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TGRハースF1チームのリザーブドライバー平川亮選手、2026年シーズンもいくつかのGPでFP1に登場予定

2026年3月27日 開催
TGR Haas F1 Team リザーブドライバー 平川亮選手

 TGR Haas F1 Teamは、2025年シーズンからTGR(TOYOTA GAZOO Racing)との協業を開始し、2026年シーズンはチーム名に「TGR」を加え、タイトルパートナーに迎えてより深い協業を開始している。

 そのハースで2025年からリザーブドライバーを務めているのが2022年のル・マン24時間レースウィナーでもある平川亮選手。WECにTOYOTA RACINGの「TR010 HYBRID」のドライバーとして参戦している平川選手は、2025年のF1において、いくつかのレースでFP1(フリー走行1)でレギュラードライバーの代わりに走り、チームに貴重なデータをもたらしている。

 そうした平川選手だが、今回の日本GPではFP1を走る機会には恵まれなかったものの、リザーブドライバーとしてチームに帯同しており、レギュラードライバーに何かあったときに備えている。3月27日の午前には、平川亮選手を囲んでの囲み取材会が行なわれたので、その模様をお届けしたい。

FP1ではいくつかのレースで乗る予定、日本GPには元々来ない予定だったがWEC開幕戦延期で予定を変更

──今シーズンの車両にはまだ乗っていないと思うが、シミュレーターには乗られていると思う。その違いは?

平川選手:現行の車両にはまだ乗っていない。シミュレーターには一度乗ったが、違いはサーキットによって異なっているし、レースなのか予選なのかでも違う。今回は予選でのレギュレーションに調整が入ったので、難しさという面では減ったが、依然として決勝レースではセクター1でバッテリをチャージするなどのマネジメントをしないといけない難しさがあると思う。

 このサーキットは結構コースティングしてバッテリチャージをどこにするかというのが他のサーキットよりも難しいレイアウトだと思う。シミュレーションでは、どこでするのが効果的でどこが使えそうかというのを予選でもやる予定だったが、(直前のレギュレーション変更で)それをやる必要がなくなった。決勝では最高速からの1コーナーとかでもしかしたらやるかもしれないが、そんなにはないと思う。

──ハースチームのリザーブドライバーになってほぼ1年が経過した。さらにチームは本年からGAZOO Racingとの関係も深まっているが、ドライバーの目から見て変わった部分はあるか?

平川選手:特段変わったことはないとも言えるし、まだまだこれからというのが正直なところだ。ただ、レースごとに変わっている部分はある。トヨタからこのチームにやってくる人も増えている。自分はオーストラリアGPにはいけなかったが、多くのトヨタの関係者の方が向かわれたと聞いている。今回も多くのゲストがいらっしゃると聞いている。

──TPCテストなどで乗る機会はあると考えてよいか?

平川選手:言ってよいのかはわからないが、予定はされていると聞いている。もちろん、昨年のクルマになるので、本年のクルマとは違うのだが、それでも乗れる機会は重要なので、しっかり準備していきたい。

──FP1でもいくつか乗れると考えてよいか?

平川選手:実は中止になった4月の連戦のうちの1つがその予定だった。そこに向けて(シミュレーションなどで)練習していたので、やや残念だが、また機会は巡ってくると思うのでしっかり準備していきたい。ただ、どのタイミングになるのかはまだ決まっていない。ご存じの通り、最終戦(アブダビGP)などは紛争が続いている地域になるので、それらを考慮すると欧州でのレースでという話をチームとしているが、まだ決まっていない。

 ただ、昨年のクルマだと、もうセッティングなどが決まっていて、そこから少しずつ削っていくという話だったが、この新しいクルマでは非常に複雑な作業を行なわないと、あっという間に1秒も失ってしまうのでトリッキーだ。そこをちゃんとやっていかないといけない。

──今シーズンは新しいレギュレーションが導入されてチームもレギュラーをできるだけ乗せたいという事情もあって、FP1で変わるのが難しいなどの事情があったと思うが、ドライバー個人としてはこのサーキットでFP1に乗ってみたかったか?

平川選手:今回、そもそもWEC開幕戦のカタール戦とかぶっていたので、ここには来ない予定だった。しかし、WEC開幕戦が延期になると決まってから、チームとやりとりをして、ここに(リザーブとして)来られるように調整してもらった経緯があり、それはよかったと考えている。今年はWECとF1の日程がかぶっているところが多くて、そこは(もう1人のリザーブドライバーである)ジャックがいてくれるので、2人で役割を分け合いながらリザーブドライバーをうまく回している状況だ。

F1はドライバーだけでなく、エンジニア・メカニックも一流がそろっており、鍛錬の場としても最高峰

報道陣に囲まれながら質問に答える平川亮選手

──トヨタ自動車の豊田章男会長は、F1という舞台でドライバーを育てたいと言っていたが、F1という舞台はドライバーが育つ上でどのようなものか教えてほしい。

平川選手:モータースポーツの頂点にあるのがF1だ。F1にはドライバーだけでなく、エンジニアやメカニックも一流の人材が集まっており、その中でやることは強いプレッシャーにさらされるが、自分がどこまでやれるのかを試せる場でもある。その中ではたくさん学ぶこともあるし、自分のパフォーマンスがどの位置にあるのかを試すこともできる。そういった場を用意してもらっているので、そこでしっかり結果を出してチャンスをつかんでいきたい。

──先日のWRCサファリラリーでは、勝田貴元選手がWRCで初優勝を飾ったが?

平川選手:木曜日とか金曜日あたりから見ていて、最初の方に(上位勢が)みんないなくなったので、サファリは大変なのだなと思い、土曜日は見ていなかったのだが、土曜日が終わったらトップで、次とは結構差があったので、これはいけるなと思ってメッセージを送った。

──それは優勝を前にプレッシャーをかけたということか?(笑)

平川選手:そういうわけではない(笑)。これまでいろいろ苦しんでいて、いいところまでいってもトラブルがあって勝てなかったことなどがあったが、今回はしっかり勝てたのはよかった。今回は最初のセクターで少しタイムを失って少しドキドキしたが、途中のヘアピンでここをしっかり耐えれば大丈夫というところを安定して超えたので、そこでまぁ大丈夫かなと(勝利を)確信した。優勝したときに、お子さんに日本語で話していたのもよかった。

──WECのレースについて、本年の見通しは?

平川選手:クルマはエアロが変わってテストではかなりポジティブな結果も出ているし、見た目もかなりよくなって本当に楽しみだ。状況によってカタールでの開幕戦が延期になってしまったのは個人的に残念だが、チームはポジティブに見ていてしっかり準備を進めているし、シミュレーションでは速く走れるという結果も出ており、ル・マンなどではいい戦いができそうだ。もちろん、他のメーカーも改良を進めて速くなってくるので、そのあたりを警戒しつつ、しっかりとした結果を出していきたい。