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住友ゴム、2025年12月期 通期決算は営業利益638%増の826億円、当期利益411%増の504億円で増収増益 「シンクロウェザー」12サイズ追加も予告
2026年2月13日 11:42
- 2026年2月12日 開催
住友ゴム工業は2月12日、2025年12月期 通期(2025年1月1日~12月31日)の決算内容を発表した。
第134期となる2025年12月期 通期の連結業績(IFRS)は、売上収益が前年同期(1兆2118億5600万円)から0.4%減となる1兆2070億6100万円、事業利益は前年同期(879億4100万円)から3.2%増の907億8600万円、営業利益は前年同期(111億8600万円)から638.3%増の825億8400万円、営業利益率は6.8%、親会社株主に帰属する当期利益は前年同期(98億6500万円)から410.7%増の503億7900万円となった。
「シンクロウェザー」に12サイズ追加。3月末から全112サイズに拡大
同日開催された決算説明会では、決算内容について住友ゴム工業 代表取締役社長 山本悟氏が説明。
山本社長は決算のポイントとして、2025年12月期の通期で売上収益が業績予想を上まわる1兆2071億円となったほか、事業利益は908億円と過去最高を更新。事業利益率も7.5%まで向上した好調な1年になったことを紹介した。
主力のタイヤ事業では年間のタイヤ販売本数が前年を下まわったものの、プレミアムタイヤ販売が堅調に推移。SUV向けや高インチタイヤのほか、次世代オールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」、北米の主力商品である「ワイルドピーク」、欧州オールシーズンタイヤなどが販売を牽引した結果、タイヤ事業の事業利益も過去最高を更新しているという。
また、数年に渡って取り組んできた構造改革にめどが立ち、当期利益が通期業績予想から大幅増益で前年同期比410.7%増の504億円になったことから、株主に対する配当を当初予定から7円を期末配当で積み増し、前年から19円の増配となる過去最高の年間77円とするほか、すでにスタートしている2026年12月期についても過去最高を更新する年間84円を予定していることを明かした。
これに加え、独自技術の「アクティブトレッド」で注目を集めているシンクロウェザーは、2025年10月から軽自動車向けの14インチを含む24サイズがバリエーションに追加されて100サイズ展開となっているが、3月末に18インチ以上の高インチタイヤ11サイズを含む12サイズをさらに追加。全112サイズのラインアップとしてこれまで以上に幅広いユーザーニーズに対応できる製品に進化することが予告された。
このほかにタイヤ事業では海外市場でのダンロップブランド拡大に取り組んでおり、豪州で2025年8月から、北米で2025年12月から住友ゴム製のダンロップブランドタイヤを販売開始。欧州でも1月から販売がスタートしている。さらに春商戦に合わせてサマータイヤのハイパフォーマンス製品「ブルーレスポンス TG」を4月からグローバル展開して、その後も新製品の販売を計画しているという。
日本経済にも大きな影響を及ぼしている米国トランプ政権による関税対応では、2025年4月以降に製品に課せられている関税に対し、住友ゴムでは価格転嫁に加えてコストや経費などの削減で対策。2025年12月期では5月に想定した180億円が追加関税適用の延期や間税率の変更などによって減少し、最終的に130億円となった関税影響額を計画通り打ち返すことに成功した。
2026年12月期の関税影響は通年になったことも影響して288億円を見込んでおり、これまで同様に価格転嫁とコストや経費などの削減のほか、2025年7月から取り組みを始めた「Project ARK」による総コスト低減活動で関税影響を確実にオフセットしていくとした。
2026年12月期の通期業績見通しは、売上収益を前年比9%増の1兆3200億円、事業利益を前年比23%増の1120億円、営業利益を前年比21%増の1000億円、当期利益を前年比9%増の550億円と予想。
ダンロップブランドのグローバル展開によるタイヤ販売拡大に加え、日本国内でのシンクロウェザーの増販、北米におけるワイルドピークシリーズの訴求などを推し進め、タイヤ販売本数の増加、プレミアムタイヤ比率の向上で増収増益を見込んでいる。
長期経営戦略「R.I.S.E 2035」の進捗も解説
また、山本社長は住友ゴムの今後の事業展開で柱となる長期経営戦略「R.I.S.E 2035」についてあらためて説明。
2025年3月に発表されたR.I.S.E 2035は2035年までの期間を3つに区分し、段階ごとに目標や商品計画を定めて企業価値の向上を図っていく経営戦略。ダンロップブランドのさらなる強化とタイヤのプレミアム化を中軸に据え、収益体質の改革を目指している。今回は2025年からすでに取り組みがスタートしている部分と2026年以降に実施する計画を中心に紹介された。
主力となっているタイヤ事業では、「オールシーズン」「超高性能スポーツ」「ピックアップ・SUV」といったカテゴリーを中心にプレミアム商品を拡充。オールシーズンタイヤでは日本国内から製品投入を開始して高い評価を受けているシンクロウェザーを筆頭に、北米向けのオールシーズンタイヤである「ブルーレスポンス AS」を2025年12月に発売。また、進化したアクティブトレッド技術を搭載する欧米向けの新商品を2027年の導入に向けて準備を進めているという。
超高性能スポーツ製品は開発スピードと品質を高次元で両立させるため、欧州における開発体制を強化したほか、現地プレミアムブランドとの共創を深めている。ピックアップ・SUVについてはタイ工場で導入を進めて年内の稼働を予定する「SUN-TITAN STSTEM」を活用。よりアグレッシブなデザインと軽量化の両立を実現するこの製造システムを用いることで、ダンロップとファルケンの両ブランドでオフロード領域での存在感をさらに高めていく。
具体的にはシンクロウェザーの販売拡大によって国内市販用タイヤで80万本、欧州と豪州におけるダンロップ製品投入、北米で主力となっているファルケンブランドのワイルドピークシリーズの販売拡大で260万本、さらに新車装着用タイヤで120万本をプレミアム商品化することにより、販売するタイヤのプレミアム比率を2026年に51%まで向上。これはR.I.S.E 2035で2027年に達成を見込んでいる比率50%を1年前倒しでクリアすることになる計画だ。
2025年7月からスタートしたProject ARKは、「部門横断」「DXとAIの活用」「TPS(トヨタ生産方式)」という3要素で無駄の排除を推進する全社的なコスト低減活動となっており、2027年末までに累計300億円の効果創出を目指す取り組みのうち、現時点で259億円分の施策やアイデアが生み出されている。すでに2026年12月期の事業計画にも100億円の目標のうち43億円分が業績予想に織り込み済みとなっており、さらに34億円を追加で積み上げている状況になっているという。
車両データからタイヤ周辺の状態の検知・予知を行ない、事故の未然防止やダウンタイムの最小化などの価値を提供する「センシングコア技術」では、2025年5月にAIソリューションを提供する米国のベンチャー企業「Viaduct(バイアダクト)」の買収を実施。Viaductが持つ独自のAIモデルをセンシングコア技術に組み込み、機能を拡充させた新たなソリューションビジネスを構築して自動車メーカーやフリートマネジメント向けに展開する。2030年には事業利益100億円以上を目指し、センシングコアを中心とした取り組みを推進していく。
R.I.S.E 2035を確実に実現させる中期計画を現在取りまとめ中
説明会の最後には現職の山本社長の後任として、3月26日に開催される定時株主総会と取締役会による決議を経て新社長に就任する予定の國安恭彰氏があいさつを実施。
「私はタイヤの設計・開発業務、品質保証、経営戦略などを担当しておりました。そのなかで、市場環境の変化の早さ、技術革新のスピードを肌で感じてまいりました。自動車産業の転換期を迎え、当社も柔軟かつ迅速な対応が求められております。山本社長が築き上げてきた強固な経営基盤をさらに発展させ、長期経営戦略のR.I.S.E 2035を着実に推進してまいります」。
「私は現在の事業を『深さ』、そして『幅』の両面で成長させたいと考えております。『深さ』ではダンロップブランドの価値を再び高め、独自技術を最大限投入してお客さまに新たな体験価値を提供してまいります。『幅』ではイノベーションを当社のなかで起こし、新たなゴム技術を異なる分野に展開して事業利益の拡大を目指してまいります」。
「当社はこれから成長フェーズを迎えます。意思決定のスピード、そして柔軟な発想。これらを組織に根付かせ、競争力を高めてまいります。先ほどR.I.S.E 2035の進捗の報告がありましたが、これを確実に実現させるため、中期計画を現在取りまとめております。あらためて発表の機会を設けさせていただきたいと考えております」とコメントしている。





























