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メルセデス・ベンツ、千葉公園に高出力の急速充電ネットワーク第1号拠点 柏市、駒沢でのオープン予告も

2025年7月8日 開催
高出力の急速充電ネットワーク「Mercedes-Benz High-Power Charging(HPC)」の第1号拠点「メルセデス・ベンツ・チャージング・ハブ千葉公園」がオープン

 メルセデス・ベンツ・ハイパワー・チャージング日本は7月8日、高出力の急速充電ネットワーク「Mercedes-Benz High-Power Charging(HPC)」を導入し、その第1号拠点として「メルセデス・ベンツ・チャージング・ハブ千葉公園」(千葉県千葉市中央区弁天)でのサービスを開始した。同拠点に続き、2025年8月に「メルセデス・ベンツ・チャージング・ハブかしわ沼南」(千葉県柏市風早)、2025年9月に「メルセデス・ベンツ・チャージング・ハブ駒沢」(東京都世田谷区駒沢)がオープンすることもアナウンスされている。

 メルセデス・ベンツ・ハイパワー・チャージング日本は、日本におけるEV(電気自動車)用急速充電施設の設置および運営を行なう新会社として2024年11月に設立。HPCの設置を通じて、メルセデス・ベンツならではの充電体験を提供することを目指しており、急速充電ニーズの高い3大都市圏周辺を中心に導入を進めることで、長距離移動時や基礎充電設備の不足による充電の不安を解消し、EVの実用性を高めていく方針。

 メルセデス・ベンツ・ハイパワー・チャージング日本はHPCの設置・運営事業に関してパワーエックスと事業提携し、共同で協議・検討を進めている。パワーエックスは「自然エネルギーの爆発的普及を実現する」をミッションに掲げるエネルギー企業で、大型蓄電池の製造・販売、EVチャージステーションのサービス展開、電気運搬船の開発・製造および再生可能エネルギーなどの電力供給事業を展開している。

 今回千葉公園 芝庭に設置されたのは、そのパワーエックス製の蓄電池ユニット付急速充電器。蓄電池併設により高圧工事が不要、電気代が安い時間の電気を溜めておくことができるといったメリットがあるという。メルセデス・ベンツ専用設計のディスペンサーユニットが設置され、1基あたり2口の充電ポートを備える。最大出力は150kWだが、充電ステーションのすべての充電口が同時稼働している場合、各口の出力は120kWに制限される。タッチスクリーンを備えることでシンプルな操作性も実現した。

 千葉公園 芝庭にはスターバックスコーヒー、イベント&レンタルスペース、スポーツスタジオ、フィットネスジムなどがあり、充電中にさまざまな過ごし方ができるのも特徴となっている。

メルセデス・ベンツ・チャージング・ハブ千葉公園に設置されるパワーエックス製の蓄電池ユニット付急速充電器。最大出力は150kW。タッチスクリーンで電圧や電流、充電時間などさまざまな情報を簡単に見られる

 なお、HPCは充電サービス「MB.CHARGE Public」(旧Mercedes me Charge)への加入、もしくはPowerXアプリを通じてすべてのEVユーザーが利用できるほか、時間課金が主流となっている日本において「従量課金」を実現した。これにより、充電器の出力や充電環境にかかわらず、実際の充電量に応じた透明性の高いサービスの提供を実現したという。MB.CHARGE Publicの基本料金は5720円/月、充電料金は94.6円/kWh。PowerXアプリの基本料金は0円/月、充電料金は100円/kWhとなっている。

メルセデス・ベンツ・ハイパワー・チャージング日本合同会社 社長兼CEOのアンドレアス・レーア氏(右)

 7月8日にはメルセデス・ベンツ・チャージング・ハブ千葉公園で開所式が行なわれ、メルセデス・ベンツ・ハイパワー・チャージング日本 社長兼CEOのアンドレアス・レーア氏、メルセデス・ベンツ日本 社長兼CEOのゲルティンガー剛氏、千葉市長の神谷俊一氏、千葉市議会議長の松坂吉則氏、パワーエックス 取締役 代表執行役社長CEOの伊藤正裕氏があいさつした。

 レーア氏は電動化を推進するにあたり3つの柱があるとし、最大150kWの高出力を備え、タッチスクリーンによる快適な充電体験ができること(ユーザビリティ)、すべてのブランドのEVが利用でき、都市圏を中心にステーションを設置すること(アクセシビリティ)、再生可能エネルギーを用いた電力供給ができること(サステナビリティ)を挙げ、「たとえばここ千葉市のような都市を戦略的に選定することで、お客さまにアクセスのしやすさを担保します。また、メルセデス・ベンツグループで目指している持続可能な社会に向け、供給電力についても再生可能エネルギーを使用していきます」と説明した。

メルセデス・ベンツ日本合同会社 社長兼CEOのゲルティンガー剛氏

 また、ゲルティンガー氏はメルセデス・ベンツグループとして持続可能な社会の実現に向け2039年までに新車販売におけるバリューチェーン全体でのカーボンニュートラルの実現を目指していることを語り、例えば生産工場での再生可能エネルギーの利用や、クルマのインテリアにリサイクル素材を使用するなど具体的な取り組みを進めていると紹介。また、カーボンニュートラルの達成という中長期的な目標を見据えながら、ユーザーに最高のプロダクトとサービスを提供し続けることを最重要視しているとし、「電気自動車やプラグインハイブリッド、ISGなどの電動技術を用いた内燃機関の効率化にも積極的に取り組んでおります。お客さまの多様なニーズやライフスタイルに合わせて幅広い選択肢を提供してまいります」とコメント。

 加えて電気自動車は将来のモビリティにおいて重要な役割を担うと考えているが、電気自動車の普及には充電インフラの不足など課題があるのが現実であり、メルセデス・ベンツ・チャージング・ハブ千葉公園などによってその課題解決を図っていきたいとした。

千葉市長の神谷俊一氏
千葉市議会議長の松坂吉則氏
株式会社パワーエックス 取締役兼代表執行役社長 CEOの伊藤正裕氏
関係者によるテープカットのようす