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ラビット、福島産バイオエタノールを使用した車両でデモ走行
2025年10月14日 12:13
- 2025年10月13日 開催
次世代グリーンCO2燃料技術研究組合(略称:ラビット)は10月13日、福島産バイオエタノールによる自動車用燃料(E10/E3)を使用した車両で一般公道を走行するデモ走行イベントを実施した。
ラビットは、ENEOS、スズキ、スバル、ダイハツ工業、トヨタ自動車、豊田通商、マツダの7社が参画し、自動車用バイオエタノール燃料を製造する技術研究を進める組織。
福島県浪江町で栽培された「ソルガム」を用いて、大熊町の生産研究事業所で製造したバイオエタノールを混合した自動車用燃料(E10/E3)を使用した初の公道走行イベントとなる。
参画企業の市販車両(バイオエタノール対応車)として、スズキ「フロンクス」と2輪モデルの「ハヤブサ」、スバル「クロストレック」、ダイハツ「ハイゼットカーゴ」、トヨタ「カローラクロス」、マツダ「CX-80」といったデモ走行車両が、大熊町にある生産研究事業所〜道の駅なみえ〜道の駅ふくしままでのおよそ100kmの行程を走行した。
これまでのラビットの取り組みでは、2026年シーズンの「全日本スーパーフォーミュラ選手権」で低炭素ガソリン(E10)活用することについて、日本レースプロモーション(JRP)、ENEOSと基本合意書を締結している。今回、福島産バイオエタノールを使用した車両を公道で走行させるのは初となる。
出発式に出席した、大熊町長の吉田淳氏は「ラビットさまは、カーボンニュートラル社会の実現のため、効率的に自動車用バイオエタノール燃料を製造する技術研究をここ大熊町にて行われています。この取り組みの一環として、今年の8月には大熊町産バイオエタノールが歴史あるスーパーフォーミュラで来シーズンから採用されるとの発表がありました。今回のデモ走行を含めまして、今後のバイオエタノールの活用に向けて、期待が高まります。大熊町は、ご承知の通り東京電力福島第1原子力発電所が立地し、原子力災害からの復興を進める長期的な方針としまして、ゼロカーボン宣言を行なっております。全町避難を経験した町だからこそ、国の目標を10年前倒しで全国に先駆けて、2040年までにゼローカーボン達成を目指し、地域の再生可能エネルギーを活用した持続可能なまち作りに取り組んでおります。ラビットさまが行なわれている地域資源を活かし再生可能エネルギーの実用化に関する取り組みを大熊町としても応援するとともに、さらなる発展をご祈念申し上げます」との期待感を述べた。
同日の午後には、デモ走行車両のスズキ「フロンクス」と2輪モデルの「ハヤブサ」、スバル「クロストレック」、ダイハツ「ハイゼットカーゴ」、トヨタ「カローラクロス」、マツダ「CX-80」が約100kmの道のりを走行して、道の駅ふくしまに到着した。
到着式であいさつしたラビット(次世代グリーンCO2燃料技術研究組合)理事長の中田浩一氏は「この組合は3年ほど前に立ち上げ、そしてカーボンニュートラル、福島復興を掲げてやってまいりました。ここまでクルマで走ってまいりましたが、浪江産の作物を用いて、大熊町にあるプラントでバイオエタノールを作ったものを用いてまいりました。今日無事に走ってきて、実質的には問題がないということは分かってはいたのですが、やはり走り終えて戻ってきたということで、あらためて感慨深いものを感じております。実際この組合を立ち上げたときに、カーボンニュートラル、福島復興もありましたけれども、他方でこの組合にはいろんな会社が集まっていて、組合の中でも一丸となってやれるものができるといいなと思っておりました。ですので、そういう観点でわれわれとしても1つ大きなことをやりとげたと感じております。ただ、今日はあくまでもスタート地点だということで、福島復興、カーボンニュートラルに貢献してまいりたい」と、今後に向けた意気込みを述べた。


























