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三菱HCキャピタルとMobiSavi、EVの普及とサーキュラーエコノミーの実現を目指して業務提携
2025年6月2日 18:25
- 2025年6月2日 発表
三菱HCキャピタルとMobiSaviは6月2日、EV(電気自動車)の普及と適切なリパーパスなどの資源循環(サーキュラーエコノミー)の実現をめざした業務提携契約を締結したと発表した。
現在多くの企業が、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの1つとして、EVの導入検討を推進しているが、EVの普及が進む中で、その持続可能性を確保するためにはEVのサーキュラーエコノミーが不可欠という。特にバッテリなどに使用される希少資源の有効活用とリユース、リパーパスによる環境負荷の低減を通じて、持続可能なEV・バッテリ産業の発展に不可欠な取り組みとして注目されている。また、現状、中古バッテリの性能評価や保証は十分に確立されておらず、国内における中古EVの買い取り価格がガソリン車より低いため、その約8割が海外へ流出しているという。
そこで三菱HCキャピタルグループは、「2023~2025 年度中期経営計画」にて、組織横断で取り組む4つの重要テーマを掲げ、その内の「EV関連」「脱炭素ソリューション」への取り組みの一環として、三菱オートリースを含むグループ連携によるEV統合型サービスを提供。さらに、パートナー企業との連携により、EVの充電インフラやエネルギーマネジメント、中古EVリースサービスの構築や中古EVバッテリの利活用など、EV統合型サービスの機能拡充に取り組んでいるという。
一方、EV性能予測技術などを用いてEVデータ活用事業を運営するMobiSaviは、EVを対象としたサーキュラーエコノミーの実現には、新車や中古を問わず、国内でEVの流通を活性化させることが重要と考え、独自のEV性能予測技術を活用したEV導入支援サービス「FACTEV(EV転換シミュレータ)」などを提供。
また、MobiSavi独自のEV性能予測技術は、EVの普及台数や経過年数に関係なく、地域、使用期間、走行距離、SOH(State of Health)などさまざまな条件に応じた中古EVのバッテリ性能保証も可能にするもので、中古EVの性能不安を和らげることで中古EVの導入ならびに中古EVバッテリの二次利用を支援している。
両社はEV統合型サービスの機能を拡充させることでEV導入をサポートし、リースを通じてEVの流通を活性化させていくというニーズが一致し、今回の業務提携に至ったという。
両社の取り組み内容
・新たなEVリースモデルやバッテリ再利用ビジネスの実現に向け、三菱HCキャピタルが保有する社有車の走行データおよびバッテリデータを活用し、MobiSaviがバッテリ寿命を高精度に推定・評価する実証実験を実施
・適正なバッテリ評価手法に基づき、経済価値(使用価値)を残価として反映した新たなEVリースモデルの構築
・中古EVから取り外したバッテリを定置型蓄電池として再利用するなど、バッテリの活用を広げる新たなビジネススキームの創出
今後、三菱HCキャピタルとMobiSaviは、今回の提携を通じて、EVの導入支援および適切なバッテリ評価に基づく中古EVの国内流通の促進、使用済みバッテリの定置型蓄電池などへのリパーパスによる新たなビジネスの創出を目指すほか、この取り組みを通じて企業の脱炭素経営の支援と再生可能エネルギーとの連携も視野に入れた蓄電インフラの構築を進め、EVのライフサイクル全体における価値最大化とサーキュラーエコノミーの実現に向け、継続的に連携していくとしている。
