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トヨタレーシング、ル・マン24時間前のWEC第2戦スパは5位と10位 小林可夢偉代表はル・マンに向け「改善すべき点をしっかりと見直し」
2026年5月10日 10:46
WEC(世界耐久選手権)第2戦スパ・フランコルシャン6時間レースの決勝レースが5月9日(現地時間)に開催された。スパ6時間は、世界耐久選手権で最も知られており、世界三大レースの一つにも数えられるル・マン24時間前の最後の実戦レースになる。
トヨタレーシングは、このスパ6時間に7号車(小林可夢偉/マイク・コンウェイ/ニック・デ・フリース)と8号車(セバスチャン・ブエミ/ブレンドン・ハートレー/平川亮)の2台をエントリー。レーシングマシンは2026年シーズンから新型のTR010となっており、開幕戦のイモラでは優勝もしている。
トヨタ勢は予選では、8号車が13位、7号車が17位と厳しい状況に。予選後の会見でチーム代表も務める小林可夢偉選手は、高速コーナーであるスパのターン10での不利な状況を語るとともに、昨年は2秒あったタイム差が1秒以下になったというポジティブな状況を語り、昨年同様に決勝での順位アップを狙うとしていた。
そのような厳しい状況の中、7号車は決勝において5位まで、8号車は10位まで順位を押し上げ、いずれもポイントを獲得した。
7号車の小林可夢偉チーム代表兼選手は、「5位と10位という結果は、今回のペースを考えると悪くなかったと思います。いくつか課題がありましたが、良い結果を出すために最善を尽くし、2台ともにポイントを取ることができたことは、チャンピオンシップ獲得に向けて良いことだと思います。簡単な1週間ではありませんでしたが、チームとして力強いパフォーマンスを発揮できました。ル・マンに向けて振り返りをし、改善すべき点をしっかりと見直していきます」とコメント。
8号車の平川亮選手も、「表彰台、さらには勝利も狙える展開だったので、正直とても悔しいです。今回何が起きたのかをしっかりと振り返り、同じことを繰り返さないようにしたいです。私たちにとってはフラストレーションの残る結果となりましたが、次はル・マンです。この経験を最大限に生かし、全力で準備を進めていきます」とコメントしており、いずれも次戦のル・マン24時間をしっかり見据えている。
シーズンのハイライトとなるル・マン24時間レースは、6月13日〜14日に開催。2018年~2022年まではトヨタが5連勝、2023年~2025年まではル・マン6連勝の記録を持つフェラーリがル・マン復帰から3連勝しており、トヨタはフェラーリ復帰後においては優勝できていない。
2025年までは、TOYOTA GAZOO Racingという体制でのル・マン挑戦となっていたが、2026年初頭の「東京オートサロン2026」で「社内抗争勃発」を掲げ中嶋裕樹副社長が「GRとは袂を分かちTOYOTA RACINGを立ち上げる」と宣言。新たにTOYOTA RACINGとしての体制になっており、ル・マンについては「モリゾウの力を借りずにトヨタのエンジニアだけで必ずル・マン24時間で優勝し、トロフィーをここに叩き付ける」(中嶋裕樹氏)と、必勝の思いで取り組んでいる。
東京オートサロン2026ではレフリーを佐藤恒治社長が務めるとしていたが、トヨタ自動車は4月1日に経営体制を変更、近健太氏が社長に就任した。社長交代会見の際にはレフリー役については「これ、近さんやってくださいね」と佐藤恒治 現副会長は語っており、どのような判定が下されるのかも注目が集まっている。
なお、例年ル・マン24時間の時期にトヨタ自動車の株主総会は行なわれており(トヨタから見た場合は、株主総会の時期にル・マンが開かれている)、上場会社であるトヨタの首脳陣にとってル・マン24時間への参加は非常に厳しいスケジューリングとなる。
トヨタ、フェラーリともル・マン24時間を見据えてクルマ作りを行なっていると思われ、その特性がいずれの陣営も不調という結果に見えているのかもしれない。ル・マン24時間の予選は1か月後に迫っており、小林可夢偉代表の語る「ル・マンに向けて振り返りをし、改善すべき点をしっかりと見直していきます」とのコメントが、どのように反映されていくのか、ル・マン24時間レースのスタートを待ちたい。


