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ル・マン24時間レースを走ったNASCARマシン、ジミー・ジョンソン選手により富士でデモラン 最高速は320km/h以上、最高出力は800馬力超

トヨタGR高橋プレジデントは音が楽しみと

ル・マン24時間レースを走る24号車 Hendrick MotorsportsのGarage 56 Chevrolet Camaro ZL1

 11月16日11時より富士スピードウェイでNASCARマシンのデモラン「NASCAR Showrun」が行なわれる。このNASCAR Showrunでは6台のNASCARマシンが走るが、NASCAR好きの人にとってはジミー・ジョンソン選手によってデモが行なわれる24号車 Hendrick MotorsportsのGarage 56 Chevrolet Camaro ZL1が気になるところだろう。

 この24号車のカマロは、2023年のル・マン24時間レースに参戦したGarage 56車両で、記者も取材に現地を訪れていたがレーシングマシンが集うサルトサーキットにおいて、1台だけ独特の排気音を響かせていたマシンになる。

夜のサルトサーキットを走る24号車。V型8気筒クロスプレーンのエンジン音は、姿を見なくても来たのが分かるほど独特な音がする。それを富士スピードウェイで味わえることになる

 ピュアレーシングマシンが多く走るル・マン24時間レースでは、かん高い排気音を響かせて走るクルマが多く、その中でV型8気筒 OHV 5.8リッター 800馬力超のエンジン音は低く音圧の高いもの。とくに深夜のインディアナポリスコーナーで見かけた24号車は、クロスプレーンクランク独特のドロドロした音を響かせており、見なくてもクルマが通り過ぎたのが分かるほどだった。

 レース用V型8気筒エンジンとして代表的なものには、F1マシンに使われていたDFVエンジンがあるが、DFVの音はかん高いフラットプレーンクランク特有のもので、同じV8でありながらこんなにも音が違うのかと思えるものだ。

 その24号車をドライブするのは、NASCARの最高峰であるカップシリーズで通算7回のチャンピオンに輝いたジミー・ジョンソン選手。NASCARはアメリカではアメリカンフットボールに並ぶほどの人気があり、ジョンソン選手はシリーズを代表するスター選手になる。そのジョンソン選手が来日し、24号車をドライブするのは、日米モータースポーツの文化交流を目的とするイベントにとっても象徴的なものになるだろう。

 なお、このNASCARデモランでは、イベント前に安田レイさんによるアメリカ国歌「The Star-Spangled Banner(星条旗)」披露が行なわれる。国歌斉唱の際は、脱帽し、国旗のある方向を見て、その国の国旗に敬意を払うのが礼儀となる。文化交流イベントであるだけに、アメリカのモータースポーツ文化を体感していただきたい。

Technical Sgt. Michael J. Aiello performs the National Anthem ahead of the Daytona 500

 ちなみに、TOYOTA GAZOO Racingの高橋智也プレジデントにNASCARデモランの見どころを聞いたところ、「あの音、音がやっぱり独特だなと思いました」と、NASCARサウンドに着目しているとのこと。6台の800馬力マシンが富士のストレートを駆け抜ける音圧を体感できるのは貴重な機会。相当な音圧になることが予想されており、富士スピードウェイは子供向けに耳栓を配布するとのアナウンスを行なっている。

NASCARの音が楽しみと語るTOYOTA GAZOO Racingの高橋智也プレジデント。どこで観戦するかは「内緒!!」とかわいく語ってくれた
トヨタ自動車株式会社 GRモータースポーツ事業部 GT事業室長 GAZOO Racing Company 担当部長 江口直登氏。レジェンドドライバーに注目したいと語る