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シャオミ、「シャオミ ビジョン グランツーリスモ」フルサイズコンセプトモデルをMWC2026で公開

2026年3月2日 公開
Xiaomi Vision Gran Turismoの実車スケールモデル

 中国のデジタル機器ベンダー「シャオミ」(Xiaomi、漢字では小米)は、3月2日よりスペイン王国バルセロナ市で開催されている通信機器関連の展示会「MWC 2026」に出展し、開幕前に同社が発表した新しいスマートフォンやタブレットなどの展示を行なっている。

 シャオミは近年EV(電気自動車)事業も展開しており、「SU7」「SU7 Ultra」などのEVを中国などで販売している自動車メーカーの側面ももっている。2024年、2025年のMWCでもそうしたEVの展示もされていたが、今回は「SU7 Ultra」が展示されたほか、さらに最新のコンセプトモデルの実車サイズモデルの展示が行なわれている。

 展示されたのはソニー・インタラクティブエンタテインメント/ポリフォニーデジタルが展開するドライビングシミュレーター「グランツーリスモシリーズ」の取り組みの1つとして展開されている「ビジョン グランツーリスモ」のコンセプトモデルとなる「Xiaomi Vision Gran Turismo」だ。

ビジョン グランツーリスモに51番目の車両として登場したXiaomi Vision Gran Turismo

Xiaomiによるビジョン グランツーリスモ車両が公開された

 グランツーリスモシリーズは、ポリフォニーデジタルが開発し、ソニー・インタラクティブエンタテインメントが同社のコンソールゲーム機「PlayStationシリーズ」向けに販売しているドライビングシミュレーター。そのグランツーリスモシリーズの創始者であるポリフォニーデジタル 代表取締役 プレジデント 山内一典氏が始めた取り組みがビジョン グランツーリスモと呼ばれる取り組みになる。

 ビジョン グランツーリスモは、制約なく自動車を設計して走らせることができるというバーチャル世界の特徴を生かして、普段なら量産時の制約(製造コストや生産性など)から自由に設計できないという自動車メーカーのデザイナーなどにそうした制約を取っ払って理想の車両を設計してほしいと山内氏が提案して始まった取り組みになる。

 過去には、そうそうたる自動車メーカーがビジョン グランツーリスモ向けの車両を設計しており、トヨタ自動車の「TOYOTA FT-1 ビジョン グランツーリスモ」、レクサスの「レクサス LF-LC GT "Vision Gran Turismo"」、ホンダの「ホンダ スポーツ ビジョン グランツーリスモ」、マツダの「マツダ LM55 ビジョン グランツーリスモ」など、さまざまなメーカーがビジョン グランツーリスモ向けの車両を「設計」して提供しているのだ。

既にグランツーリスモ7に登場しているシャオミ SU7 Ultra

 2025年の6月にロンドンで開催されたイベントで、ポリフォニーデジタルとシャオミは協業を明らかにしており、シャオミが中国などで販売しているEVとなる「SU7」の上位版となる「SU7 Ultra」をグランツーリスモの最新版「グランツーリスモ7」に登場させることを明らかにしていた。

 今回のビジョン グランツーリスモにシャオミのデザインした車両が登場するのはその協業の延長線上にある取り組みになり、シャオミによれば、今回シャオミはそうしたビジョン グランツーリスモ向けに車両を提供した36番目のブランドで、51台目の車両に相当するという。

低ドラッグでハイダウンフォースを実現したXiaomi Vision Gran Turismo、実物大モデルがMWCで公開

Xiaomi Vision Gran Turismoはハイパーカー

 シャオミはそうしたビジョン グランツーリスモ向けの車両名を「Xiaomi Vision Gran Turismo」と発表し、ハイパーカー(Hypercar)と表現した。ハイパーカーというのは、ル・マン24時間レースの参戦車両の規定であるHypercar(LMH)ではなく、スーパーカーを上まわる車両という高性能な車両という意味でのハイパーカーとなる。

空力を考慮したデザインになっている
Cd値0.29、ダウンフォース-1.2、空力効率レート4.1という数字が公開されている

 Xiaomi Vision Gran Turismoはもちろんビジョン グランツーリスモというバーチャル世界向けのデザインとなるが、その設計は本物の自動車を設計するようなデザインツールなどを利用して設計されており、実際にシミュレーターの中で空力効率などが追求されているという。フロアを流れる空気の流れなどをシミュレーションで追求することで低ドラッグ(空気抵抗)で、かつ高いダウンフォース性能が実現されており、Cd値0.29、ダウンフォース-1.2、空力効率レート4.1を達成しているとシャオミでは説明している。

アクティブ・ウェイク・コントロール・システム
ホイールの構造

 また、テールライト周囲の穴から空気を制御的に噴出し、乱流を後方へ押しやるアクティブ・ウェイク・コントロール・システムを採用しており、従来の可動スポイラーよりも空力の効率となめらかな外観という意味で効果的だという。また、ホイールカバーは走行時に停止するようになっておりドラッグを削減し、内部に用意されているタービンフィンがブレーキを冷却する仕組みになっている。

コックピット
ハンドル

 内部のデザインも特徴の1つで、ソファーでレースするような快適さを実現するシート、さらにダッシュボード、ドア、シートは連続したリング構造になっており、ドライブ時にドライバーと車両の一体感がでるように配慮されている。

 また、レーシングカーのようにハンドルにディスプレーが用意されており、さまざまな情報をドライバーに伝えるほか、シャオミのスマート機器(スマートウォッチやスマートフォンなど)と連携して動作するのも大きな特徴となる。

 今回シャオミが同社のMWCブースに展示したのは、そのXiaomi Vision Gran Turismoのフルスケールモデル。実際にタイヤなどもついており、その質感などを確認することができた。ただ、公開されたのは外観だけで、内部に関しては公開されていない。あくまで実物大のモデルとして公開された形になる。

Xiaomi Vision Gran Turismo
フロント
フロントにつけられたシャオミの「mi」ロゴ
フロントの右側フロアには大きな空間があり、空気をフロアの下に流し込むデザインであることがわかる
右フロントタイヤ、タイヤはピレリのP-ZERO 265/35 ZR21
右のホイールハウス上部。ミラーはなくカメラで後方を確認する仕組みのようだ
フロントタイヤの後部にはVision GT(ビジョン グランツーリスモ)のロゴが
マシン後部、シャークフィンが後部中央に装着されている
右リアタイヤ、フロントタイヤと同じように走行中も動かないホイールカバーを採用
後部にはシャオミの文字入り
MWCでのシャオミブース