ニュース

パイオニア、2025夏カロッツェリア新商品説明会 最新の楽ナビ、ディスプレイオーディオ、デジタルプロセッサーについて解説

2025年6月19日 開催
カロッツェリア2025夏モデルの新商品説明会が実施された

 パイオニアは6月19日、報道関係者向けに「2025夏カロッツェリア新商品説明会」を実施した。2025年夏モデルとなる新商品はすでに5月8日に発表されており、各担当者からの説明とそれぞれの実機に触れることができる場となった。

 2025年夏モデルとしてラインアップされたのはカーナビゲーションシステム「楽ナビ」13機種、ディスプレイオーディオ1機種、デジタルプロセッサー2機種となる。それぞれの詳細については過去記事を参照してほしい。

実用品から趣味嗜好品を重視する方向へ

パイオニア株式会社 マーケティング推進部 ブランドマネージャー 紺野賢一氏

 最初に登壇したパイオニア マーケティング推進部 ブランドマネージャーの紺野賢一氏は、2024年の市販カーナビは新車需要の影響を受けたこともあり昨年比88%ほどと若干のマイナスだったものの、ディスプレイオーディオやドライブレーコーダーといった商品については前年を超える推移を見せたと前置き。

 ただ、カーナビに関しては純正で標準装着される傾向がひと段落し、(市販カーナビの装着が可能な)オーディオレス設定の車種が徐々に増えつつあると同時に、クルマに対するユーザーの考え方も実用品から趣味嗜好品を重視する方向へと変化を見せつつあると説明。そういったユーザーに「選んで使っていただいて楽しんでもらうために、いろいろな提案をしていきたい」と述べた。

 新商品については2019年から提案しているオンライン化をベースに、サウンドで楽しんでもらうためのラインアップを用意。「やっぱり市販らしさ、私たちカロッツェリアらしさとしては、オンラインを使って、その延長線上でやはりサウンドで楽しんでもらう、クルマの中をもっと楽しんでもらいたい」とまとめた。

クルマWi-Fiとサウンドアップでドライブを「特別な時間に」
新商品ラインアップ

最新楽ナビは全機種でApple CarPlay/Android Autoに対応

パイオニア株式会社 マーケティング推進部 国内マーケティング課 堤大士氏

 続いて登壇したパイオニア マーケティング推進部 国内マーケティング課の堤大士氏は楽ナビについて説明。まず、楽ナビは常に「その時代時代のカーライフをどう充実させていけるか」を追求し続けてきた商品だと前置き。今回の商品は「カーナビやスマホのいいところを生かして共存していくことでカーライフを充実させていくことがコンセプト」として、全機種がApple CarPlayおよびAndroid Autoに対応しつつ、オーディオ機能の充実化に注力。地図との2画面表示やオーディオ画面へのスムーズな遷移、音声入力による楽曲選択など、分かりやすさや使い勝手をアップさせていると述べた。

 カーナビ機能に関しては「地図表示であったり自車位置であったり、ルート探索などカロッツェリアの根幹として、大事に大事に常に考え続け、常にアップデートし続けている大切な要素」と強調。例えば地図表示では道路の色分けや看板、交差点、建物の有無など運転に必要な情報をピックアップして表示していると紹介した。

 そのほか、GPSやハイブリッドセンサー、傾斜まで収録した地図データなどにより複合的に考慮する自車位置精度、距離ではなく時間を重視したルート探索など「使いやすくするための高性能化」を追及し、最近追加された「交差点カウント信号案内」のように新しい機能をどんどん取り入れていきたいとした。

2025モデルは全13機種をラインアップ。全モデルがApple CarPlayおよびAndroid Autoに対応する
音楽再生の利便性をアップ
同時に使いやすさも向上
幅広いユーザーに指示される楽ナビ
クルマ専用ならではの充実したカーナビ機能
クルマに乗るすべての人がもっと楽しくもっと使いやすく
2025年夏モデルオールラインアップ
9V型大画面のAVIC-RQ722-DC
メニューボタンに「MENU」の文字を追加したほか「MAP」「AV」のボタン部分も下部に線を入れわかりやすくしている
メニュー画面上部にApple CarPlayおよびAndroid Autoへのショートカットを追加
地図などカーナビ部分は最新版のデータに更新。ハードウエアや機能面は従来モデルから変更なし
Apple CarPlayによる地図画面
カーナビアプリ「COCCHi」も利用可能だ
AVIC-RQ722-DCはフローティングタイプと違いDVD/CDドライブを搭載。まだまだ光学ドライブの需要は大きいという
フローティングタイプのAVIC-RF722-DCをトヨタ「ハイエース」に装着
AVIC-RQ722-DCをスズキ「ジムニー」に装着

ディスプレイオーディオは3種類の画面サイズを用意

パイオニア株式会社 マーケティング推進部 海外マーケティング課 八尾瑞希氏

 ディスプレイオーディオについてはパイオニア マーケティング推進部 海外マーケティング課の八尾瑞希氏が説明。

 まず、ディスプレイオーディオについてはカーメーカーが純正装着するなど市場が拡大しつつあり、スマホとのワイヤレス接続の有無や画面サイズ、音質などニーズが多様化しつつあるとコメント。同社でもラインアップの充実化を図っており、画面サイズだけでも6.8インチ、9インチ、10.1インチと3種類が用意されている。

 そんな中でニューモデルとなるDMH-SF600は大型の9インチディスプレイを搭載しつつ、Apple CarPlayおよびAndroid Autoとのワイヤレス接続を可能にしており、「クルマ好きのすごく最新技術とかガジェットに興味関心の高い方ももちろんですし、じっくり選びたいな、自分に合ったものってなんだろうってしっかり調べたりとかっていう方にも使っていただけるのではないかと思っている」と、コストパフォーマンスに優れたモデルだと紹介。

 機能面ではスマホ用アプリ「PxLink」によるスムーズな操作性、リアモニター接続などの拡張性、そして「こだわりの音質パーツと本格的なオーディオ調整機能」により、手軽に臨場感のある音楽を楽しむことができるとした。

ディスプレイオーディオのラインアップ。DMH-SF600が新製品になる
ディスプレイオーディオのニーズは多様化
使いやすさを重視して開発
妥協なくより良いものを追求して開発
大画面でコストパフォーマンスに優れたDMH-SF600
ワイヤレス接続はもちろん使い勝手や音質も追及
アンプやスピーカーはもちろんバックカメラ接続など拡張性に優れる
ディスプレイオーディオラインアップ
新製品となるDMH-SF600。1DINサイズの本体にフローティングタイプの9V型ディスプレイを搭載する
スマホで操作が可能なPxLinkに対応

純正ディスプレイオーディオを維持したまま音質改善が可能なデジタルプロセッサー

東北パイオニア株式会社 事業企画部市販企画課 松下寛氏

 最後に東北パイオニア 事業企画部市販企画課の松下寛氏が登壇。車内のAV環境は昨今、車両の技術革新とともにディスプレイオーディオ化が進んでおり、利便性が高まっている半面「音場を自由に調整するというお客さまの楽しみ方が少しずつ失われつつある」と危惧していると前置き。そんな状況を打破するために純正のディスプレイオーディオを維持したまま音質改善が可能なデジタルプロセッサー(DSP)を提案、「音を自ら作る楽しさをわれわれは提供したい」と述べた。

 通常、純正システムはスピーカーをマルチチャンネル化しているものの、調整できる幅が限られていることから音源の意図に沿ったリスニング環境が得られにくいと課題を挙げる一方、DSPにより「タイムアライメントと一緒に独立EQ調整、独立レベル調整、クロスオーバー調整などの洗練された機能によって音像音場を明確に作り上げることができる」と解決方法を示した。

 今回ラインアップするのはハイグレードモデル「DEQ-7000A」とエントリーモデル「DEQ-2000A」の2タイプで、どちらも厳選した高音質パーツの採用と回路レイアウトを追求しており、「応答の良さ、低域の安定性、レンジの広さを高サンプリングレート処理によって劇的に改善している」という。

 また、調整機能が多いことから簡易的に調整が可能なスマホアプリと、多彩な調整機能に対応したWindows対応の「DSP Controller」(無料)を用意。また、DEQ-2000A向けには簡易的な車種専用セッティングデータを提供することで、「カロッツェリアDSPの持ち味である低域の安定性、レンジの広さ、レスポンスの良さをすぐさまご体験いただける」とコメント。「カロッツェリアのDSPは車室内の音を作る喜び、クルマの中での音楽を楽しむ世界観、そういうものを提案していきたい」と締めくくった。

デジタルプロセッサー2機種をラインアップ
純正ディスプレイオーディオに接続することで音を自ら創る楽しさを提供
デジタルプロセッサーのニーズが高まりつつある
デジタルプロセッサーはマルチチャンネルへの対応が必須
デジタルプロセッサーにより音源の意図に沿った再生が可能に
ノウハウを活かした音響アップグレード技術を投入
ハイグレードモデルとエントリーモデルを用意
それぞれのスペック
高音質パーツを投入
2種類の操作、設定方法を用意
タイムアライメント調整
ハイパス/ローパスフィルター調整
3タイプのフィルターから選択可能
スピーカー出力レベル調整
31バンドイコライザー調整とともにプリセットイコライザーによる設定も可能
DEQ-7000Aはワイヤードリモコンを装備
多彩なメディア対応
DEQ-2000A向けにダウンロードして使える車種専用セッティングデータを用意
システムアップ事例
車室内の音を創る喜び、クルマの中で音楽を楽しむ世界を提案
エントリーモデルとなるDEQ-2000A
40W×4chアンプを内蔵するとともにスピーカー入出力が各4ch、プリアウトRCA出力6chなどを備える
ハイグレードモデルとなるDEQ-7000A。こちらは60W×8chアンプを内蔵。スピーカー入出力は各8ch、プリアウトRCA出力は10chとマルチスピーカーシステムにも余裕をもって対応可能
DEQ-2000Aの接続例。純正本体とコネクタの間に別売の「スピーカーライン入出力ケーブル」をはさむことでカンタンに装着が可能
スピーカーライン入出力ケーブルは各メーカー向けに5種類を用意
Windows対応の音響調整用ソフトDSP Controller。こちらは無料で提供される
スマホ向けのアプリも用意
DEQ-2000Aの装着例
アプリ画面(DEQ-7000A向け)