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ホンダ、セダン並みの低全高とゆとりある室内空間を実現した新型「ジェイド」発表会

室内空間確保のため、インテリジェントパワーユニットをセンターコンソールに配置

2015年2月12日開催

フォトセッションに収る専務執行役員 日本本部長の峯川尚氏(左)と、ジェイドの開発責任者である印南泰孝氏(右)

 本田技研工業は2月12日、東京 青山の同社ショールーム「Hondaウエルカムプラザ青山」で新型「JADE(ジェイド)」の発表会を開催した。

 記者会見の冒頭に登壇した専務執行役員 日本本部長の峯川尚氏は「ホンダは乗る人のスペースは最大に、メカニズムは最小にというMM(マンマキシマム・メカミニマム)思想を基に市販車を開発してきました。セダン、コンパクトカー、軽自動車、ミニバンのすべてのラインアップに、この思想を一環して取り入れています。特に、1994年に登場したオデッセイは、日本において多人数乗用ミニバンの価値を提案し、国内市場の活性化につながりました」と、ホンダが以前から提唱している市販車に共通した「MM思想」について説明。新型ジェイドはこのMM思想を強く意識したモデルとなり、全高は多くの立体駐車場に入る1530mmとしながらも、室内は3列6人乗りとし、室内スペースも最大限に確保している。

 続いて「車名のジェイドとは翡翠を意味し、宝石のような美しさを持ち、新時代の乗用車になって欲しいという思いからネーミングしました。都市に相応しいスタイリッシュなデザインかつ使い勝手のよさ、安全性能や燃費性能、爽快な走りなど多くの要素を高い次元で実現しています。『都市型3列』というキーワードの基に開発を行い、ゆとりある室内空間を提供しています。ジェイドは乗用ミニバンの新しい価値を生み出し、ステーションワゴンやセダンオーナーにも受け入れられるはずです」と、都会に映えるデザインと使い勝手のよさ、それでいて爽快に走る走破性などがジェイドの長所になるようだ。

 峯川氏は「本日発表のジェイドに続き、ホンダは新型車の発表を随時行っていきます」と力強いコメントで挨拶を締めくくった。

新型ジェイドのボディーサイズは4650×1775×1530mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2760mm。ボディーカラーは7色用意される
ハイブリッド Xで採用する17インチホイールには、高速道路のつなぎ目などを通過する際、タイヤ内部で発生する共鳴音を打ち消す効果を持つという「ノイズリデューシング」機構を採用
ノイズリデュースアルミホイールをクラス初採用。タイヤ内部で発生する共鳴音により引き起こされるロードノイズを低減できる
エンジンは1種類で、ワンモーターハイブリッドシステムの「SPORT HYBRID i-DCD」を搭載。直列4気筒DOHC 1.5リッター直噴エンジンは最高出力96kW(131PS)/6600rpm、最大トルク155Nm(15.8kgm)/4600rpmを発生。モーターは22kW(29.5PS)/1313-2000rpm、最大トルク160Nm(16.3kgm)/0-1313rpmで、システム出力は112kW(152PS)。JC08モード燃費は25.0km/L
室内空間を最大限に取るために、従来はフロア下に置かれていたインテリジェントパワーユニットをセンターコンソールに配置
素材やデザインにこだわり作り上げたインパネやドアパネル
2列目では、ホイールハウスをよけるように前後する「Vスライドキャプテンシート」を採用。シートを最後端まで下げると広い足下スペースと前方視界を確保できる設計となっている
上級グレードのHYBRID Xはレザーシートを採用。カラーはアイボリーとブラックを用意
3列目と荷室のアレンジは多彩。2列目もホールディング可能で、自転車なども楽に収納できる
無限(M-TEC)のパーツを装備したジェイド。外装はフロント、サイド、リアのスポイラーとルーフのウイングスポイラーを装着する。マフラーやサスペンション、ホイールも無限のアイテムとなる

「MM思想」をそのまま表現したジェイド

ジェイドの開発責任者・印南泰孝氏

 続いて登壇したジェイドの開発責任者である印南泰孝氏は、具体的な製品特徴について解説を行った。

 まずジェイドの開発コンセプトについては、「クルマが本来備えているスタイリングや走り、居住性や使い勝手という相反する要素を高次元で両立することが重要だと考えました。そこで目指したのは、幅広い世代に受け入れられながらも個々の志向性にも応えられるクルマであること。格好よくて使い勝手もよい、新しい乗用車に仕上げています」と、オーナーが本来クルマに求めている、さまざまな要望をすべて叶えることを目指した。

 パッケージについては、「立体駐車場に入る全高でありながらも、3列シートの6人乗り。1列目、2列目、3列目、荷室でそれぞれコンセプトを定めて居住空間と使い勝手を追求しました。運転席ではセダンと同等のドライビングポジションを取れるようにし、リムジン空間の2列目はVスライドキャプテンシートを採用することで、クラスを超えた足下空間を実現。これらのゆとりあるキャビンスペースを生み出すために、バッテリーなどのインテリジェントパワーユニットをセンターコンソールに移動させ、燃料タンクや排気ラインを薄型化した低床プラットフォームを開発しました」と、キャビンスペースを最大限に確保するため、多くの部分をジェイド用に開発している。

 デザインに関しては、「外装はオーナーの所有する喜びを満たすため上質でエモーショナルなデザインを行いました。サイドのベルトラインを大きく下げてグラスエリアを広く取ったことにより、個性的で先進感のあるルックスになったと感じています。インテリアについては、自然で爽快感のあるキャビンと先進的なコクピットを意識しました。立体感のあるシートや機能美のあるインパネ、質感と先進感のあるパネル類などが特徴となります」とコメント。

 加えて、質感を求めるオーナーのためにノイズや乗り心地に関しても徹底的に追求を行ったといい、「クラス初採用となったノイズリデュースアルミホイールや遮音材の効果的な配置によって上位クラスに匹敵する静粛性を確保しました。乗り心地については、リアにダブルウィッシュボーンサスペンションを採用し、シャシーも基本性能を磨き上げることによりシルキーな乗り味に仕上げています。一方で、爽快さを演出するためにセダンと同等以上の操舵フィールと、一体感のあるクルマの動きを実現。日常使いはもちろんですが、ロングドライブしたくなるクルマに仕上がっています」と、乗り味に関しても高次元を追求したキャビンスペースや使い勝手に引けを取らない仕上がりになっているようだ。

 限られた全高の中で最大限のキャビンスペースを生み出すという「MM思想」をそのまま表現した「新型ジェイド」。都市型の乗用ミニバンと位置づけられたこの新型車は、オデッセイやステップワゴンのように他社が追従するモデルとなるのか注目される。

1列目、2列目、3列目、荷室とそれぞれにコンセプトを持たせて開発された
従来はリアのフロア下に置かれていたインテリジェントパワーユニットをセンターコンソールに移動させた
排気ラインや燃料タンクを薄くすることでキャビンスペースを広くした
エクステリアは、オーナーの所有欲を満たすエモーショナルなデザインを意識している
インテリアは上質さと爽快感を感じるような素材やデザインを採用する
乗り心地や静粛性も上級クラスに引けを取らない仕上がりとなっている
先進の安全運転支援システム「HONDA SENSING」を採用
燃費性能と上質な走りを両立させるi-DCDのスポーツハイブリッドを搭載する

(真鍋裕行)