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パイオニア、CarUXがEQTからパイオニアの全株式を取得 Innoluxグループの一員としてグローバルで成長を目指す

2025年6月26日 発表
パイオニアがInnoluxグループのメンバーとなった

 パイオニアは6月26日、台湾を拠点とする世界有数のディスプレイメーカーInnolux Corporation(Innolux)の子会社で、スマートコクピットソリューションのリーディングカンパニーであるCarUX Holding Limited(CarUX)が、パイオニアの全株式を取得することに合意したと発表した。

 この株式譲渡は、所定の条件および関係当局の承認を経て、2025年第4四半期(2025年10月-12月)までに完了する見込み。パイオニアの株式はグローバル投資会社のEQTが保有しており、約1636億円でCarUXへ売却される。

 株式譲渡の完了後、パイオニアはInnoluxグループの新たなメンバーとしてグローバルでさらなる成長を目指していく。また、パイオニアとCarUXは、統合型コクピット(サウンドソリューションを含む)および、ハードウェア・ソフトウェア統合強化に焦点を当てた開発で協業し、グローバルな自動車業界および消費者の変化するニーズに対応するため、より包括的な製品ラインアップと顧客体験の提供を目指す。

 Innoluxは、TFT-LCDと大型ガラス基板ソリューションで世界をリードするプロバイダー。「More than Panel」というコアビジネス理念のもと、事業を「ディスプレイ領域」「非ディスプレイ領域」の2つに再編している。ディスプレイ領域では、垂直統合型のディスプレイアプリケーションを展開し、技術効率の向上と業務シナジーの創出に注力。非ディスプレイ領域では、自動車、医療、パネルレベルのファンアウト型パッケージングなどの分野に事業を拡大し、包括的なソリューションを提供している。台湾の竹南と台南に先端パッケージングを含む13の前工程ファブを保有し、中国の上海、寧波、佛山などに組立施設を展開。Innolux Corporation(3481.TW)は台湾証券取引所に上場しており、2024年の連結売上高は2165億台湾ドルに達した。

 CarUXはシンガポールに本社を置き、アジアに製造とオペレーション拠点、欧州とアジアに4つのR&Dセンターを展開している。車内ユーザー体験を向上させるスマートコクピットディスプレイソリューションの設計・開発・製造に特化しており、ティア1サプライヤーとして20年以上の実績を誇ります。世界の主要自動車OEMと長年にわたってパートナーシップを築いており、革新性、製品品質、顧客志向の姿勢が評価され、多くの世界的自動車ブランドから信頼を得ているとしている。

 パイオニアの取締役会長であるサンジェイ・ダワン氏は「自動車業界は現在、かつてない規模のデジタル変革のただ中にあり、車両におけるデジタルコンテンツの比率は約27%から約40%へと拡大しています。ソフトウェアは、クルマの中核的な構成要素として、その重要性を一層高めています。EQTの支援のもと、パイオニアは変革の道を歩み始め、“ソフトウェアが定義するモビリティの時代”においてリーディングカンパニーとなるべく、積極的にイノベーションを取り入れてまいりました。こうした取り組みにより、顧客・従業員・株主をはじめとするすべてのステークホルダーの皆さまに対し、確かな価値を創出できたと確信しています」とコメント。

 パイオニアの代表取締役社長 兼 社長執行役員である矢原史朗氏は「“未来の移動体験を創ります”という当社のビジョンを推進していくにあたり、CarUXが新たな株主になることを大変喜ばしく思います。CarUXは車載向けスマートコクピットディスプレイおよび、ソリューションに関するグローバルな知見と実績を有しています。CarUXとともに、業界に前例のない統合型の価値製品を提供できると信じています。また、これまでのEQTのパートナーシップに感謝するとともに、今後はInnoluxグループのチームと協業してさらなる成長を実現してまいります」とコメント。

 EQTプライベート・キャピタルのパートナーであるシェーン・プレディーク氏は「日本を代表するブランドの1つであるパイオニアの再生と、長期的な成功への道筋を支援できたことを誇りに思います。CarUXおよび、その親会社であるInnoluxとの間には大きなシナジーがあり、今後の事業成長と将来の可能性に大きく貢献すると確信しています。EQTは、企業の責任あるオーナーとして、築き上げたモメンタムを次の成長フェーズへとつなげられる新たなオーナーへとバトンを渡すことを重視しています。本取引は、日本におけるEQTのプレゼンス拡大と、よりグローバルに競争力のある企業に向けた成長の支援という戦略の進展を示すものです」とコメント。

 Innolux Corporationの会長 兼 CEO、CarUXの会長であるJim Hung氏は「この戦略的な買収は、CarUXの製品と技術的な能力を拡大するだけでなく、Innoluxが自動車ディスプレイソリューションを超えた統合型スマートコクピットサプライヤーへの積極的な移行を象徴するものです。CarUXとパイオニアの強みを組み合わせることで、イノベーションを推進し、顧客価値の創造に貢献すると確信しています」とコメントしている。