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トヨタ中嶋裕樹CTO、「水素王におれはなる!!」と水素採掘の夢を語る 「できればコマツさんと日本で水素を掘り当てたい」

日本で水素採掘の夢を語るトヨタ自動車株式会社 代表取締役副社長兼CTO 中嶋裕樹氏。「水素王におれはなる!!」

コマツさん、私の夢を言っていいでしょうか?

 5月31日、スーパー耐久第3戦 富士24時間レースが開催されている富士スピードウェイにおいて、トヨタ自動車と小松製作所の水素普及に関する取り組みの説明会が開催された。これは、富士スピードウェイにコマツが水素燃料電池搭載「中型油圧ショベルのコンセプトマシン」を展示したことを受けてのこと。開発案件であるため、コマツからは草場泰介CTO(Chief Technology Officer)、トヨタからは中嶋裕樹CTOが参加し、報道陣からの質問にも答えた。

 日本での水素普及についての現状はトヨタ中嶋CTOが解説。水素では価格が普及のネックとなっている面があるが、それについて中嶋CTOは解決策を提案。説明会の終わりに「コマツさん、私の夢を言っていいでしょうか?」と切り出し、「今、天然水素というのがちょっと流行っております。オーストラリアでは、普通に掘って97%の純度の水素が出てきます。それ同時にヘリウムが出てくるので工業的に使える。できればコマツさんとですね、日本で水素を掘り当てたい!! 掘る、掘る、そこで出た水素をどんどんこの建機(中型油圧ショベルのコンセプトマシン)に使っていただきたい、これが私の夢です」と、水素採掘プロジェクトを説明会の最後に唐突にコマツに提案した。

一緒に説明会を開催した株式会社小松製作所 草場泰介CTO(右)に、水素採掘の共同事業を提案

 草場CTOは、「掘る機械たくさん持ってます。ありがとうございます」と対応し、説明会は終了。報道陣も本気なのか、冗談なのかやや分からない形で説明会は終わった。

「水素王におれはなる!!」とトヨタ中嶋裕樹CTO

 この件について気になったので、翌6月1日に中嶋裕樹CTOに確認したところ、中嶋CTOは「本気も本気、水素王におれはなる!!」と宣言し、実際にその構想を持っていることを語った。

 逆に言えばそのくらい思い切ったことをしないと、水素が普及しないという懸念を中嶋CTOは持っていることになる。水素王になるかどうかはともかく、ホワイト水素とよばれる天然水素採掘が、どう具体化するか追いかけていきたい。