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シトロエン、FIAフォーミュラEに参戦 トリコロールカラーの「GEN3 Evo」初公開
2025年10月23日 18:12
- 2025年10月20日（現地時間）発表
シトロエン（Stellantis）は10月20日（現地時間）、ABB FIAフォーミュラE世界選手権への公式参戦を発表し、トリコロールをまとったシングルシーター「GEN3 Evo」を初公開した。
公式テストは10月27日にスペインのバレンシアで行なわれ、12月6日にブラジルのサンパウロePrixでデビューとなる。
今回公開されたシングルシーターのGEN3 Evoは、フォーミュラE史上最速の電動マシンであり、持続可能なモータースポーツの象徴となるという。最高出力は350kW（約470馬力）、0-100km/h加速は1.86秒、最高速は約320km/hに達するとのこと。前後に2基のモーターを搭載して最大600kWのエネルギー回生を実現し、レース中に消費するエネルギーの約半分を再利用できる。シャシーには軽量かつ強度の高いカーボンモノコックを採用し、FIAの厳格な安全基準を満たしている。
マシンデザインには、フランスの誇りを象徴するトリコロールを大胆にあしらい、フロントには情熱を象徴する鮮烈なレッド、続いてホワイトとエレクトリックブルーが流れるように配置され、スピード感とエネルギーを表現している。
このマシンは、パリ近郊サトリーにあるStellantis Motorsportの拠点で開発され、ディレクターのジャン=マルク・フィノ氏の指揮のもと、11年にわたるフォーミュラEでの経験を活かしているという。フィノ氏は「私たちは単にシングルシーターを設計しているのではありません。世界で最も先進的な選手権の1つにおいて、シトロエンの情熱を再び呼び覚ましているのです。フォーミュラEで培った11年の経験と、数十名のエンジニアや技術者の高い専門性と情熱を結集し、パワーマネジメント、高い効率性、そして信頼性という、フォーミュラEで勝つために不可欠なバランスを完全に掌握して、シトロエンのフォーミュラEプログラムのために日々取り組んでいます」とコメントしている。
チームは、フォーミュラEでの豊富な経験を持ち、エンジニアからチーム代表までキャリアを積み上げたシリル・ブレ氏がリーダーとなり、戦略的視点とチーム全員が力を発揮できる環境をつくることで率いていく。ドライバーにはフォーミュラEで数々の栄冠を手にしたジャン=エリック・ベルニュ選手（フランス）と、近年急成長を遂げたニック・キャシディ選手（ニュージーランド）という、実績と実力を兼ね備えた2人が起用される。
シトロエン CEOのザビエ・シャルドン氏は「シトロエンがフォーミュラEに公式参戦できることを心から誇りに思います。私たちは、ラリーレイドやWRC、WTCCといった新しい舞台に挑戦するたびに勝利を収めてきました。モータースポーツは60年以上にわたりシトロエンの歴史と伝説を築いてきた存在であり、ブランドの情熱そのものです。今回、100％電動で大いなる意義を持つ競技に参加することで、未来を見据えた価値を共有し、都市の中心で開催されるフォーミュラEを通じて、若い世代やデジタルに親しんだ層とつながることを期待します。フォーミュラEは、技術革新の実験場であり、ブランドにとって国際的な発表の舞台です。この新しい挑戦を通じて、シトロエンのビジョンを世界に示していきます」とコメント。
フォーミュラE初の2連覇王者で、F1やWECでも活躍する実力者のジャン=エリック・ベルニュ選手は、「シトロエンとともに新たな歴史を築けることを誇りに思います」と述べている。
日本でF3、SUPER GT、スーパーフォーミュラの三冠を達成し、フォーミュラEでは11勝・25回の表彰台を獲得したトップドライバーのニック・キャシディ選手は、「ジャン=エリックとともに、強力なチームを築くことが楽しみです」と意気込みを語っている。
フォーミュラE参戦は、シトロエンにとって単なる競技への挑戦ではなく、60年以上にわたるモータースポーツの歴史を背景に、再びサーキットに戻ることでブランドのDNAを改めて示し、バッテリ制御やエネルギー回生、ソフトウェア戦略といった電動化技術の進化を加速させていくとのこと。さらに、フォーミュラEはISO 20121認証を取得し、カーボンニュートラルを目指す持続可能な選手権であり、シトロエンの電動化に対する構想と深く結びついているという。都市の中心で開催されるレースは、若い世代やデジタルに親しんだ層とつながる絶好の機会でもあり、世界でのブランドの存在感を一層高める舞台となるとしている。
