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鈴鹿8耐、優勝は30号車Honda HRCで5連覇達成
引退表明の中須賀選手の21号車YAMAHAは2位に、3位は37号車BMW
2026年7月5日 21:14
- 2026年7月3日〜5日 開催
7月5日、鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で「2026 FIM世界耐久選手権 "コカ·コーラ" 鈴鹿8時間耐久ロードレース 第47回大会」(以降、鈴鹿8耐)の決勝レースが行なわれ、ポールポジションからスタートした30号車Honda HRC(高橋巧/ジョナサン・レイ/ソムキアット・チャントラ、CBR1000RR-R SP、BS)がトップでチェッカーを受け、5連覇を達成した。
今季限りの引退を表明している中須賀選手率いる21号車YAMAHA FACTORY RACING TEAM(中須賀克行/ジャック・ミラー/アンドレア・ロカテッリ、YZF-R1、BS)は2位、3位は37号車BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM(マーカス・ライターバーガー/スティーブン・オデンダール/マイケル・ファン・デル・マーク、M1000RR、BS)だった。
サステナブル素材を使用したEXPERIMENTALクラスの0号車Team SUZUKI CN CHALLENGE(津田拓也/水野涼/エティエンヌ・マッソン、GSX-R1000R、BS)はクラス1位を確保し、総合でも7位につけた。
レーススタート〜序盤:雨の8耐、多発するアクシデント
雨は降ってはいないものの、水しぶきが上がる程度には路面が濡れているコンディションでのスタートとなった2026年の鈴鹿8耐。ライダーがマシンに駆け寄る恒例のル・マン式スタートで開幕すると、ポールポジションの30号車Honda HRCが発進にやや手間取り、12号車Yoshimura SERT Motul、76号車AutoRace Ube Racing Teamを追って1コーナーへ。オープニングラップは76号車が制し、30号車、17号車Astemo Pro Honda SI Racing、そして21号車が続いた。
最初の数周は76号車と30号車が先行し、この2台のラップタイムが2分17〜18秒台で他より頭1つ抜けている形。5番グリッドから一時3番手まで順位を上げていた21号車は7番手まで後退した。
11周目で30号車がトップに立つも、路面コンディションが悪化したためか全体的にペースは抑え目。そんななか37号車BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAMが順調にタイムを上げて3番手まで追い上げる。
スタートから30分余り経過したところで、4番手を走行中だった17号車が転倒。路面清掃などのためセーフティーカーが導入されると、その前後のタイミングで上位が入れ替わり、76号車が再び先頭に立った。
セーフティーカーが解除されるまで30分以上と長引いたこともあり、上位陣の初回ピットインは27周目、1時間45分経過した頃。トップを走っていた76号車のピットインが先行すると、それを見届けた30号車の高橋巧選手は雨脚が強まるなかいきなりペースを上げ、ここまでのチームベストラップを更新してから次のジョナサン・レイ選手にバトンタッチした。
これによって30号車は76号車の前でコースに復帰でき、トップを維持したまま第2スティントへ突入。3番手を走行していた37号車は2番手へ、21号車もじわじわ順位を上げて3番手へ。
しかしその直後にこの日2回目のセーフティーカー。今度は解除まで40分近くかかり、路面コンディションも悪化の一途。レースが再開してすぐに21号車が2番手へとポジションアップするも、それよりハイペースな30号車が徐々に差を広げていく展開に。
中盤〜終盤:20秒差まで迫るも、またしてもセーフティーカーで勝敗が決定的に
全チームが2回以上のピットストップを終えてレーススタートから3時間経過。トップは30号車で、そこから30秒弱遅れて76号車、21号車と、国内チームが上位を占める。
とはいえ、続く4番手に1号車YART Yamaha Official EWC Team、5番手に37号車と海外勢も強さを見せており、さらには6番手にEXPERIMENTALクラスの0号車がつけ、サステナブル素材を用いたマシンのポテンシャルの高さを証明する形となっていた。
レース中盤になると雨は小康状態となり、順位変動も落ち着いてきた。そんななかで気を吐いていたのが、2番手76号車の浦本選手。トップの30号車高橋選手との差を急速に縮め、30秒差から一時は10秒差にまで迫った。
ところが3番手にいた21号車も、ジャック・ミラー選手に交代してから他チームより1〜2秒速いラップタイムで猛追。前にいた76号車をあっという間にパスして2番手へ躍り出ると、さらに30秒以上先にいる30号車を追う。
それでも、安定してラップを刻む30号車を追い詰めるには至らず。20秒前後のリードを保ちながらレースは終盤へ。時折雨が強くなる相変わらずの悪天候で、日没時刻よりも早いタイミングでのナイトセッションとなった。
ここまで粘り強い走りで表彰台圏内を捉えていた76号車AutoRace Ube Racing Teamだったが、残り1時間30分あたりからやや失速し、同じBMWを駆るファクトリーチームの37号車にかわされポジションダウン。さらにラストスティント前のピット作業時の違反により10秒のピットストップペナルティが課され、表彰台が遠のいた。
一方、30号車は2番手の21号車とは20秒弱のアドバンテージを作っていたものの、1ミスで逆転もありうるなかで残り35分、3回目のセーフティーカーが導入され、30号車と21号車の間にセーフティーカーが割り込む形に。
鈴鹿8耐では同時に2台のセーフティーカーが手分けして、離れた距離で1グループずつ先導する。そのため、20秒弱だった差は一気に5倍の1分40秒にまで拡大してしまい、ここで勝負あり。結局、全車セーフティーカーに先導されたままチェッカーを受け、30号車Honda HRCが5連覇を果たした。
決勝レース後記者会見での各ライダーのコメント
30号車Honda HRC
高橋巧選手:中須賀さんが引退発表をしていたので、勝ち逃げされなくてよかったです。それを1つの目標にして戦ったし、強いライダーの一人だったので、絶対に勝ち逃げだけはされたくなかった。
この(ウェット)コンディションでチャントラ選手が走れなかったのが残念なんですけど、チーム員として一緒にいてくれたから自分たちの力も発揮できたと思います。世界チャンピオンを何度も取っているジョナサンは僕より全然ウェットが速かったし、安定して走ってくれました。
そして、チームスタッフもミスなくいいバイクを作ってくれたのでこの結果があると思っています。何を言えばいいか分からないですけど、とりあえず5連覇できてよかったです。
ジョナサン・レイ選手:HRCとホンダにこの機会を与えてくれたことにとても感謝しています。ここ数シーズンはメンタル的に厳しかったところもあり、バイクでライバルを抜いて走ることがどんなことか忘れていました。私がまだ速いということを思い出させてくれて本当にありがとう、と言いたいです。
ソムキアット・チャントラ選手:今日走れなかったのは残念ですが、Honda HRCのチームにいられることが嬉しかったです。初日にここへ来たとき、ジョニー(ジョナサン・レイ選手)やタクミが緊張している僕を落ち着かせて、平常心を保てるようにたくさん助けてくれましたし、(プラクティスや予選では)ラップタイムもどんどん良くなってきました。チームが優勝したことは本当によかったと思いますし、来年もまたここに来られることを願っています。
21号車YAMAHA FACTORY RACING TEAM
中須賀克行選手:今年もチーム一丸となってトップを狙っていたんですけども、本当にHonda HRCさんが強くて、まずは優勝おめでとうと言いたい。自分らは昨年と同じメンバーで挑みましたが、今回ロカ(アンドレア・ロカテッリ)選手にもジャック(・ミラー)選手にも我慢させるような場面がいろいろあったにもかかわらず、この2人は自分を本当にリスペクトしてくれて、自分自身に走る勇気を与えてくれました。
2人に支えてもらいながら自分のセッションを戦って、ベストは尽くしました。惜しくも2位ということで悔しい思いでいっぱいですけれども、次またチャレンジできる機会があればチャレンジしたいなと思います。鈴鹿8耐は今年でおそらく最後になると思うんですが、まだまだ全日本もあるので、そちらでしっかりいい結果を出せるように頑張っていきたいと思います。
アンドレア・ロカテッリ選手:大変なレースでした。昨年は猛暑の中でのレースでしたが、今年は完全に雨。見ている分には楽しいですが、毎周回を乗り切るのも決して簡単ではありませんでした。ペースが遅いライダーもいましたし、コース上にはオイルが漏れていました。
レースはいつも複雑ですが、ドライコンディションならもう少し予測が立ったりするものです。でも、最終的には僕たちは素晴らしい仕事をしたと思いますし、レースディレクターも本当に良い仕事をしたと思います。(終盤で)セーフティカーが出たときには驚きましたが、コースコンディションは本当に厳しく、危険な状態でした。転倒もありましたし、セーフティカーを出すのは正しい判断だったと思います。
それに、自分自身暗闇の中でバイクを走らせた経験がなかったので、そのうえでの雨天走行は快適でも簡単でもありませんでした。でも、とにかくここでまた2位でフィニッシュできました。ヤマハのライダーとしてここにいられることが本当に嬉しいです。
37号車BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM
マイケル・ファン・デル・マーク選手:最後のスティントはセーフティカーの後ろに長い間留まっていたため、正直なところ少し退屈でした。でも、その前のスティントではダブルスティントをこなして本当に楽しめました。バイクを操るのが楽しかったし、コースコンディションもかなり変化していた。変わりやすい状況の中でも僕らは速くて、表彰台を争えたのは良かったと思います。
終盤、レースディレクターがセーフティカーを入れるという正しい判断を下しました。すでに数周前からかなり走りづらい状況でしたし、雨があまりにも強かったので、僕はセーフティカーが出るのを待っていたほどです。レースの見どころが減ったかもしれないという点では残念ですが、安全第一ですよね。
BMWチームのみんなと共に表彰台に立てたことはとても嬉しいです。私たちは冬の間ずっと懸命に仕事してきましたが、ついにその成果が実ったと言えます。3人全員が非常に速い走りを見せていましたし、(この結果は)チーム全体にとっても、BMWにとっても素晴らしい贈り物となりました。
決勝レース暫定結果
順位:チーム(選手、車両、タイヤ)
1:30号車Honda HRC(高橋巧/ジョナサン・レイ/ソムキアット・チャントラ、CBR1000RR-R SP、BS)
2:21号車YAMAHA FACTORY RACING TEAM(中須賀克行/ジャック・ミラー/アンドレア・ロカテッリ、YZF-R1、BS)
3:37号車BMW MOTORRAD WORLD ENDURANCE TEAM(マーカス・ライターバーガー/スティーブン・オデンダール/マイケル・ファン・デル・マーク、M1000RR、BS)
4:1号車YART Yamaha Official EWC Team(カレル・ハニカ/マービン・フリッツ/レアンドロ・メルカド、YZF - R1、BS)
5:76号車AutoRace Ube Racing Team(浦本修充/シルバン・ギュントーリ/ハンネス・スーマー、M 1000 RR、BS)
6:12号車Yoshimura SERT Motul(グレッグ・ブラック/ダン・リンフット/渥美心、GSX-R1000R、BS)
7:0号車Team SUZUKI CN CHALLENGE(津田拓也/水野涼/エティエンヌ・マッソン、GSX-R1000R、BS)
8:73号車SDG Team HARC-PRO. Honda(國井勇輝/名越哲平/阿部恵斗、CBR1000RR-R、BS)
9:88号車Honda Asia-Dream Racing with Astemo(ナカリン・アティラットプワパット/カイルール・イダム・パウィ/アデナンタ・プタラ、CBR1000RR-R、BS)
10:40号車Team ATJ with NTT docomo Business(岩田悟/鈴木光来/國峰啄磨、CBR1000RR-R SP、BS)






















