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住友ゴム、2025年度第3四半期決算は営業利益461億円、当期利益260億円
大谷翔平選手の効果で「シンクロウェザー」に指名買いも
2025年11月13日 00:00
- 2025年11月12日 発表
住友ゴム工業は11月12日、2025年12月期第3四半期決算説明会を開催。2025年度第3四半期の連結業績(2025年1月〜9月)は、売上収益8616億円(前年同期比133億円減)、事業利益485億円(同130億円減)、営業利益461億円(同346億円増)、当期利益は260億円(同220億円増)となった。
2025年度(2025年1月〜12月)通期の連結業績予想については、売上収益1兆2000億円と前回予想の1兆2150億円から下方修正、事業利益950億円、営業利益840億円、当期利益450億円は前回予想を据え置いた。
なお、2025年7月~9月の3か月の業績については対前年で増収増益となっており、売上収益2894億円、事業利益202億円、営業利益191億円、四半期利益116億円。事業利益率も7.0%と、2025年1月~3月の4.9%、4月~6月の5.0%から着実に利益率を改善している。
また、米国の関税影響については同社では基本的に値上げで打ち返す方針を掲げていた。今回、関税影響額を-130億円と算出。8月に公表した関税影響額-145億円から関税影響額が縮小した要因としては、追加関税率の変更や7月〜9月実績の反映によるとしている。
同社代表取締役社長の山本悟氏は、「米国関税影響については、7月から9月の実績や税率の変更、米国における販売数量の減少を反映しました。2025年の影響額は145億円から15億円減りまして、130億円となる見込みです。対応策はこれまでと同様、価格転嫁とコストや経費等の削減で打ち返していく計画」と話した。
山本社長は「すでにタイヤ事業につきましては、米国での価格転嫁を5月から実施しており、スポーツ事業につきましては競合の動き等を見ながら、6月から一部の値上げを実施しておりまして、おおむね計画通り進捗しています。一方、タイヤ販売数量については、値上げによる減少等はあるものの、米国関税政策の動向を米国の市況の他社動向なども注視いたしまして、柔軟、迅速な対応に努める所存です」と、値上げに対する考えを述べた。
関税影響を値上げで対応する一方、コストや経費を下げていく取り組みも実施しているという。
また、山本社長は「すでに輸出の主力工場でありますタイ工場のコスト削減に取り組んでおりまして目処立てしてまいります。この効果は大きく出てくるかと思っております。さらに下支えとして、新たな活動プロジェクトである総原価低減活動『Project ARK』を今年5月に発足し、7月から本稼働しております」と明かした。
グローバルで展開できるようになった「ダンロップ」ブランドへの取り組みについては、2025年第2四半期から北米と豪州で販売を開始した。山本社長は「すでにこの11月に北米向けの当社独自商品を上梓いたしまして、来年は新シリーズの追加も予定しており、同時にサイズの拡充と販売拡大を行なってまいります。欧州向けにつきましても、当社独自商品の販売を来年2026年1月からスタートします。米州、豪州、欧州において、当社製のプレミアム商品をダンロップブランドで拡販してまいりますので、今後の当社のダンロップブランド戦略にご期待をいただきたいと思います」と話した。
決算説明に続いて、長期経営戦略「R.I.S.E 2035」の進捗についての説明もあった。2030年に事業利益率15%を目標に、成長事業の仕込み、タイヤのプレミアム化、変化に強い経営基盤構築への取り組みを実施、追加の取り組みとして「Project ARK」を実施していることを報告。「Project ARK」では、コスト削減にむけて2025年〜2027年の3年間で累計300億円の施策効果を目標に、施策やアイデアを積み上げているという。
山本社長は「2025年の目標効果額30億円のうち24億円の目処がついてまいりました。全社を巻き込みながら、2026年以降の施策アイデアを現在積み上げているところでございまして、2025年から3年間で300億円の目標効果額のうち、現時点で236億円分の施策が積み上がってきております」と説明し、「2025年で構造改革の目処付けが完了する予定です。R.I.S.E 2035の施策は、2026年以降に確実に効果が出てまいります。確実な上昇に向け、一層取り組みを推進してまいります」との意気込みを述べた。
そして、グローバルで展開できるようになった「ダンロップ」ブランド戦略については、12月3日に東京で戦略の詳細と、新たなダンロップブランドの世界観を演出した展示会を開催することを明かし、山本社長は「欧州、米州、豪州でのダンロップブランド買収を契機に策定いたしました。ダンロップ復活に向けたブランド戦略をご説明させていただきますので、どうぞご期待いただきたいと思います」と予告した。
そのほか、同説明会では2024年10月に発売したオールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」について触れ、山本社長は「まず最初に迎えた冬の季節は本当に当初予想を上まわる結果で推移しました。われわれが当初ターゲットとしていたSUVですとか、輸入車のオーナーですとか、そういったところが想定通り」との手応を語った。
冬を越し夏を乗り越えた市場からの反響について、山本社長は「氷上路面での性能、このシンクロウェザーの評価がどうかというのが一番ポイントだったと思うのですが、おかげさまで良好な評価をいただけることができました。夏の時期には夏タイヤとしてどうかの評価もジャーナリストの皆さん含めて、ご評価をいただけて、われわれが意図する評価に仕上がっている」との自信を示した。
また、CMに起用した大谷翔平選手の効果が大きく、指名買いが発生しているという。山本社長は「年間を通して指名買いをいただけていますので、次年度も、やっぱり大谷選手とがっちりと手を組みながら、取り組みを進めていきたいと思います」との思いを述べた。

































































