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フォルクスワーゲンがGTI誕生50周年記念イベント「GTI FAN FEST 2026」開催! 会場の豊橋本社内を見学してきた

2026年6月13日 開催
愛知県豊橋市にあるフォルクスワーゲン本社でGTI誕生50周年を記念する「GTI FAN FEST 2026」が開かれた

 フォルクスワーゲン グループ ジャパンは6月13日、GTI誕生50周年を記念する「GTI FAN FEST 2026」を愛知県豊橋市にある本社で開催した。50周年記念車両のパイロット版の発表などは別の記事でお伝えしたとおりだが、今回はそれ以外に行なわれた施設紹介の模様をお伝えする。

 以下で紹介する通常は立ち入ることのできないTSC(テクニカルサービスセンター)やPD(パーツデポ)をめぐる特別ツアー、最新GTI車両の体験走行は、イベントの参加者も体験できたのがすばらしい。豊橋本社がどのようなところで何が行なわれているのか、全国からやってきたフォルクスワーゲン&GTIファンは同ブランドについてより理解を深めたに違いない。また、イベントで公開された「ゴルフGTI 50周年記念限定車」(プロトタイプ)も興味深く、詳細は語られなかったもののどのような本気仕様でデビューするのか、期待がかかるところ。

 さて、豊橋本社は本来イベントを行なうようなところではなく、世界各地の生産工場から船で運ばれてきたクルマを専用埠頭で日本へ上陸させ、納車前点検や品質チェックなどを行なうインポートセンターだ。そんなこともあり、現地には同グループが扱うアウディ、ランボルギーニ、ベントレー、ポルシェがずらりと並んでいる。敷地面積は東京ドーム約6.5個分となる、およそ30万m 2 。2025年の取り扱い台数は約7万台にもおよび、その数字は輸入自動車の2割弱にも達するという。

会場に続々と集まる「VWer(ヴィーワー)」(2024年の「Volkswagen Fan Meeting」でフォルクスワーゲンファンの愛称がVWerと定められた)。今回の「GTI FAN FEST 2026」には2600名以上の応募の中から抽選で選ばれたGTI&フォルクスワーゲンオーナーに加え、SNS投稿型キャンペーン「I♡VW フォトキャンペーン2026」の入賞者を含む総勢230組が招待された
会場に展示された歴代GTIモデルたち。写真はゴルフ1GTI
ゴルフ2GTI 16V ファイアー&アイス
ゴルフ3GTI
ゴルフ4GTI
ゴルフ5GTI ピレリ
ゴルフ6GTI エディション35
ゴルフ7GTI
ゴルフ7GTI TCR
ゴルフ8GTI
ルポGTI
up!GTI
ポロGTI
フォルクスワーゲン ジャパンのブランドディレクターであり、フォルクスワーゲン グループ ジャパン株式会社 代表取締役社長のマーティン・ザーゲ氏も来場。「日本のフォルクスワーゲンの拠点である豊橋で熱烈なファンの皆さまとこの記念すべき年をお祝いできることを誇りに思う」と述べた
マーティン・ザーゲ社長とプロレーシングドライバーの木下隆之氏は、ブランドとドライバーの観点から見た“GTI”と“フォルクスワーゲン”についてトークセッションを行なった
「GTI FAN FEST 2026」で公開された「ゴルフGTI 50周年記念限定車」(プロトタイプ)。ダークグリーンのボディカラーに赤いホイールを組み合わせ、日本限定仕様として全国300台限定を導入予定

 専用埠頭でクルマを陸上げしたのちに、TSC(テクニカルサービスセンター)にクルマが運ばれる。だが、その際には一般公道を跨がねばならず、日本のナンバーがまだつかないクルマは仮ナンバーを取得するなどの必要が出てくるため移動するのも困難。そこで専用の橋を設け、まだナンバーが付けられないクルマであっても往来できるようになっている。何から何までかなりの規模だ。

専用埠頭に並べられる各ブランドのモデルたち。白いボディカバーは生産工場の最後のプロセスで装着され、物流におけるさまざまなダメージリスクから車両を保護する役割を果たしている。強風による砂や石のチッピングなどを防ぐ効果があり、このカバーは1回使い切りで再利用はしないという。ポルシェ、ランドローバー、ベントレーは上面のみのカバーを使用し、フォルクスワーゲンとアウディはフルボディカバーを使用する。この違いは輸送方法の違いによるもので、フォルクスワーゲンとアウディは工場から港まで鉄道輸送を使用するため、より包括的な保護が必要なのだという

 TSCではまず、輸送時の汚れ防止用のカバーが外され、車両ごとにきちんと走るかの走行試験を行なう。さらに、洗車、仕様チェック、品質チェックをしたのちに、国土交通省へ届出した内容と相違がないかを1台ずつ現車確認。そこで完成検査修了証が発行される。その後はバッテリの充電、純正アクサリーの装着、ボディコーティングなどが行なわれ、全国の販売店へと出荷されるという流れだ。すなわちこの豊橋は、ゴルフGTIにとって第二の故郷ともいえる聖地。だからこそ誕生50周年記念イベントをここで開催したいとなったのだろう。

TSC(テクニカルサービスセンター)での工程
チェックを受ける各ブランドのモデル。TSCでは型式完成検査を受けたのち、納車前点検として「機能検査」「走行テスト」「外観検査」「エレクトリック&アンダーボディ検査」を実施。その後、洗車および車載品の確認&装着、バッテリ検査、純正アクセサリー/ガラスフィルム/ボディコーティングなどが行なわれる
洗車工程では大型洗車機を使用し、使用する水の70%を再利用する循環システムを採用。また、完成検査については日本の法律に従った検査とし、陸運局の完成検査場と同じ仕様で実施される。TSCでは協力会社4社の約160人が働いているが、完成検査ラインはフォルクスワーゲンの正社員が担当する体制を取っているという

 TSCの隣にはPD(パーツデポ)という敷地面積1万9500m 2 の部品庫が存在する。そこには小さなネジから大きなエンジンまで、およそ4万点のパーツが収納されている。馴染みある感覚でいえばIKEAの倉庫のデカイ版といった感覚だ。ドイツ・カッセルとイギリス・クルー(ベントレー)にあるマスターデポから船や飛行機によってここに入庫する流れだ。迅速な供給を年間300日間行ない、部品の即納率は平均97%と輸入インポーターでは高水準を維持しているという。

TSCの隣にあるパーツデポ
パーツデポではおよそ4万点の部品を保管。ドイツ・カッセルから船便と航空便を用いて輸入される。人力だけでは管理できないため、システムを使用して全ての在庫が管理されており、各部品には固有番号が割り振られていて、どこに何個あるかを常に把握できる体制が整っているという

 こんな体制が整えられていたからこその、ゴルフGTI誕生50周年なのだろう。初代は当初5000台限定の計画だった、いわばFIAのホモロゲーション取得モデルだったが、日常でも使える実用性がありつつ、軽快な走りを展開すること、そして誰もが手の届くスポーツカーであったこともあり、瞬く間に大ヒット。初代だけで46万台以上、これまで累計240万台以上を生産したという歴史がある。それを陰で支えてきたのが、第二の故郷ともいえる豊橋の本社だったのは間違いない。

 今回、広場で少しだけその最新モデルとなる8代目のゴルフGTIに乗ったが、現代の当たり前ともいえる安全装備やインフォテインメントシステムを装備し大きくなりつつも、扱いやすい反応の良い走りを相変わらず展開していた。時代の要求を満たしつつも守るべき方向性は失わない。そこがGTIの良さであり人気の秘密だろう。

 イベントではゲストで登場したプロレーシングドライバーの木下隆之選手が「長く続くスポーツカーでも紆余曲折するクルマがあるが、ゴルフGTIは初代からブレることなく続いた一貫性あるクルマ作りが素晴らしい」と共感していた。時代が移り変わろうとも、ゴルフGTIには同じ方向性でいつまでも突き進んで欲しい。

広場で8代目のゴルフGTIに試乗することができた。扱いやすい反応の良い走り、これがGTIの良さだと改めて実感することができた