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日産、新型「リーフ」の出力発表 リアサスはマルチリンクに
2025年6月9日 20:30
- 2025年6月9日 発表
日産自動車は6月9日、6月後半に正式発表する新型バッテリEV(電気自動車)「リーフ」について、開発した商品企画、デザイン、開発チームのメンバーを特集した全3回のビデオシリーズの第2弾映像を公開した。第2弾映像では第3世代となる新型リーフのサスペンションや取り回し性能、改善した熱をマネージメントする機能、より静かで洗練されたキャビンについての詳細が紹介された。
新型リーフではインバーター、モーター、ギヤ(減速機)からなる新型の電動パワートレーン「3-in-1」を初採用。従来3つに分割されていた主要なコンポーネントをパッケージ化することで、現行モデルと比べて10%小型化し、最高出力は160kW(214HP)、最大トルクは355Nmを発生する。
この新型パワートレーンやサスペンションの改良、遮音性能の改善によってより静かで洗練されたキャビンを実現したとし、日常の走行を想定した速度(50km/h程度)では現行モデルよりも静粛性を最大2dB向上。さらにパワートレーンの小型化に伴い、空調ユニット(HVAC)を室内ではなくモータールーム内に配置し、空間効率をつきつめた圧倒的な開放感をもたらすキャビンを実現したという。
サスペンションの改良においては、従来モデルのリアサスペンションがトーションビームだったところ新型リーフではマルチリンクサスペンションを採用。これにより車体の横剛性が66%向上し、CMF-EVプラットフォームと高剛性ボディ構造と相まって俊敏性と乗り心地を改善。また、新型リーフのホイールサイズは19インチとなるが、最小回転半径を0.1m改善し、5.3mを実現した。これはラックアシストタイプの電動パワーステアリングシステムの改良によるもので、都市部での車両の取りまわしのよさを確かなものにしているとのこと。
今回の発表に際し、日産テクニカルセンターで開発を主導したチーフ・ビークル・エンジニアの磯部博樹氏は「開発チームの最優先事項は、熱をマネージすることによる効率化とエネルギーの無駄をなくすことでした。例えば、車載充電器(OBC)が充電中に発した熱を、捨てるのではなくバッテリーを温めるために利用するなどしています。これを実現するために、新しい水冷式のバッテリー温調システムを採用しました。これは、車載充電器が発生する熱を回収して、バッテリーを温めるように使うなどし、特に寒冷地での充電性能・回生性能を向上させます。この熱マネージメントシステムにより、バッテリー性能の効率化を突き詰め、エネルギーを節約することで航続距離の延長を可能にします」と述べている。