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F1日本グランプリ、メルセデスのアントネッリ選手が中国グランプリに続き2連勝で史上最年少のポイントリーダーに

アストンマーティン・ホンダは初完走

優勝後の記者会見で質問に答えるキミ・アントネッリ選手。2戦連続優勝で、史上最年少ポイントリーダーになった

 F1日本グランプリが3月27日~29日の3日間にわたって鈴鹿サーキットで開催された。決勝レースは最終日の29日14時10分に行なわれた。

 決勝レースを優勝したのは、スタートで6位に落ちたがそこから追い上げ、セーフティーカーの導入タイミングなどにも助けられトップに戻ってきたキミ・アントネッリ選手(12号車 メルセデス)。「キミ」の名を持つドライバーが、日本GPに勝つのは、2005年に予選17位から最終ラップにトップに立って優勝したキミ・ライコネン選手以来。2位はオスカー・ピアストリ選手(81号車 マクラーレン・メルセデス)、3位はシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)と異なるチームの車両が表彰台に上がった。

優勝したキミ・アントネッリ選手(12号車 メルセデス)

暖かい春の環境で開催された2026年の日本GP

 F1は2026年シーズンから車体もパワーユニットも新規定になった。今回の日本GPはその3レース目ということで、徐々に各チームの序列なども明らかになってきている。

 それが明確になったのが前日の予選結果で、メルセデス、マクラーレン、フェラーリという3チームがトップ6を独占。レッドブル、アルピーヌ、アウディ、レーシングブルズなどがベストオブレストと呼ばれるトップチーム以外の最上位を争うという構図になっている。

 今シーズンからF1に復帰したホンダのパワーユニットを搭載するアストンマーティン・ホンダは、パワーユニットと車両を組み合わせた際の異常振動などの課題に悩まされ、ここまでの2レースで完走すら難しいという状況。このレースでも最後尾のグリッドからスタートすることになった。まずはレースを走りきって今シーズン初めての完走を目指すことが目標となる。

スタートではメルセデスの2台が大きく出遅れ、マクラーレンのピアストリ選手がトップを奪う

 スタートでは1列目に並んでいたメルセデスの2台が出遅れ、ポールのアントネッリ選手(12号車 メルセデス)は6位に沈んだ。よいスタートを切ったのは3位からスタートしたオスカー・ピアストリ選手(81号車 マクラーレン・メルセデス)。2位は4位からスタートしたシャルル・ルクレール選手(16号車 フェラーリ)、3位はランド・ノリス選手(1号車 マクラーレン・メルセデス)。

 1周目が終わるとメルセデス勢はジョージ・ラッセル選手(63号車 メルセデス)が4位、順位を1つ取り戻したキミ・アントネッリ選手が5位となっていた。車両のパフォーマンスが高いメルセデス勢が、マクラーレンとフェラーリに抑え込まれる展開となった。

 2台のメルセデスのうち、ラッセル選手は1台1台前を抜いていき、トップのピアストリ選手の背後に迫る。8周目のシケインでラッセル選手が前にでるが、次の周のストレートでピアストリ選手が再び抜き返す。

 今シーズンの開幕2戦でメルセデスとフェラーリが繰り広げた激しい抜きつ抜かれつのマッチレースが、今回のレースではメルセデスとマクラーレンの間で繰り広げられた。

 その後方でもフェラーリのルクレール選手、マクラーレンのノリス選手、そしてメルセデスのアントネッリ選手の3チーム3台が激しい争いを繰り広げ、メルセデスのアントネッリ選手が2台を抜いて3位に上がった。

アントネッリ選手は最年少ポイントリーダーに。アストンマーティン・ホンダは今シーズン初めての完走

 18周目の終わりにピアストリ選手がピットに入る。それに対してメルセデスの2台はステイアウトを選択。しかし、ラッセル選手が21周目の終わりにピットに入ると、直後にオリバー・ベアマン選手(87号車 ハース・フェラーリ)がスプーンでクラッシュし、セーフティーカーが導入された。スプーンの手前でフランコ・コラピント選手が左に動いたところにベアマン選手も左へ動いたため行き場がなくなってしまい、スプーンの内側に飛び出して滑走し、最終的にスプーンの外側の壁にクラッシュした。

 ラッセル選手の「信じられないよ」の無線音声が示しているとおり、ピットストップしていなかったアントネッリ選手がSC導入の間にピットストップをしたことで、順位を大きく上げトップに。

 全車がピットストップを終えると、トップはメルセデスのアントネッリ選手、2位にマクラーレンのピアストリ選手、3位にメルセデスのラッセル選手、4位と5位にフェラーリのルイス・ハミルトン選手(44号車 フェラーリ)とルクレール選手、6位はマクラーレンのノリス選手に替わっていた。

 28周目にレースが再開されると、アントネッリ選手はリードを広げていき、2位のピアストリ選手以下をどんどん引き離していく。後方では3位だったラッセル選手が、ハミルトン選手に抜かれ4位に落ちる。

 2位争いはマクラーレンのピアストリ選手、フェラーリのハミルトン選手、メルセデスのラッセル選手、そこにフェラーリのルクレール選手も加わって4台の争いになり、緊張感のあるレースが繰り広げられた。ラッセル選手は結局ルクレール選手にも抜かれ、最終的に4位に後退した。

 レースはそのままアントネッリ選手がリードしてチェッカーを迎え、前戦中国グランプリに続いて2連勝を飾った。アントネッリ選手はポイントリーダーに浮上し、19歳でのポイントリーダーは史上最年少となる。

 2位は今年初めて決勝レースをスタートできたマクラーレンのピアストリ選手、3位は終盤にラッセル選手に一度抜かれたものの、1コーナーで勇敢な追い越しで順位を取り返したフェラーリのルクレール選手、4位はセーフティーカー導入のタイミングが悪すぎて失意のレースとなったメルセデスのラッセル選手、5位はマクラーレンのノリス選手、6位はフェラーリのハミルトン選手。

 そしてベストオブレストはピエール・ガスリー選手(10号車 アルピーヌ・メルセデス)、予選でQ2落ちとなったマックス・フェルスタッペン選手(3号車 レッドブル・レッドブルフォード)は追い上げて8位。以下9位 リアム・ローソン選手(30号車 レーシングブルズ・レッドブルフォード)、10位エステバン・オコン選手(ハース・フェラーリ)までがポイントを獲得した。

 注目のアストンマーティン・ホンダは、ランス・ストロール選手(17号車 アストンマーティン・ホンダ)はリタイアに終わったが、フェルナンド・アロンソ選手(14号車 アストンマーティン・ホンダ)は1周遅れながら18位で今年初めて完走した。

今シーズン初めて完走したアストンマーティン・ホンダ

優勝したキミ・アントネッリ選手の記者会見コメント(要約)

 日本グランプリで優勝できて本当にうれしい。ただ反省点としてはスタートで順位を下げてしまったことだ。要因としてはクラッチ操作とタイヤ温度が影響しており、多くのポジションを失ってしまった。

 その一方でレースペースは非常によくて、セーフティーカーの導入には助けられた。(史上最年少のポイントリーダーだがと聞かれ)チャンピオンシップに関してはあまり意識しすぎないようにしている。シーズンは長く、チームメイトのジョージをはじめライバルは非常に強力で必ず巻き返してくると考えている。今後に向けてはスタートを改善しながら、レースディスタンスを通した安定したパフォーマンスを発揮することが大事だと考えている。

トップ3記者会見。中央が優勝したキミ・アントネッリ選手、左が2位のオスカー・ピアストリ選手、右が3位のシャルル・ルクレール選手