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ヤマハ発動機とヤマハ、日本初公開のコンセプトモデルなどを合同展示

馬をモチーフにしたバイクなど合計13点を六本木ヒルズに展示

2015年7月3日~5日開催

会場:六本木ヒルズ 大屋根プラザ(東京都港区六本木6丁目11-1)

入場料:無料

 ヤマハ発動機とヤマハは7月3日~5日の期間、日本初公開のコンセプトモデルなどを展示する「Two Yamahas, One Passion~デザイン展2015~」を六本木ヒルズ 大屋根プラザにて開催中。

 開催初日の7月3日、両社のデザイン部門のトップが出席するイベントが開催され、プロジェクトや出品作品に対する想いを語った。

YAMAHAを鏡に映すプロジェクト「project AH A MAY」などについて、両社のデザイン部門トップ、ヤマハ発動機 デザイン本部 本部長の長屋明浩氏とヤマハ デザイン研究所 所長の川田学氏がその想いを語った

 同展では、「project AH A MAY(プロジェクト アーメイ)」と題して、楽器を中心にデザインするヤマハ、モーターサイクルなどを中心にデザインするヤマハ発動機と、それぞれのデザイン部門がお互いのデザインフィールドを交換してデザインを提案した4つの作品のほか、デザインコンセプトモデルなど9つの作品が展示されている。

「project AH A MAY」は、「YAMAHA」ブランドを使用する両社がお互いを「鏡」に見立て、デザインを通じてお互いを映し出し、相互に刺激を与えあうと同時に、両社に共通する「ヤマハらしさ」を見出すことを目的としたプロジェクトとなる。

 今回、ヤマハ デザイン研究所はモーターサイクル「√(ルート)」と電動アシスト自転車「O±O(ゼロプラスマイナスゼロ)」を、ヤマハ発動機 デザイン本部はドラムス「RAIJIN(God of the Thunder)」、マリンバ「FUJIN(God of the Wind)」をそれぞれ展示した。

 モーターサイクルの「√(ルート)」は、馬をモチーフとしてシートからタンク上まで流れるようなフォルムを再現。ライダーの目前から計器類を排除したことで視線の先が風景と一体となり“人”と“自然”と“乗り物”の一体感を目指したという。

 一方、マリンバの「FUJIN(God of the Wind)」は、モーターサイクルの2人乗りのようなスタイルでマリンバを演奏することになり、お互いのスイングやギャップによる偶発性を活かし、魅せることも考えた楽器に仕上がった。

ヤマハの作品となるモーターサイクル「√(ルート)」
ヤマハの作品となる電動アシスト自転車「O±O(ゼロプラスマイナスゼロ)」
ヤマハ デザイン研究所 所長の川田学氏

 ヤマハ デザイン研究所 所長の川田学氏は、モーターサイクル「√(ルート)」のデザインに関して「馬の背中をブラッシングするような、人と乗り物の濃い関係を作りたかったことと、楽器には日々チューニングや手入れをする作業が必要となるのですが、乗り物にもそれ自体が楽しみになるようなものを盛り込みたかった」と話した。

 今回の「project AH A MAY」に対して、川田氏は「今、世界中の企業やブランドが生き残りをかけて、自分たちのアイデンティティを考えることが課題になっていると思います。自分たちはバイクや楽器を通じてその確認をすることができ、こうして情報発信していくことで“ヤマハって面白いね”と思ってもらえ、その期待にも応えていきたいので次々とこういう活動を続けていきたい」と語った。

ヤマハ発動機の作品となるマリンバ「FUJIN(God of the Wind)」
ヤマハ発動機の作品となるドラムス「RAIJIN(God of the Thunder)」
ヤマハ発動機 デザイン本部 本部長の長屋明浩氏

 ヤマハ発動機 デザイン本部 本部長の長屋明浩氏は「“project AH A MAY”というのは、いわばデザイナーによる公開実験で、デザイナーが“我々が何者なのか?”というのを、自分たちを鏡に映し出すことで明らかにさせることが目的でした。楽器をルーツに持つ乗り物のブランドはヤマハしかなく、ブランドコミュニケーションをするうえで大きな武器になると思います」と狙いを話した。

 今回のお互いの作品について、長屋氏は「“project AH A MAY”では、お互いに干渉しないで最後に見せ合う形を取りましたが、結果として非常にヤマハのDNAを感じさせるコーディネートされた作品となり、お互いの共通性を確認することができ、驚いているところです」と話した。

 今後の展開として、長屋氏は「ヤマハのブランド構築は、デザイン本部としてやらなければならない取り組みなので、今回示したものをより顕在化できるよう関係性を強化していきたい」と話した。

会場では両社のデザイン部門トップが参加するセッションが実施された

会場ではそのほかのデザインコンセプトモデルも展示された

ヤマハが参考出品した「VOCALOID KEYBOARD (ボーカロイド キーボード)」
デザインコンセプトモデル「01GEN」
デザインコンセプトモデル「01GEN」
デザインコンセプトモデル「03GEN-x」
デザインコンセプトモデル「03GEN-f」

(編集部:椿山和雄)