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WRC第9戦ラリーフィンランド DAY3、勝田貴元は2位へと順位を上げトヨタ勢がトップ5を独占

最終日はSS19、SS20とも23.98kmの「オウニンポウヤ」

DAY3で2位に順位を上げた勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(18号車 GRヤリス ラリー1)。DAY4では、SS19、SS20の2つのステージに挑む

 7月31日~8月3日の4日間にわたりWRC(世界ラリー選手権)第9戦ラリーフィンランドがユバスキュラ市を中心に開催されている。8月2日のDAY3は、SS11~SS17の8本のステージの合計距離が142.16kmになり、ラリー期間中で最長となる戦いとなっていた。

 このDAY3のSS16では大きな順位変動があり、それまで総合2位を走っていたティエリー・ヌービル選手(ヒョンデ)、総合3位を走っていたアドリアン・フォルモー選手(ヒョンデ)が、いずれも右前タイヤのエアを失い大きく後退。その結果、カッレ・ロバンペラ選手、勝田貴元選手、セバスチャン・オジエ選手、エルフィン・エバンス選手、サミ・パヤリ選手と、GRヤリス ラリー1を駆るTGR-WRT(TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team)のドライバー全員がトップ5を占めることになった。

インタビューに応える勝田貴元選手

 ラリーフィンランドはDAY4が最終日となり、今大会最長となる23.98kmの「オウニンポウヤ」ステージをSS19とSS20に設定。最終ステージとなるSS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーに、ボーナスの選手権ポイントが与えられる「パワーステージ」になる。また、最終日のみの合計タイムで順位を競う「スーパーサンデー」では、最大5ポイントの獲得も可能になっている。

トップをひた走る地元フィンランドの英雄カッレ・ロバンペラ選手

 SS19のスタート時刻は8月3日10時35分(日本時間、8月3日16時35分)、SS20は13時15分(日本時間、8月3日19時15分)。

チームコメント

ユハ・カンクネン(チーム代表代行)

今夜、我々の全ドライバーがトップ5に入り、1位から5位までの差が1分以内であることを、当然ながら非常に嬉しく思っています。今日の午後まで、ライバルたちと素晴らしい戦いが続いていました。元ドライバーとしての立場から思うに、2人のドライバーが同じ石に当たってしまったことは、少し不公平に感じられたことでしょう。明日、我々の全ドライバーは自由に走ることができます。追加で10ポイントを獲得可能ですし、ドライバーたちは調子が良く、クルマも良好な状態ですので、私からは、頑張れ! としか言えません。オウニンポウヤは世界で最も素晴らしく、速いステージの一つですし、すべてのドライバーが気に入っています。2回目の走行でもコンディションは良好なので、走っても観ても非常に楽しい最終日になるでしょう。

エルフィン・エバンス (GR YARIS Rally1 33号車)

私たちにとって今日は良い一日でした。チームメイトとの戦いは、ほとんどのステージで僅差の接戦でした。午後の最初のステージは降雨によりトリッキーなコンディションだったので、乗り切ることができて良かったです。それ以外はかなり安定した楽しい一日でしたし、明日も楽しみです。オウニンポウヤは高い集中力が必要なステージですが、自分たちのベストを尽くせば、きっと楽しい一日になるでしょう。

カッレ・ロバンペラ (GR YARIS Rally1 69号車)

自分たちとチームにとって、非常に良い一日でした。今日の午後は、多くの場所がトリッキーなコンディションでしたが、うまくペースをコントロールすることができました。クルマのフィーリングは少し良くなり、大きなリスクを冒さなくても良いタイムを出すことができたのは、良い兆候です。このような過酷なステージで戦うことになる日曜日は、きっと難しい一日になるでしょう。全員がハードにプッシュすると思いますし、もちろん自分も確実に勝利を狙っていきますが、チャンピオンシップのために、できるだけ多くのポイントを獲得する必要もあります。

セバスチャン・オジエ (GR YARIS Rally1 17号車)

今日は、ペースがまだ少し足りておらず、素晴らしい仕事をしたとは思っていません。クルマは運転しやすかったのですが、限界までプッシュするための、あと少しの何かが欠けており、それによってこのような超高速ステージでタイムを失っていると思います。明日に向けてはいくつかアイデアがあるので、それが奏功することを願っています。明日はオウニンポウヤのみの一日です。シーズンで最も美しいステージですし、ラリーの決戦の場としてもパーフェクトです。運転するのはいつも楽しいですし、全員がポイント獲得を目指してプッシュするので、きっと素晴らしい戦いになるでしょう。

勝田貴元 (GR YARIS Rally1 18号車)

波乱の一日でしたが、最終的に総合2位で終えることができたので、満足しています。今日は主に、リスク管理に重点を置いていました。セブとエルフィンと戦いながら、リスク管理のバランスを取ることは簡単ではありませんでしたが、上手くいきました。明日はスーパーサンデーとパワーステージがあるので決断は簡単、ただフラットアウトで臨むだけです。

サミ・パヤリ (GR YARIS Rally1 5号車)

今日もまた安定した一日でした。セブとのバトルは、とくに午前中は本当に接戦でした。午後の1本目のステージは雨だったので少し慎重に走りましたが、2本目にはベストタイムを記録することができました。全体的には悪くない一日だったと思いますし、楽しみながら学習を続けています。明日は完走が主な目標ですが、速く走りたいとも思っています。オウニンポウヤは本当に素敵なステージですし、全力で走らないと無駄になってしまうので、楽しみたいと思います。

ラリーフィンランド DAY3結果

1 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (トヨタ GR YARIS Rally1) 2h01m28.8s
2 勝田貴元/アーロン・ジョンストン (トヨタ GR YARIS Rally1) +36.1s
3 セバスチャン・オジエ/ヴァンサン・ランデ (トヨタ GR YARIS Rally1) +42.9s
4 エルフィン・エバンス/スコット・マーティン (トヨタ GR YARIS Rally1) +44.4s
5 サミ・パヤリ/マルコ・サルミネン (トヨタ GR YARIS Rally1) +59.2s
6 ティエリー・ヌービル/マーティン・ヴィーデガ (ヒョンデ i20 N Rally1) +1m54.7s
7 アドリアン・フォルモー/アレクサンドレ・コリア (ヒョンデ i20 N Rally1) +2m23.7s
8 ジョシュ・マッカーリーン/オーエン・トレーシー (フォード Puma Rally1) +3m28.3s
9 グレゴワール・ミュンスター/ルイス・ルッカ (フォード Puma Rally1) +4m27.9s
10 マールティンシュ・セスクス/レナールス・フランシス (フォード Puma Rally1) +4m38.7s

勝田貴元選手の豪快な走り。トラブルの起きがちなステージも着実に走り抜けるなど、安定して速い走りを高速ターマックのラリーフィンランドで積み上げている