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ホンダ、新基準原付4機種を投入する「Honda Lite シリーズ」発表会

2025年10月16日 発表
写真左から、本田技研工業株式会社のDio110 Lite 開発責任者 石田慎一郎氏、スーパーカブ110 Lite / スーパーカブ110プロ Lite/クロスカブ110 Lite 開発責任者の八木崇氏。株式会社ホンダモーターサイクルジャパンの代表取締役社長 室岡克博氏、同商品企画部 商品企画課 スーパーカブ110 Lite / スーパーカブ110プロ Lite/ クロスカブ110 Lite Dio110 Lite 営業領域責任者の木村康太氏

 本田技研工業は10月16日、原付一種に新たに追加された区分基準に適合した新基準原付として「Dio110 Lite(ライト)」「スーパーカブ110 Lite(ライト)」「スーパーカブ110 プロ Lite」「クロスカブ110 Lite」を発表した。

 新基準原付は、総排気量50cc超〜125cc以下かつ最高出力4.0kW以下に制御された車両となり、発売日と価格については、11月20日に発売される「Dio110 Lite」が23万9800円、12月11日に発売される「スーパーカブ110 Lite」が34万1000円、「スーパーカブ110 プロ Lite」が38万5000円、「クロスカブ110 Lite」が40万1500円。

 同日開催された発表会に登壇したホンダモーターサイクルジャパン代表取締役社長の室岡克博氏は「これまでと同様、原付免許を保有する多くのお客さまや、これからも原付一種を乗り続けていかれるお客さまを守ることで、日本の生活を支えてまいります」と、2024年3月末時点で全国で約418万台が保有されるという原付一種カテゴリーに対して、新基準原付を投入する意義を話した。

新基準原付「Honda Lite シリーズ」発表会

株式会社ホンダモーターサイクルジャパン 代表取締役社長 室岡克博氏

 同日開催された発表会で、室岡氏は「本日発表いたしましたモデルはこの4月に、原付一種の区分基準に新たに追加された新基準原付に適合した初めてのモデルとなります。原付一種カテゴリーは、通勤通学、お買い物といったパーソナルユースから集配業務などビジネスユースで活躍する生活に密着した移動手段であることに加えて、自動二輪車へのステップアップにも繋がるエントリーモデルとして、二輪市場の形成に大きな役割を担っている存在であります。ホンダにとっても、創業期における主力製品であった自転車用補助エンジン、ホンダカブF型をはじめ、人々の生活に役立ちたいという思いが込められた、企業活動の原点といえる重要なカテゴリーであります。原付一種は、日本経済の発展とともに人々の生活を変え、支え、また世界に日本の二輪車を広めてきた原動力として、1980年代に最盛期を迎えました。その後、時代の変遷により、交通インフラの充実やモビリティの多様化など、社会環境の変化もあり、国内二輪市場における構成比は、縮小傾向にありますが、人々の日常の移動から、小まわりの利く仕事のパートナーとして、未だに日本の社会インフラという存在です」と、ホンダの原付一種に対する位置付けを説明した。

原付一種カテゴリーについて、「日本の生活を支える、生活に密着した移動手段」と位置付けた

 新基準原付が登場するまでの経緯については、室岡氏は「原付一種は環境対応の側面から、本年11月以降の生産車から、国内第4次排出ガス規制が適用されることになりました。同規制の対応について、50ccエンジンを搭載する車両としては、技術的にクリアする開発を行なった上での事業性の成立という非常に困難な課題があり、その存在が危ぶまれる状況でもありました」と説明。

ホンダの原付一種の歩みを紹介するスライド

 続けて、「二輪業界では、世界的に厳しさを増す排出ガス規制の中、カーボンニュートラル、SDGsなど、社会を取り巻く環境に対応するべく、すでに原付一種モデルの電動化ラインナップを進めております。一方、同規制の基準を目指し満たす50ccエンジン搭載車の生産販売の継続が困難な状況に対し、2024年3月末時点で全国で約418万台が保有され、通勤通学、お買い物仕事などで利用されている国民生活に密着したこの移動手段を守るために、原付一種の車両区分の制度改正に向けた要望を行なってまいりました。それは総排気量50ccを超え125cc以下のエンジンの最高出力を4.0kW以下に抑えた二輪車を新たに原付一種の車両区分基準に加えるという内容です。有識者検討会において、その安全性や運転の容易性など、走行評価も経て、入念に検討いただいた結果、この新基準原付は従来の50cc原付一種と同程度に容易、かつ、安全に運転できるということが確認されました。原付一種の車両区分制度の見直しを行なう関連法体系の改正が行なわれるに至ったわけです」と話した。

2025年4月1日から新基準原付が追加された

 新たに投入する4機種について、室岡氏は「多くの人々のお役に立つ、原付一種の手軽さや親しみやすさへの思いを込めて、それぞれの車名にライト名称を付け加えました。新基準原付といえば、ホンダのライトシリーズとご記憶いただければ幸いです」と紹介。

 ホンダの原付一種ラインナップについて、室岡氏は「このホンダライトシリーズに加えて、すでに販売中の電動パーソナルスクーター『EM1 e:』や、ホンダ e:ビジネスバイクシリーズの合わせて9機種をご用意しております。パーソナルユース、レジャーユース、そしてビジネスユースと幅広いお客さまの使用用途にお応えするラインナップで、人々の生活に役立つ二輪車を提供し続けるとともに、これまでと同様、原付免許を保有する多くのお客さまや、これからも原付一種を乗り続けていかれるお客さまを守ることで、日本の生活を支えてまいります」との意気込みを話した。

ホンダの原付一種モデルのラインアップ
ホンダは原付一種モデルを提供し続けることを宣言した
写真左から「Dio110 Lite」「スーパーカブ110 Lite」「スーパーカブ110 プロ Lite」「クロスカブ110 Lite」
Liteモデルでは、60km/hスケールのスピードメーターを採用
Lite ロゴが追加される

 発表会ではそのほか、本田技研工業 二輪・パワープロダクツ事業本部から、Dio110 Lite 開発責任者の石田慎一郎氏、スーパーカブ110 Lite/スーパーカブ110プロ Lite/クロスカブ110 Lite 開発責任者の八木崇氏が登壇して、製品の特徴について説明。

「スーパーカブ110 Lite」「スーパーカブ110 プロ Lite」「クロスカブ110 Lite」の製品特徴を説明するスライド
「Dio110 Lite」を製品説明するスライド

 また、ホンダモーターサイクルジャパン商品企画部 商品企画課 スーパーカブ110 Lite / スーパーカブ110プロ Lite/ クロスカブ110 Lite Dio110 Lite 営業領域責任者の木村康太氏からは、新基準原付「Honda Liteシリーズ」は、ベースとなった原付二種モデルに対し、より求めやすい価格に設定したこと。

 また、10月16日現在の販売店受注状況については、スーパーカブ110 liteシリーズで約1700台(年間販売計画台数6500台)、Dio110 Liteで約6000台(年間販売計画台数9000台)であることが紹介されたほか、新基準原付について公式Webサイトなどを通じてわかりやすく説明を行なっていくといった取り組みについて説明がされた。

新基準原付導入に向けたホンダの取り組み

【訂正】記事初出時のスライドの資料について訂正がありました。記事についても内容を訂正させていただきます。