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ダンロップ、2026年第1四半期決算説明会 シンクロウェザーは前年同期比4倍の売上、ディーラー新車オプションとしての販売を強化
2026年5月18日 10:05
- 2026年5月15日 実施
第1四半期の売上収益が過去最高を更新
住友ゴム工業は5月15日、2026年第1四半期(2026年1月1日~3月31日)の決算説明会を実施した。登壇したのは代表取締役社長の國安恭彰氏、取締役常務執行役員 日野仁氏、取締役常務執行役員 津崎正浩氏、執行役員 荒木伸治氏の4名。
2026年第1四半期のグループ売上収益は、前年同期比105%の3022億円、事業利益は同119%の168億円、営業利益は同122%の151億円、四半期利益は同241%の86億円と増収増益と報告。また、売上収益は全社およびタイヤ事業ともに前年同期を上まわり過去最高を更新したと説明した。
国内はシンクロウェザーが好調、ディーラーオプションの販売を強化
国内で2024年12月に発売した次世代オールシーズンタイヤのシンクロウェザーは、2026年の第1四半期は性能がより重視される高インチ帯を中心に計画を上まわる販売を実現したとのことで、売上収益も前年同期比で約4倍に拡大するなど好調さを見せているという。
その背景について國安氏は、「オールシーズンタイヤとしてのシンクロウェザーの価値が市場へ浸透していた実感があります。商品面では3月までに112サイズまで拡大を完了。ユーザーさまからは、四季を通じて安心して使用できる性能、長距離走行後も性能劣化を感じにくい、との声をいただいております」とユーザーの声を紹介。
会場には、ダンロップ契約女子プロゴルファーの菅沼菜々さんが、2025年に国内のツアーを巡る際、ツアー車として使用していた父親が運転するアルファードに履いて、年間約4万kmを走った実際のシンクロウェザーを展示。「長距離使用でも新品との違いをあまり感じないというコメントをいただいた」と國安氏は説明した。
そのほかにも、販売店から冬用タイヤの需要の平準化により繁忙期が分散し、店の人員配置がやりやすくなったなど、販売店にとっても嬉しい商品であるという評価をもらっていると紹介した。また、メーカーオプションではないが、ディーラー単位での新車オプションに設定してくれる店舗も出てきているとのことで、引き継ぎそこの強化も図るとしている。
なおシンクロウェザーは、低インチ帯では一部計画に未達があるものの、高インチ帯の比率が高まったことで商品構成が改善し、利益が計画を上まわった。
國安氏に目標の100万本は見えているか聞いてみたが、「冬になれば冬用タイヤの需要もあるので、第1四半期の4倍の売上が通年継続するのは現実的には難しい。ただし、高インチ帯が好調なので売上利益は期待している」との考えを示していた。
欧州に新製品「BLUE RESPONSE TG」を投入。ドイツ自動車誌で総合1位獲得
2025年1月に欧州・北米・オセアニアにおけるダンロップブランド取得により、欧州ではグッドイヤーからの引き継ぎや物流オペレーションの立ち上げに苦戦したものの、2月には解消したことでタイヤ販売本数は増加。3月には当初の計画まで回復したという。
また、2026年2月に投入した新製品サマータイヤ「BLUE RESPONSE(ブルーレスポンス)TG」が、ドイツを代表する自動車専門誌「AMS(Auto Motor und Sport)」が実施するタイヤテストにて、ウエット路面でのグリップ性能や制動距離、ドライ路面でのハンドリング性能やブレーキ性能など多くの項目で高評価を得たことで総合1位を獲得。価格も計画通りのプレミアムな価格帯を実現し、売上に貢献しているという。
加えて、想定顧客の40%超を第1四半期に開拓していて、残り60%も着実に開拓するとしているほか、プレミアム自動車メーカー向けに4車種10サイズでタイヤ開発を開始していることも明かした。
北米ではダンロップの取り引き件数が5倍に伸長
北米では年初の暴風・豪雪の影響で市場全体の需要が減退するなか、ファルケンブランドの製品「ワイルドピーク」が健闘。ダンロップブランドも2月より小売店での取り扱いが増え、1月から3月で取り引き件数が5倍に増えるなど、3月以降は計画通りに推移しているという。
さらに、北米では2025年12月に住友ゴムのダンロップ製品第1弾となる新製品サマータイヤ「BLUE RESPONSE A/S」の乗用車向け44サイズを発売。ファルケンブランド製品よりも高い価格ポジションを維持しながらの導入が進んでいるという。また、2026年夏にはSUV向け36サイズの追加も予定するなど、さらなる拡販を想定。小売り価格もプレミアム商品としたことで、ターゲット価格帯まで改善が見えてきたとしている。「引き継ぎダンロップ取り扱い店舗の拡大に注力する」と國安氏は強調した。
総原価低減活動「Project ARK」の進捗
2025年5月に発足して7月から本格稼働した総コスト低減活動「Project ARK」については、初年度(2025年)は28億円、2026年度は95億円、2027年度は139億円と、目標の2027年度末までに300億円に対して、262億円の目途付けが完了したと報告。
2026年度の95億円の内訳は、電力契約の1本かなど国内4工場の横串管理、既存ITサービスの見直しと最適化、国内販社一社化にともなうカンパニー拠点・営業所の統廃合推進、事業部人事と工場人事の機能統合などによって創出したとしている。
また、さらなるコスト削減を目指し、最大の生産拠点であるタイ工場の原価低減を加速しているといい、第1工場や第3工場のリニューアルを行なうことで、製品の性能や生産能力の向上を目指しているという。
2026年通期の見通しは、年初公表を維持
上期は現時点で把握できている中東地域向けの販売減少および原材料高騰、燃料サーチャージのマイナス影響を織り込み済みで、同時に為替のプラス影響を盛り込み、さらにコスト抑制に取り組むことで、國安氏は「トータルでは損益の影響はないと考えている」と説明。
また、下期は現時点で把握できる原材料高騰によるマイナスの影響を織り込み、それらのマイナスを為替のプラスの影響、値上げ、コスト抑制などにより跳ね返し、2026年度の連結業績については、2月に発表した売上収益1兆3200億円(前年比9%増)、事業利益1120億円(同23%増)、営業利益1000億円(同21%増)、当期利益550億円(同9%増)を維持を表明。ただし、中東情勢については年内に落ち着けばいいが、年を超えて続くようであればさらなる値上げで対応せざるを得ないと言及した。
























