WD(FF) | 1,335,000円 |
G Aパッケージ | 1,450,000円 | |||
G ターボパッケージ | 直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ | 1,510,000円 | ||
G | 直列3気筒DOHC 0.66リッター | 4WD | 1,455,000円 | |
G Aパッケージ | 1,570,000円 | |||
G ターボパッケージ | 直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ | 1,630,000円 |
N-WGN、N-WGN Customは、ホンダの新世代軽自動車ラインアップ「Nシリーズ」の第4弾。軽自動車市場で販売規模が最も大きいハイトワゴンに属するこのモデルは、単純なスペックや装備品の充実だけでなく、1歩先の満足感を目指す「最強欲張りハイトワゴン」がコンセプト。また、軽自動車の一般化が進んだことで、軽自動車にも安全性を求めるニーズが高まったと分析し、アクティブ・パッシブ両面でのセーフティ性向上も追求している。ボディーラインアップはこれまでのNシリーズ同様2ラインアップとして、「本物感と上質感のある“プラウド・オーセンティック”」をテーマにしたN-WGN、「見た目からも安心感を得られるアピアランスを追求した“アバンギャルド・エモーション”」をテーマにしたN-WGN Customでそれぞれに個性化している。
ボディーカラーは全11色を用意。このうち「プレミアムホワイト・パール」「スマートブラック」「カトラリーシルバー・メタリック」が共通色となり、残る各4色をN-WGNとN-WGN Customに専用設定。N-WGNには柔らかな色調の「クッキークリーム」「チェリーシェルピンク・メタリック」に加えて高い質感を感じさせる深い色合いの有彩色「プレミアムディープモカ・パール」「プレミアムブルームーン・パール」を設定。N-WGN Customはカスタム系モデルの定番であるダーク系カラーの「ポリッシュドメタル・メタリック」「プレミアムゴールドパープル・パール」のほか、彩度の高い「ホライゾンターコイズ・パール」「プレミアムフレイムオレンジ・メタリック」を投入して他メーカーのライバル車と差別化を図っている。
パワートレーンではNシリーズ共通のS07A型 直列3気筒DOHC 0.66リッターの自然吸気&ターボとCVTを踏襲しているものの、内部構造を全面的に刷新。とくにエンジンでは「ホンダ軽史上で一番贅沢なエンジン」と表現するほど数多くの技術を投入。CVTでも新技術の採用で軽量・コンパクトさをさらに引き上げている。
N-WGN、N-WGN Customに搭載されるS07A型エンジンでは、ホンダの軽自動車で初めて1気筒につき2つのインジェクションを設定するツインインジェクションシステムを採用。1本あたりの噴射量を減らして燃料の霧化を促進し、より均一な混合気の形成で燃焼状態を改善。燃費効率とドライバビリティを高めている。また、圧縮比を高めるためレースエンジンで使われるナトリウム封入バルブをホンダ乗用車で初採用した。これにより、排気バルブ周辺の熱を効率的に冷却水に伝えることが可能になり、高圧縮化によるノッキング発生が抑制される。
このほか、エンジン内部のフリクションを低減させるため、カムチェーンテンショナーの接触面積低減、ベアリングのモリブデンコート、クランクジャーナルの鏡面仕上げなどを実施。より大量の燃焼済みガスの還流が可能になる新EGRシステムの採用などにより、パワーを下げることなく燃費性能を向上させている。
CVTではミッションケースの薄肉鋳造技術、軽量デフケース、電動ポンプより軽量で電力を消費しないアキュームシステムの採用などにより、N BOXのデビュー時に搭載したCVTと比較して約3.9kgの軽量化を実現している。このほかにもCVTでは、ファイナルレシオのハイギヤード化とトルクコンバーターの流体特性変更による燃費性能と発進加速の両立、トルクコンバーターダンパーの特性見直しによるロックアップ領域の大幅拡大と伝達特性改善を実施している。
パワートレーン以外でも、アイドリングストップを減速中の約10km/hからコースティングするようにした「減速時アイドリングストップ」の採用、超高強度部材の適用拡大や軽量外板、短ピッチスポット結合による高効率結合などによるボディー全体での15%の軽量化、空力特性の追求によるN-ONEを凌ぐ低Cd値などにより、自然吸気エンジンの2WD(FF)モデルで29.2km/LというN-ONEを2.2km/L上まわるJC08モード燃費を達成。自然吸気の4WD車とターボの2WD(FF)車でも26.0km/L、条件が厳しいターボの4WD車でも24.2km/Lとなっている。
このほかに走行面では、マクファーソン・ストラット式のフロントサスペンションを新開発。ダンパーの減衰力を最適化し、新作のリバウンドスプリングを設定。さらに低フリクションピストンリング、テフロンリングを追加したロッドガイドなどを採用している。リバウンドスプリングによって旋回時のロール角度とロールスピードを制御して質感の高いハンドリングを実現。ダンパーのフリクション低減は路面からの細かな入力もしっかりと吸収し、コーナーリングの大きなストロークでは踏ん張り感のある操縦安定性を発揮する。リアサスペンションでもスプリングバネレートを最適化し、N-WGN Custom全車とN-WGN G ターボパッケージにはスタビライザーも装備する。
JNCAPで軽自動車初となる総合評価5つ星を獲得
安全性能では「危険に近づかない」「危険を避けやすくする」「万一の際にしっかり守る」の3点をキーワードに開発を実施。ボディー構造ではNシリーズ独自の「衝突エネルギーを吸収するエンジン」や新荷重分散構造のコンパティビリティ対応骨格などで基本性能を確保し、運転席用i-SRSエアバッグ(連続容量変化タイプ)&助手席用i-SRSエアバッグを標準装備し、全席にロードリミッター付ELRベルトを採用するほか、N-WGN G以外に前席用i-サイドエアバッグ(連続変化タイプ)やサイドカーテンエアバッグなどをセットにした「あんしんパッケージ」を標準装備。N-WGN Gでも6万円高でオプション設定し、万一のときに乗員のダメージを低減させる高いパッシブセーフティ性を実現。NASVA(自動車事故対策機構)が実施している自動車アセスメント(JNCAP:Japan New Car Assessment Program)で、軽自動車としては初めてとなる総合評価5つ星を獲得している。
アクティブセーフティではVSA(ABS+TCS+横すべり抑制)、ヒルスタートアシスト機能、エマージェンシーストップシグナルなどを全車標準装備。あんしんパッケージには先進安全技術の「シティブレーキアクティブシステム」も採用し、低速域衝突軽減ブレーキで約30km/h以下の走行時に自動ブレーキによって前方車両との衝突回避・ダメージ軽減を図り、誤発進防止機能は停車~約10km/h以下で前方に障害物がある状況でアクセル操作が行われると、エンジン出力を抑制してブレーキに踏み換える時間を確保したり、衝突のダメージを低減させてくれる。
モデル | N-WGN(NA・2WD) | N-WGN(ターボ・2WD) |
---|---|---|
全長×全幅×全高[mm] | 3,395×1,475×1,655(4WDは1,675) | |
ホイールベース[mm] | 2,520 | |
前/後トレッド[mm] | 1,305(4WDは1,300)/1,305 | |
重量[kg] | 820(4WDは870) | 850(4WDは900) |
エンジン | 直列3気筒DOHC 0.66リッター | 直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ |
最高出力[kW(PS)/rpm] | 43(58)/7,300 | 47(64)/6,000 |
最大トルク[Nm(kgm)/rpm] | 65(6.6)/4,700 | 104(10.6)2,600 |
トランスミッション | CVT | |
JC08モード燃費[km/L] | 29.2(4WDは26.0) | 26.0(4WDは24.2) |
燃料 | 無鉛レギュラー | |
前/後サスペンション | マクファーソン/車軸(4WDはド・ディオン) | |
前/後ブレーキ | 油圧式ディスク/油圧式リーディング・トレーリング | 油圧式ベンチレーテッドディスク/油圧式リーディング・トレーリング |
タイヤ | 155/65 R14 |
モデル | N-WGN Custom(NA・2WD) | N-WGN Custom(ターボ・2WD) |
---|---|---|
全長×全幅×全高[mm] | 3,395×1,475×1,655(4WDは1,675) | |
ホイールベース[mm] | 2,520 | |
前/後トレッド[mm] | 1,305(4WDは1,300)/1,305 | |
重量[kg] | 830(4WDは880) | 850(4WDは910) |
エンジン | 直列3気筒DOHC 0.66リッター | 直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ |
最高出力[kW(PS)/rpm] | 43(58)/7,300 | 47(64)/6,000 |
最大トルク[Nm(kgm)/rpm] | 65(6.6)/4,700 | 104(10.6)2,600 |
トランスミッション | CVT | |
JC08モード燃費[km/L] | 29.2(4WDは26.0) | 26.0(4WDは24.2) |
燃料 | 無鉛レギュラー | |
前/後サスペンション | マクファーソン/車軸(4WDはド・ディオン) | |
前/後ブレーキ | 油圧式ディスク/油圧式リーディング・トレーリング | 油圧式ベンチレーテッドディスク/油圧式リーディング・トレーリング |
タイヤ | 155/65 R14 |
Nシリーズの初代モデルであるN BOXは大容量のラゲッジスペースと多彩なユーティリティで大きな話題になったが、「ハイトワゴンのユーザーは後席にも乗員を座らせる機会が多く、ラゲッジよりもシートの居住性を優先する傾向がある」「ただし、ときには広いラゲッジ容量が必要になるシーンも出てくる」という市場分析により、N-WGN、N-WGN Customのリアシートは前後に200mmスライドする方式を採用。リアシートを後端まで下げると、前後席の距離がハイトワゴンでトップクラスの1110mmとなる。
ホンダ独自のセンタータンクレイアウトによって生み出されるリアシート下のスペースは、座面下に靴や傘を置けるウォッシャブルの「リアシートアンダートレイ」、ラゲッジ側は高さのあるベビーカーなどを立てて収納できる2段フロア式の収納スペースとしている。このほかに車内ユーティリティでは、センターコンソールの「センターコンソールスライドトレイ」「センターボックス」、前席シートバックの上部にメッシュポケットを設定する「シートバックアッパーポケット」などを特徴的な装備として設定している。
N-WGN G Aパッケージの2WD(FF)と4WDをベースとした助手席回転シート車は2014年初旬発売予定。価格は2WD(FF)が134万4500円、4WDが146万4600円。助手席側のドアは69°まで開き、助手席が67°車外に向けて回転する。