ニュース

フェラーリ、F1マシンのオーナーになれる「F1 Clienti」プログラム

「フェラーリ・レーシング・デイズ 富士 2015」で「F2001」「F310」が走行

2015年4月25日~26日開催

 フェラーリのオーナーやファンたちが富士スピードウェイに集まる「フェラーリ・レーシング・デイズ 富士 2015」が4月25日~26日に開催され、往年のF1マシンや限定モデル「ラ・フェラーリ」などがサーキットを走行した。

 2014年に続いて富士スピードウェイで開催された「フェラーリ・レーシング・デイズ」には、2日間で約600台近いフェラーリと、5000人以上のオーナーやファンが会場を訪れたという。

 会場では、フェラーリ「458」によるワンメイクレース「フェラーリ・チャレンジ・トロフェオピレリ・アジアパシフィック 2015」第2ラウンドの開催、フェラーリのレース専用車両「FXX」「599XX」を使用した「XXプログラム」による走行など、フェラーリオーナーがサーキット走行を楽しめるプログラムが用意された。

今年の「フェラーリ・レーシング・デイズ」では、2日間で約600台近いフェラーリと、5000人以上のオーナーやファンが会場を訪れた

 その中でも、フェラーリが提供する最もエクスクルーシブなプログラムというのが「F1 Clienti」。その公式なコーチとして関わっている元F1ドライバーのマルク・ジェネ氏が同プログラムについて説明した。

フェラーリに選ばれたVIPがF1マシンのステアリングを握ってサーキットで走行することができる「F1 Clienti」

 ジェネ氏は「フェラーリは、F1マシンを実際に販売する唯一と言ってよいブランド」と話し、フェラーリではF1マシンを年間5~6台製造しており、レースシーズン終了後そのうち3台は本社で管理、残りの2~3台はシーズンを終えて2年以上経過後、顧客に販売していることを紹介した。

 しかし、一般ユーザーに購入されたF1マシンは、所有者のコレクションホール等に展示されるだけといったことが多く、フェラーリでは多くのユーザーにF1マシンを走行できるチャンスを与えるため、約10年前にF1 Clientiプログラムを作り出した。

 F1 Clientiでは、顧客に購入されたF1マシンはフェラーリが管理する。オーナーがサーキット走行をする場合は、F1に関わるメカニックによりコンディションが保たれた状態で、走行を楽しむことができるという。

「F1 Clienti」プログラムのフェラーリ公式コーチとなってる元F1ドライバーのマルク・ジェネ氏がピットの内部を案内してくれた
「F1 Clienti」で購入した車両はフェラーリにより管理される。サーキット走行をする場合は、F1に関わるスタッフによりコンディションが保たれた状態で楽しむことができる
技術に関する情報を管理する関係上、シーズンを終えて2年以上経過したマシンのみが販売され、現在購入できるものは2013年より前のもの
F1マシンのエンジンをスタートさせるためのモータを接続しているところ
この日は、2名のオーナーが実際にF1マシンを走らせた
ピット内に用意されたモニタールームでは、各コーナーのアクセル開度やブレーキのタイミングなど各種データをパソコンで確認でき、アドバイスが受けられる
元F1ドライバーのマルク・ジェネ氏

 取材日は、2001年にルーベンス・バリチェロが乗ったマシン「F2001」、1996年にミハエル・シューマッハがフェラーリのドライバーとして初参戦したマシン「F310」がピットに並び、実際に2名のオーナーがサーキット走行を楽しんだ。

1996年にミハエル・シューマッハがフェラーリのドライバーとして初参戦したマシン「F310」
2001年にルーベンス・バリチェロが乗ったマシン「F2001」

「誰にでもF1マシンを購入する権利があるのか?」という問いに、ジェネ氏は「第1にフェラーリのコレクターであることなどが必要。フェラーリがVIPと認めるオーナーであれば、正規ディーラー経由でF1マシンを購入することが可能」と明かした。

「レーサーでなくてもF1マシンを操縦できるのか?」という問いには、ジェネ氏は「ほとんどのお客様がF1を運転できる。運転が得意でない人でも、得意な人と10秒くらいの差で走れてしまう」と語り、「私の仕事は実際にF1を運転していただいて、オーナーに楽しんでもらうこと」と、F1 Clientiプログラムの狙いを話した。

 F1 Clientiについて、ジェネ氏は「FXXプログラムと同じく、非常に成功しているプログラム」と、その人気ぶりを示した。

レース専用車両「FXX」を使った「XXプログラム」も同じスタッフにより展開される
「599XX」
オーダーメイドプログラムによってカスタマイズされた現行モデルの展示なども行われた

(編集部:椿山和雄)