ニュース

パナソニック オートモーティブシステムズが目指すAIとUXの姿を東京オートサロン2026で公開

2025年12月18日 発表
パナソニック オートモーティブシステムズが「東京オートサロン2026」の出展概要説明会を開催

 パナソニック オートモーティブシステムズは12月18日、「東京オートサロン2026」(幕張メッセ:2026年1月9日〜11日)の出展概要説明会を開催。同社GlobalモビリティUX事業部 キャビンUX事業開発室 室長の伊藤正浩氏が出展の狙いについて説明した。

コア事業戦略「モビリティUX」事業で目指すAIとUXの姿を公開

パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社 GlobalモビリティUX事業部キャビンUX事業開発室室長の伊藤正浩氏

 東京オートサロン2026への出展は、同社のコア事業戦略である「コックピットHPC」「モビリティUX」のうち、先日の新社名「モビテラ(Mobitera)」発表会で詳細が明らかにされた「モビリティUX」事業で目指す姿を体験してもらう狙いがあるという。

コア事業戦略として定められた「コックピットHPC」「モビリティUX」

 ブースのコンセプトも“AI x UX=「移ごこちデザイン」が実感できる空間”と掲げられ、同社の企業ビジョンである「世界一の『移ごこちデザイン』カンパニー」をもとにしたAI技術の活用方法について、その方向性を来場者に感じてもらうという。

東京オートサロン2026の出展テーマ

 伊藤氏は「私たちのモビリティUX事業は、既存のデバイス事業を活用しつつ、“ひと理解ロジック”技術を使ったシステムアップと、それを使ったサービスという、その両面で事業拡大していこうと考えております。既存のカーOEMだけではなく、モビリティサービサーにもこれらを提供しながら、事業の拡大を目指します」と、さまざまな人が集まる「東京オートサロン」をAIを活用した技術を披露する舞台に選んだ理由を話した。

モビリティUX事業で目指す姿
モビリティUX事業で目指す姿
センシングとAIを組み合わせた技術を大型ディスプレイを用意して紹介する

 ブースにはセンシングとAIを組み合わせた技術を紹介するための大型ディスプレイを設置し、来場者の骨格や動作を検知して状態をセンシングするといった、モビリティUX事業のキーテクノロジー「ひと理解ロジック」技術の一端を示す。

世界一の「移ごこちデザイン」カンパニーを掲げるパナソニック オートモーティブシステムズの企業ビジョン
パナソニック オートモーティブシステムズのブースイメージ

 会場ではそのほかにも、WELL Cabinシリーズとして、センシング機能やAIを活用することで乗員がより心地よい車内空間を実現した「WELL Cabin Craie2」、イタルデザイン(Italdesign)が外装を手がけたインバウンド向け観光送迎サービス「WELL Cabin GranLuxe」、マッサージや水素チャージが楽しめる「WELL Cabin OFFMO」が展示される。

WELL Cabin Craie2(ウエル キャビン クレ2)

WELL Cabin Craie2(ウエル キャビン クレ2)

「WELL Cabin Craie2」は、2025年の東京オートサロンに出展した「WELL Cabin Craie」に続いて、センシング機能やAIを活用することで、乗員がより心地よい車内空間の実現を目指したもの。

 車内外の状態をセンシングすることで、運転手が苦手と感じたポイントを記憶し、次回はそうしたポイントを避けるルートを提案したり、乗員が道中のお店や景色を指さすと、車外の情報を取得できたりする機能を搭載した。さらに走行中のノイズや、前後の席の距離により会話が聞こえにくいときには、発話内容を要約して伝え、会話をサポートするといった機能も用意する。

 また、ユーザーの利用シーンやライフスタイルの変化に寄り添う車内空間として、利用シーンに応じて必要なときにはディスプレイやエンターテインメントを装着し活用できるPlug&Playシステムを搭載する。

 伊藤氏は「センシング機能やAIを活用することで、乗員により心地よい車内空間を実現するという車両になっております。主にAI機能が今回追加になったというのが新しい点になり、特徴としては、新たな移動体験の提供ということで、苦手なルートを回避したルートのナビゲーションを提案してくれる。外を指さすとその外の景色の情報がクルマに表示される。前後席でノイズがあってよく聞き取りにくいときにAIを使って会話をサポートする機能が体験できるものになっております」と紹介。

 Plug&Playシステムについては、「例えばセンターディスプレイやハンドルについているディスプレイというのは、もちろんこのまま使えるのですが、ユーザーの利用シーンやニーズに合わせて、“こういうのいらないよ”という場合は取り外せる形になっているところも体感いただけたらなと思います」と説明した。

インバウンド向け観光送迎サービス「WELL Cabin GranLuxe」

WELL Cabin GranLuxeイメージ

 インバウンド向け観光送迎サービス「WELL Cabin GranLuxe」では対話型AIアテンド機能「WELL Attendant」を搭載。WELL Attendantとの会話を通じて、移動中に目的地の情報や歴史・文化に関する知識を得ることができ、旅の期待感を高めながら、深みのある現地体験をサポートする。外装デザインはイタルデザインが担当し、日本古来の伝統柄である“青海波”をコンセプトに、日本のおもてなしや落ち着いた精神の美しさを表現した。

 伊藤氏は「おもてなし体験ということで、WELL Attendantと私たちは呼んでおりますが、AIアテンダント機能がディスプレイの中に入っておりまして、インバウンド旅行客向けにアテンド機能を実施するものです。例えば、“新宿のあたりでおいしいお寿司が食べたいんだ”と言うと、アテンダントのキャラクターが出てきて、行き先を教えてくれます。外観は昨年に引き続きイタルデザインとコラボレーションしまして、今年は日本古来の青海波という柄をモチーフにした外装になっています」と紹介した。

WELL Cabin OFFMO

WELL Cabin OFFMO

「WELL Cabin OFFMO」は、オフグリッドモビリティを目指し、移動が容易で、コンテンツの入れ替えが可能なマルチパーパスルームとして設計されたもの。「プライベートマッサージルーム」「水素チャージルーム」という2つのテーマを体験できるようにする。

 伊藤氏は「マルチパーパスルームとしてコンテンツを入れ替え可能なオフグリッドモビリティの提案になります。このマルチパーパスルームに当社のUXを付加することで、どこでも自由な過ごし方が体験できるものになっております」と紹介した。