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トヨタ中嶋裕樹副社長、海外メディア向け会見で出た新型セリカへの質問に対しGRスープラへの思いを語る

液体水素レーシングマシン「GR LH2 Racing Concept」

 6月14日~15日の2日間にわたって、ル・マン24時間レースの決勝がフランス サルトサーキットで行なわれた。このル・マン24時間レースに合わせてトヨタ自動車は液体水素レーシングマシン「GR LH2 Racing Concept」を世界初公開。決勝スタート日の16日には、フランスを訪れていたトヨタ自動車 代表取締役副社長兼CTO 中嶋裕樹氏が海外メディア向け会見で質問に答えた。

 質問の多くはトヨタが液体水素のレーシングカーを発表したこともあってか、水素に関する質問やカーボンニュートラルの考え方、バッテリに必要とされるレアアースについてなどが多かった。その中で、中嶋副社長は次世代のFCEV(燃料電池車)がSUVタイプとなることをほのめかしつつ、ユーモアを交えながら海外メディアの質問に丁寧に返答。トヨタの考える脱炭素に向けてのマルチパスウェイについて解説も行なっていた。

GRスープラ 特別仕様車“A90 Final Edition”

 後半の質問には、一つ興味深いものがあった。ある海外メディアは次期「セリカ」について質問。中嶋副社長は2024年のラリージャパンで「(新型)セリカ、やります」と力強く宣言した人として知られている。海外メディアはそのことを前提に質問をしたのか、それともトヨタの技術を統括するCTOに向けて質問したのか定かではないが、この質問に会場は一瞬どよめいた。

 中嶋副社長はセリカについて正面から答えるのではなく、最終の特別仕様車である“A90 Final Edition”を出したGRスープラについて回答。このスープラのオリジナリティはコラボレーションを行なった会社にあると語り、「if possible next generation SUPRA あっ!」と発言。「あっ」で発言が終わるかなと思いきや、将来の製品計画については語ることができないとした上で、「i would like to produce ourselves(私たちでプロデュースしたい)」と語り、自分たち自身の手で次世代スープラをプロデュースしたいという意向を表明した。

 このプロデュースが何を意味するのか、ifがifのままと不確定ではあるが、もし次にGRスープラが出るとするならば、トヨタ自身で作っていきたいということなのだろう。中嶋裕樹副社長は日本語でしゃべると余分なことまでしゃべるからと会見に臨んだが、英語ですべて答えつつ海外の記者に濃い情報を提供。海外の記者はル・マンの場で行なわれた1時間を超える会見に満足したようだった。