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日野、ジャパンモビリティショー2025出展概要 初展示5台を含め全6台が搭乗体験可能

2025年9月18日 発表
コンセプトカーの「ポンチョドット」

 日野自動車は9月18日、「Japan Mobility Show 2025(ジャパンモビリティショー)」(プレスデー:10月29日~30日、一般公開日:10月31日~11月9日)の出展概要を発表した。

 今回のジャパンモビリティショー2025における日野ブースの出展テーマは「人、そして物の移動を支え、豊かで住みよい世界と未来に貢献する」とし、足下の取り組みから近い将来の提案まで課題解決を目指すクルマやソリューションを展示。

 ブースではコンセプトカーの「ポンチョドット」、燃料電池大型トラック「プロフィア Z FCV(L4コンセプト)」、2026年春ごろの発売を予定する大型観光バス「セレガ」、2026年夏ごろの発売を予定する小型BEV(バッテリ電気自動車)トラック「デュトロ Z EV」、2026年内に発売予定の中型トラック「レンジャー」を初展示。さらに2019年のダカール・ラリーに参戦した中型トラック「レンジャー」も並べられ、これら展示車両はすべて搭乗体験が可能とのこと。

コンセプトカーのポンチョドット

ポンチョドットのインテリア

「デュトロ Z EV」をベースとするポンチョドットは、地域の移動課題解決に貢献するコンセプトカー。「ポンと乗ってチョコっと行く」をコンセプトとし、運転しやすいコンパクトサイズで低床による乗り降りのしやすさ、スロープ対応でリア側から車いすの人を乗せられるなど、幅広いシーンで活躍するギミックが盛り込まれている。

 エクステリアデザインは地域の人に親しみをもって安心できるスタイルを狙い、「やわらか 愛着 やさしさ」を表現。インテリアデザインは空間を広く効率的に見せる・使うをコンセプトに「うすく かるく ひろく」を表現した。

 先進安全装備としては自動運転レベル4相当の技術を用い、外観にはミリ波レーダーを透過するパネルを採用。また、運行中に車内に取り付けたカメラによって車内全体を撮影し、車内で転倒のリスクがある乗客の動きをAIが判定し、ドライバーへ音や画像で通知する仕組みも有するという。

自動運転レベル4相当のデバイスを装着したプロフィア Z FCV

プロフィア Z FCV L4

 国内初の燃料電池大型トラック量産モデル「プロフィア Z FCV」については関連記事で詳しく紹介しているが、ジャパンモビリティショー2025の会場では参考展示として幹線輸送を想定した自動運転レベル4相当のデバイスを装着したL4(自動運転レベル4を示す)コンセプトを展示する。

2026年春ごろの発売を予定する大型観光バス「セレガ」

大型観光バス「セレガ」

 2005年にデビュー以降初となる大幅な前後デザイン変更を実施。フロントまわりは風を受け流す抑揚ある艶やかな“ラウンディッシュデザイン”により空力性能を向上させ、可変配光型LEDヘッドランプを標準装備し、夜間の視認性向上、ドライバーの負担軽減に貢献していく。また、リアまわりでも風を受け流す“ダイナミックシャープエッジデザイン”により空力性能の向上を図るとともに、新型LEDリアコンビランプを導入した。

 そして近年バスによる大きな事故が社会問題化する中、交通事故・死傷者ゼロの実現に向けて、新型セレガでは出会い頭警報、左折巻き込み警報、車線変更警報といった安全デバイスを追加。また、排気ブレーキよりも強力な補助ブレーキシステムとなる流体式リターダの搭載、周辺の車両以外をハイビームで照らし、夜間の遠方視界を確保する可変配光型LEDヘッドランプ、そして速度標識等をメーターに表示し、必要に応じて標識に合わせた速度制御が可能な標識認識システムを新たに搭載。

 走行面では、12段AMTを新搭載してエンジン回転とギヤ段の最適制御によって燃費向上に貢献するとともに、低燃費タイヤを新たに採用した。

セレガのインテリア

2026年夏ごろの発売を予定する「デュトロ Z EV」

デュトロ Z EV

 デュトロ Z EVは2022年6月に発売。以来、ヤマト運輸やグリーンコープ生活協同組合連合会などに累計1600台以上が納車され、現在37都府県で使われているという。その中で「運転が楽になった」「作業が楽になった」という声が聞かれる一方で、「もっとよくしてほしい」との声も聞こえることから超低床の特徴はそのままに、ラストワンマイルの使い勝手をさらに向上させたのが、今回の新型モデルとなる。

 具体的には駆動用バッテリの容量アップが大きなポイントとなり、これにより航続距離の延長、また低温環境での性能を向上することで幅広い地域で使えるようになった。加えて坂道発進制御の改善、電子インナーミラーおよびデジタルメーターの視認性向上、バックドアの開閉操作性の向上を図るなど、物流現場に寄り添った機能をさらに拡充させた。

 なお、新型デュトロ Z EVはウォークスルーバンとアルミバンが用意され、会場に展示されるのは前者。ウォークスルーバンのボディサイズは4695×1695×2290mm(全長×全幅×全高)、最大積載量は950kg、モーター最高出力は50kW、リチウムイオンバッテリの総電力量は46.7kWh、航続距離は185kmとアナウンスされている。

日野ブース外でもさまざまな車両を展示

 また、日野ブース外のさまざまな場所に日野の車両が展示される。

 1つは「デュトロ Z EV」ベースのモバイルオフィスで、普通免許で運転可能なコンパクトサイズながら、居室をストレスなく往来できる室内高を備えることが特徴で、屋外イベントや災害時の現場管制室として活用することが見込まれている。同モデルはTokyo Future Tour 2035(西2ホール)に展示される。

 また、11月1日と2日には2018年のダカール・ラリーに参戦した「レンジャー」がモビリティカルチャーエリア パフォーマンスゾーン(東棟屋外臨時駐車場)でデモランを実施。

デュトロ Z EV モバイルオフィス
ダカール・ラリー参戦車のデモランも行なわれる