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JALグループ、羽田空港で水素燃料電池車の航空機けん引車を国内初試験運用開始
27年間使用した航空機けん引車をタジマモーターが水素燃料電池車両へ改造
2025年9月2日 14:08
- 2025年8月29日 発表
日本航空(以下「JAL」)、JALUX、JALエアテックは8月29日、国内で初めて水素を燃料とする航空機けん引車の試験運用を開始すると発表した。
航空機けん引車は、飛行機が駐機場から滑走路へ向かう際に「プッシュバック」と呼ばれる作業で、飛行機を押し出して自走できる位置まで移動させる地上支援車両。
今回の取り組みでは、27年間使用した航空機けん引車が水素燃料電池車両へ改造された。今後は、中型機から小型機を対象に使用され、1週間に1度、約20分(35MPa)で最大約10kgの水素を充填し、70㎞前後の走行が可能という。
2025年8月〜12月の期間、羽田空港で試験運用を通じて、水素供給に係る運用方法や車両性能に関する多角的な検証が行なわれる。
この取り組みは、東京都の「空港等におけるFC(燃料電池)モビリティ早期実装化支援事業」に採択され、昨年度からJAL・JALUX・JALエアテックとタジマモーターコーポレーション(以下「タジマモーター」)の4社共同で取り組みを推進してきたもの。
CO2を排出しない燃料電池などによって駆動する航空機地上支援車両(以下「FCGSE車両」)の開発・商用化の促進と、空港臨海エリアにおける水素需要の喚起を目的に、国内で初めてディーゼル型航空機けん引車をFCGSE車両に改造し、試験運用や導入効果の検証を行なう。実施にあたっては、JALUXが事業実施者となり、次世代モビリティに関する豊富なノウハウや整備施設を有するタジマモーターが車両開発・改造、JALが試験運用を行ない、JALエアテックが車両保守および水素充填を担当する。
なお、同事業で得られた知見や成果は、東京都や他のパートナーと共有し、官民一体で今後の水素車両の開発や商用化に貢献していくとのことだ。
試験運用開始にあたってのコメント
・東京都知事 小池百合子氏:燃料電池航空機けん引車は、全国で初めての導入であり、水素エネルギーを活用する先進的な取り組みです。日本の空の玄関口である羽田空港で脱炭素化を進めることは、東京から世界に向けた力強いメッセージになります。これを契機に、空港内モビリティの技術開発の更なる進展、持続可能な未来の実現に向けて、取り組みが一層加速していくことを期待します。
・JALUX代表取締役社長 河西敏章氏:私どもは今後12月まで、この水素燃料電池車両の試験運用を羽田空港で進めてまいります。この試験運用を通じて得られる知見は、空港における脱炭素化を推進し、ひいては持続可能な社会の実現に貢献するものと確信しております。
・日本航空代表取締役社長 鳥取三津子氏:地球環境問題への対応は航空業界にとって重要な課題であり、JALグループは2050年までにCO2排出実質ゼロを目指しています。今回の取り組みが水素の持つ可能性を活かし、今後の水素車両開発や商用化につながる新たな一歩になることを確信しています。今後も、水素航空機の開発支援を含め、次世代の環境配慮型エネルギーの導入を推進し、空港および航空業界全体の脱炭素化に取り組んでまいります。
実施体制
事業実施者:JALUX
協力事業者:日本航空(試験運用)、JALエアテック(車両保守および水素充填)、タジマモーターコーポレーション(航空機けん引車改造)
JALグループは、CO2の排出量削減に関し、2050年までのカーボンニュートラルの実現を目標に掲げている。これからも次世代の環境配慮型エネルギーの導入を推進し、空港および航空業界全体の脱炭素化に向けた取り組みを継続していくという。
