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ホンダ、Nシリーズ第4弾は“最強欲張りハイトワゴン”新型「N-WGN(エヌワゴン)」

レース技術を投入した新開発エンジン&CVTで29.2km/Lを達成

2013年11月22日発売

N-WGN:113万1000円~147万円

N-WGN Custom:133万5000円~163万円

 本田技研工業は、新型軽自動車の「N-WGN(エヌワゴン)」「N-WGN Custom(エヌワゴン カスタム)」を11月22日に発売する。価格はN-WGNが113万1000円~147万円。N-WGN Customが133万5000円~163万円。

N-WGN

モデルエンジン変速機駆動方式価格
G直列3気筒DOHC 0.66リッターCVT2WD(FF)1,131,000円
G Aパッケージ1,250,000円
G ターボパッケージ直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ1,350,000円
G直列3気筒DOHC 0.66リッター4WD1,251,000円
G Aパッケージ1,370,000円
G ターボパッケージ直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ1,470,000円

N-WGN Custom

モデルエンジン変速機駆動方式価格
G直列3気筒DOHC 0.66リッターCVT2WD(FF)1,335,000円
G Aパッケージ1,450,000円
G ターボパッケージ直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ1,510,000円
G直列3気筒DOHC 0.66リッター4WD1,455,000円
G Aパッケージ1,570,000円
G ターボパッケージ直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ1,630,000円

 N-WGN、N-WGN Customは、ホンダの新世代軽自動車ラインアップ「Nシリーズ」の第4弾。軽自動車市場で販売規模が最も大きいハイトワゴンに属するこのモデルは、単純なスペックや装備品の充実だけでなく、1歩先の満足感を目指す「最強欲張りハイトワゴン」がコンセプト。また、軽自動車の一般化が進んだことで、軽自動車にも安全性を求めるニーズが高まったと分析し、アクティブ・パッシブ両面でのセーフティ性向上も追求している。ボディーラインアップはこれまでのNシリーズ同様2ラインアップとして、「本物感と上質感のある“プラウド・オーセンティック”」をテーマにしたN-WGN、「見た目からも安心感を得られるアピアランスを追求した“アバンギャルド・エモーション”」をテーマにしたN-WGN Customでそれぞれに個性化している。

“プラウド・オーセンティック”がテーマのN-WGN
“アバンギャルド・エモーション”がテーマのN-WGN Custom

 ボディーカラーは全11色を用意。このうち「プレミアムホワイト・パール」「スマートブラック」「カトラリーシルバー・メタリック」が共通色となり、残る各4色をN-WGNとN-WGN Customに専用設定。N-WGNには柔らかな色調の「クッキークリーム」「チェリーシェルピンク・メタリック」に加えて高い質感を感じさせる深い色合いの有彩色「プレミアムディープモカ・パール」「プレミアムブルームーン・パール」を設定。N-WGN Customはカスタム系モデルの定番であるダーク系カラーの「ポリッシュドメタル・メタリック」「プレミアムゴールドパープル・パール」のほか、彩度の高い「ホライゾンターコイズ・パール」「プレミアムフレイムオレンジ・メタリック」を投入して他メーカーのライバル車と差別化を図っている。

テーマカラーはNシリーズ共通で「プレミアムホワイト・パール」を使用している
共通設定する「プレミアムホワイト・パール」
「スマートブラック」
「カトラリーシルバー・メタリック」
N-WGN専用の「クッキークリーム」
「チェリーシェルピンク・メタリック」
「プレミアムディープモカ・パール」
「プレミアムブルームーン・パール」
N-WGN Custom専用の「ポリッシュドメタル・メタリック」
「プレミアムゴールドパープル・パール」
「ホライゾンターコイズ・パール」
「プレミアムフレイムオレンジ・メタリック」
N-WGNのG Aパッケージ/G ターボパッケージに標準装着する「マルチリフレクタータイプ ディスチャージヘッドライト」。Gはハロゲンヘッドライトを装備する
N-WGN Customに全車標準装備の「プロジェクタータイプ ディスチャージヘッドライト」
N-WGN Custom全車のフロントグリル下側に「フロントアクセサリーLED」を装着
「カラードテールゲートスポイラー」もN-WGN Custom専用の装備として全車に装着
N-WGNのGとG Aパッケージに標準装備する14インチスチールホイール+フルホイールキャップ。タイヤサイズは155/65 R14
N-WGN G ターボパッケージが装着するブレードシルバー塗装の14インチアルミホイール。タイヤサイズは155/65 R14
N-WGN Customが全車標準装備する切削クリア塗装+ピューターグレー塗装の14インチアルミホイール。タイヤサイズは155/65 R14
N-WGN Custom ターボパッケージに専用オプション設定する15インチアルミホイール。タイヤサイズは165/55 R15
ハイトワゴンながら高い燃費性能と上質な走りを追求

 パワートレーンではNシリーズ共通のS07A型 直列3気筒DOHC 0.66リッターの自然吸気&ターボとCVTを踏襲しているものの、内部構造を全面的に刷新。とくにエンジンでは「ホンダ軽史上で一番贅沢なエンジン」と表現するほど数多くの技術を投入。CVTでも新技術の採用で軽量・コンパクトさをさらに引き上げている。

 N-WGN、N-WGN Customに搭載されるS07A型エンジンでは、ホンダの軽自動車で初めて1気筒につき2つのインジェクションを設定するツインインジェクションシステムを採用。1本あたりの噴射量を減らして燃料の霧化を促進し、より均一な混合気の形成で燃焼状態を改善。燃費効率とドライバビリティを高めている。また、圧縮比を高めるためレースエンジンで使われるナトリウム封入バルブをホンダ乗用車で初採用した。これにより、排気バルブ周辺の熱を効率的に冷却水に伝えることが可能になり、高圧縮化によるノッキング発生が抑制される。

 このほか、エンジン内部のフリクションを低減させるため、カムチェーンテンショナーの接触面積低減、ベアリングのモリブデンコート、クランクジャーナルの鏡面仕上げなどを実施。より大量の燃焼済みガスの還流が可能になる新EGRシステムの採用などにより、パワーを下げることなく燃費性能を向上させている。

 CVTではミッションケースの薄肉鋳造技術、軽量デフケース、電動ポンプより軽量で電力を消費しないアキュームシステムの採用などにより、N BOXのデビュー時に搭載したCVTと比較して約3.9kgの軽量化を実現している。このほかにもCVTでは、ファイナルレシオのハイギヤード化とトルクコンバーターの流体特性変更による燃費性能と発進加速の両立、トルクコンバーターダンパーの特性見直しによるロックアップ領域の大幅拡大と伝達特性改善を実施している。

 パワートレーン以外でも、アイドリングストップを減速中の約10km/hからコースティングするようにした「減速時アイドリングストップ」の採用、超高強度部材の適用拡大や軽量外板、短ピッチスポット結合による高効率結合などによるボディー全体での15%の軽量化、空力特性の追求によるN-ONEを凌ぐ低Cd値などにより、自然吸気エンジンの2WD(FF)モデルで29.2km/LというN-ONEを2.2km/L上まわるJC08モード燃費を達成。自然吸気の4WD車とターボの2WD(FF)車でも26.0km/L、条件が厳しいターボの4WD車でも24.2km/Lとなっている。

ツインインジェクションシステム、ナトリウム封入バルブといった高度な技術に加え、さまざまな地道な改良で燃費と力強さを両立する新しいS07A型エンジン
少ない燃料をしっかりと燃焼させるツインインジェクションシステム
アイドリングストップを走行中から開始する「減速時アイドリングストップ」を採用。電動ポンプレスを実現するアキュームシステムは、CVTの作動に必要な油圧供給によってアイドリングストップからの復帰後にすばやい加速も実現する
前面投影面積はN-ONE以上、車両重量は同等かわずかに軽いというN-WGNだが、良好なCd値で燃費性能を高めている

 このほかに走行面では、マクファーソン・ストラット式のフロントサスペンションを新開発。ダンパーの減衰力を最適化し、新作のリバウンドスプリングを設定。さらに低フリクションピストンリング、テフロンリングを追加したロッドガイドなどを採用している。リバウンドスプリングによって旋回時のロール角度とロールスピードを制御して質感の高いハンドリングを実現。ダンパーのフリクション低減は路面からの細かな入力もしっかりと吸収し、コーナーリングの大きなストロークでは踏ん張り感のある操縦安定性を発揮する。リアサスペンションでもスプリングバネレートを最適化し、N-WGN Custom全車とN-WGN G ターボパッケージにはスタビライザーも装備する。

テフロンリングの追加でロッドガイドの締めしろ縮小も実施。フラットな乗り心地とコーナーでの安定性を両立させている
ダンパーにスタビライザーに近い機能を持たせるリバウンドスプリングを採用。腰砕け感のない上質なハンドリング性能を発揮する

JNCAPで軽自動車初となる総合評価5つ星を獲得

N-WGNのボディー骨格

 安全性能では「危険に近づかない」「危険を避けやすくする」「万一の際にしっかり守る」の3点をキーワードに開発を実施。ボディー構造ではNシリーズ独自の「衝突エネルギーを吸収するエンジン」や新荷重分散構造のコンパティビリティ対応骨格などで基本性能を確保し、運転席用i-SRSエアバッグ(連続容量変化タイプ)&助手席用i-SRSエアバッグを標準装備し、全席にロードリミッター付ELRベルトを採用するほか、N-WGN G以外に前席用i-サイドエアバッグ(連続変化タイプ)やサイドカーテンエアバッグなどをセットにした「あんしんパッケージ」を標準装備。N-WGN Gでも6万円高でオプション設定し、万一のときに乗員のダメージを低減させる高いパッシブセーフティ性を実現。NASVA(自動車事故対策機構)が実施している自動車アセスメント(JNCAP:Japan New Car Assessment Program)で、軽自動車としては初めてとなる総合評価5つ星を獲得している。

 アクティブセーフティではVSA(ABS+TCS+横すべり抑制)、ヒルスタートアシスト機能、エマージェンシーストップシグナルなどを全車標準装備。あんしんパッケージには先進安全技術の「シティブレーキアクティブシステム」も採用し、低速域衝突軽減ブレーキで約30km/h以下の走行時に自動ブレーキによって前方車両との衝突回避・ダメージ軽減を図り、誤発進防止機能は停車~約10km/h以下で前方に障害物がある状況でアクセル操作が行われると、エンジン出力を抑制してブレーキに踏み換える時間を確保したり、衝突のダメージを低減させてくれる。

最大6個のエアバッグが展開して衝撃を吸収し、乗員と車外の物体がぶつからないよう保護してくれる。ステアリングの運転席用i-SRSエアバッグと前席シートバッグのi-サイドエアバッグは事故の程度に応じて展開する容量を変化させるタイプ
「ぶつからないクルマ!?」機能をホンダの軽自動車で初導入
モデルN-WGN(NA・2WD)N-WGN(ターボ・2WD)
全長×全幅×全高[mm]3,395×1,475×1,655(4WDは1,675)
ホイールベース[mm]2,520
前/後トレッド[mm]1,305(4WDは1,300)/1,305
重量[kg]820(4WDは870)850(4WDは900)
エンジン直列3気筒DOHC 0.66リッター直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ
最高出力[kW(PS)/rpm]43(58)/7,30047(64)/6,000
最大トルク[Nm(kgm)/rpm]65(6.6)/4,700104(10.6)2,600
トランスミッションCVT
JC08モード燃費[km/L]29.2(4WDは26.0)26.0(4WDは24.2)
燃料無鉛レギュラー
前/後サスペンションマクファーソン/車軸(4WDはド・ディオン)
前/後ブレーキ油圧式ディスク/油圧式リーディング・トレーリング油圧式ベンチレーテッドディスク/油圧式リーディング・トレーリング
タイヤ155/65 R14
モデルN-WGN Custom(NA・2WD)N-WGN Custom(ターボ・2WD)
全長×全幅×全高[mm]3,395×1,475×1,655(4WDは1,675)
ホイールベース[mm]2,520
前/後トレッド[mm]1,305(4WDは1,300)/1,305
重量[kg]830(4WDは880)850(4WDは910)
エンジン直列3気筒DOHC 0.66リッター直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ
最高出力[kW(PS)/rpm]43(58)/7,30047(64)/6,000
最大トルク[Nm(kgm)/rpm]65(6.6)/4,700104(10.6)2,600
トランスミッションCVT
JC08モード燃費[km/L]29.2(4WDは26.0)26.0(4WDは24.2)
燃料無鉛レギュラー
前/後サスペンションマクファーソン/車軸(4WDはド・ディオン)
前/後ブレーキ油圧式ディスク/油圧式リーディング・トレーリング油圧式ベンチレーテッドディスク/油圧式リーディング・トレーリング
タイヤ155/65 R14
N-WGNの車内イメージ

 Nシリーズの初代モデルであるN BOXは大容量のラゲッジスペースと多彩なユーティリティで大きな話題になったが、「ハイトワゴンのユーザーは後席にも乗員を座らせる機会が多く、ラゲッジよりもシートの居住性を優先する傾向がある」「ただし、ときには広いラゲッジ容量が必要になるシーンも出てくる」という市場分析により、N-WGN、N-WGN Customのリアシートは前後に200mmスライドする方式を採用。リアシートを後端まで下げると、前後席の距離がハイトワゴンでトップクラスの1110mmとなる。

 ホンダ独自のセンタータンクレイアウトによって生み出されるリアシート下のスペースは、座面下に靴や傘を置けるウォッシャブルの「リアシートアンダートレイ」、ラゲッジ側は高さのあるベビーカーなどを立てて収納できる2段フロア式の収納スペースとしている。このほかに車内ユーティリティでは、センターコンソールの「センターコンソールスライドトレイ」「センターボックス」、前席シートバックの上部にメッシュポケットを設定する「シートバックアッパーポケット」などを特徴的な装備として設定している。

N-WGNはベージュ内装を採用。メーターは中央に大型スピードメーターを設置する1眼式。フロントシートアームレストは全車標準装備
N-WGN Customの内装色はブラック。G Aパッケージ/G ターボパッケージではインパネの下側などが深い紫色のバーガンディとの組み合わせになる「クオリティインテリア」が標準になる。右側のステアリングスポークに装着しているのはCustomのG Aパッケージ/G ターボパッケージ専用装備となるクルーズコントロールの操作スイッチ
ベージュ内装のシート表皮はトリコット、ブラック内装のシート表皮はジャージを使用し、クオリティインテリア車はシャージとプライムスムースのコンビネーションシートになる。トリコットとジャージのシート表皮は、ダニやスギ花粉といったアレルゲン物質の活動をほぼ完全に抑制する「アレルクリーンシート」となる
N-WGNの1眼式メーター。スピードメーター両サイドのグリーンのランプは省燃費運転で走行していることを示す「エコインジケーター機能」
タコメーター付きの3眼式メーターを採用するN-WGN Custom。盤面にはスピンドル加工が施され、目盛りにも立体感を与えて緻密なイメージを演出
N-WGN Customのインテリアでは、ブラックとクリアの樹脂を二重構造にして深みと上質感を表現する「レイヤードクリアパネル」をインパネやドアトリムに装着。さらに紫色の光をダウンライトとして使う「バイオレットイルミネーション」でプレミアム感を演出
市街地走行から高速クルージングまで快適な車内環境を実現するため防音材の配置などを最適化。N-WGN Customは防音材を追加していることが分かる
傘など長い荷物も入る「リアシートアンダートレイ」。プラスチック素材で一体成型されており、取り外して水洗いが可能。濡れた傘や泥で汚れた靴なども気にせず置けるスペースとなっている
ラゲッジスペースにはリアシートと連動してスライドするフロアボードを設置。フロアボードを持ち上げると290mmの深さを持つ収納スペースとなり、A型ベビーカーの縦置き収納などに対応する
リアシートは座り心地を優先させた仕様で、シートバックを前に倒してもラゲッジには段差ができる。フルラゲッジモードはあくまで緊急用と割り切った構成となる
センターウォークスルーと使い勝手を両立させるために工夫が凝らされたセンターコンソール。「センターコンソールスライドトレイ」は助手席側にドリンクホルダーも設定。「センターボックス」は標準装備のDC12Vアクセサリーソケットやオプション品の「ディスプレイオーディオ」とセットになるHDMIジャック、USBジャック×2などからケーブルを繋いだままスマートフォンや音楽プレーヤーなどを収納できる
「siriアイズフリー」対応のディスプレイオーディオ。スマートフォン感覚の拡大、縮小といった操作が可能で、iPhoneを接続してインターナビポケットのカーナビ機能も利用できる
リアシートからも目に入りやすいルームミラー上部に後席シートベルト締め忘れ警告灯を設置
N-WGN G Aパッケージの2WD(FF)助手席回転シート車

 N-WGN G Aパッケージの2WD(FF)と4WDをベースとした助手席回転シート車は2014年初旬発売予定。価格は2WD(FF)が134万4500円、4WDが146万4600円。助手席側のドアは69°まで開き、助手席が67°車外に向けて回転する。

(編集部:佐久間 秀)