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童夢、新レーシングカー「ドームコンセプトスポーツ(仮称)」富士スピードウェイで初披露

フォーミュラーリージョナル車両をベースとした新車両

2025年8月9日 初披露
“DOME CONCEPT SPORTS(仮称)”

 童夢は、FIA規格車両FORMULA REGIONALの「DOME F111/3」をベースとしたレーシングカー“DOME CONCEPT SPORTS(仮称)”を、8月9日に富士スピードウェイで開催される「GC Returns」内で初走行させる。

“DOME CONCEPT SPORTS(仮称)”は、同社が開発を重ねてきた新車両で、公式イベントでの初走行となる。走行日時は2025年8月9日9時20分〜9時40分のレジェンドデモラン枠で、走行後はA34番PITでの展示も予定されている。

 これからさらに熟成テストを重ね、2026年度の受注生産販売開始を予定している。

日本独自のレーシングカー“DOME CONCEPT SPORTS(仮称)”

“DOME CONCEPT SPORTS(仮称)”

 “DOME CONCEPT SPORTS(仮称)”は、カーボンモノコックシングルシーターをベースとし、1980年代後半まで隆盛を極めたグランチャンピオン(GC)車両の作り方をモチーフに現代風に解釈した日本独自のレーシングカー。優れた運動性能とトップドライバーからハイレベルアマチュアドライバーまで乗りこなせるマシン操作性を併せ持ち、ハイダウンフォース車両のレッスンカーとしての素質を狙うという。

 車両は、FIA 2018サバイバルセル規定に準拠(FIA クラッシュテスト認証取得済・HALO装備)したほか、環境にも配慮したDNAP(童夢製NFRP[Natural Fiber Reinforced Plastics])を採用、コンバージョンキットにより現行「Regional」車両からのアップデートを容易にした。

 Regional車両との主な違いは、エンジンは約340HP(Regional車両は約270HP)を発生し、トランスミッションは富士スピードウェイ専用仕様としてレシオを設定した「Suite to FSW special」を採用。

 車両スペックにあわせた、マルチマチック製DSSVダンパー(スプールバルブ制御)「Multimatic DSSV multi Adjustable」を開発、そのほか、グランエフェクトエアロを採用し、DRSの搭載については検討中としている。

 車両開発にあたっては、米国を拠点に数多くのル・マン優勝車や市販スーパーカーの設計に携わってきたブライアン・ウィリス氏(現在:Leap Racing CEO)とタッグを組み、デザインコンセプトを共同で構築した。

 ブライアン氏は、自動車およびモータースポーツ分野において約40年の実績を有するエンジニアであり、特に空力設計と車両デザイン全般において高い専門性を発揮してきた。これまでに、ル・マン24時間レースでの優勝車「Ford GT」をはじめ、Aston Martin One-77、Williams F1のLMPカー、Panoz、Maserati、Nissanなど、世界的な自動車メーカーおよびレーシングチームの車両開発に多数参画している。

 ブライアン氏は、「Dome Concept Carは非常にユニークなコンセプトであり、ル・マンに出場するようなクローズドホイールのスポーツプロトタイプに、F3由来のシングルシーターカーボンモノコックシャシー(ハロ付き)を融合させた構成となっています。本プロジェクトでは、単なるFormula車両の延長ではない、新たなルックスと存在感を持ったクルマを目指しました。ノーズやフロントウイング、フェンダー形状に特にこだわり、従来にないアグレッシブな造形を実現しています。加えて、ナローなコクピットやマルチエレメントの大型リアウイングなどにより、唯一無二のスタイルを確立し、若手ドライバーやジェントルマンドライバーが、あたかもル・マンやスパ、セブリングを走るファクトリーチームの一員になったかのような感覚を得られることを目指しました」とコメントしている。

童夢の新レーシングカー“DOME CONCEPT SPORTS(仮称)”