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ボルボ、新型バッテリEV「ES90」「EX90」発表会 最上級のラグジュアリーと安心安全を詰め込んだフラグシップモデル

2026年7月8日 実施
新型ES90とボルボ・カー・ジャパン株式会社 代表取締役社長 エドソン・イシカワ氏(左)、ボルボ・カーズ セーフティセンター シニア・テクニカル・スペシャリストのロッタ・ヤコブソン氏(右)

ユーザーの使い方とニーズに合った選択肢を用意

 ボルボ・カー・ジャパンは7月8日、BEV(バッテリ電気自動車)の新型フラグシップクロスオーバー「ES90」と、3列7人乗りBEVの新型フラグシップSUV「EX90」のプレス発表会を、東京・青山にある「Volvo Studio Tokyo」にて実施した。

 2026年1月1日にボルボ・カー・ジャパンの代表取締役社長に就任したエドソン・イシカワ氏は、「私はブラジルのサンパウロで日本人の両親のもとに生まれました。そのため、日本は私にとってとても身近で大切な国です。ブラジルでボルボのキャリアを始め、その後スウェーデンやポルトガルなど、複数の市場でマネジメントポジションを務めてきました。そして現在、日本でボルボを率いることを大変誇りに思っております」とあいさつ。

ボルボ・カー・ジャパン株式会社 代表取締役社長 エドソン・イシカワ氏

 続けて、「今回発表する2台は、エレガントで表情豊かなフラグシップクロスオーバーの新型ES90と、フラグシップ7人乗りSUVの新型EX90です。それぞれに異なる個性と目的がありますが、いずれもBEVであるという重要な共通点もあります。また、2026年上半期に日本で販売したボルボ車の23.5%、すなわち5台に1台以上はBEVだとご存じでしょうか? これはボルボが日本のプレミアムブランドの中でも、電動化で成功していることを示しています。とはいえ、私たちはすべてのユーザーが今すぐBEVに移行する必要があるとは考えていません」と日本でのBEV販売の実績を紹介。

2026年の上半期は5台に1台以上がBEVというボルボ

 この現状についてイシカワ社長は、「あるユーザーにとっては、すでにBEVが最適な選択肢かもしれませんが、一方でPHEV(プラグインハイブリッド)が最適なユーザーもいます。また、日本のような市場では多くのユーザーが、高効率マイルドハイブリッドを実用的な選択肢だと考える人も多くいるのも事実です。ボルボにとって大切なのは、ユーザーの使い方とニーズに合った選択肢を用意することです。最初にお伝えしたとおり、ES90とEX90は異なるモデルですが、BEVを検討するユーザーが重要視する“航続距離と充電性能”については、両モデルともに“次世代800Vアーキテクチャ”を採用していることで、現在の充電環境に対応しながらも、将来の高出力充電に備えられます」と新型の優位性を説明した。

800Vアーキテクチャを採用し、満充電時の航続走行距離は650~720kmを誇る

 加えて、「そしてもう1つ重要なのが価格です。プレミアムBEVは同じクラスのPHEVより高額でしたが、ボルボはこの状況を変えたいと考え、ES90は979万円からとしました。この価格はボルボのフラグシップセダンS90のPHEVと同じくらいです。これで価格差を感じることなく、ボルボのフラグシップBEVを選んでいただけます。EX90も同様に1199万円からと、多くのユーザーに選ばれているXC90 PHEVと同等の価格帯となっています。このメッセージはシンプルで、“BEVを自然な感覚で選んでほしい”ということです。BEVは難しいものでも、高すぎるものでもなく、選びやすい選択肢にしたいのです」と、BEVに対するユーザーの固定概念を打ち破るための価格設定にしたと明かした。

ES90の価格は979万円~1229万円
EX90の価格は1199万円~1399万円
従来モデルとの価格の比較

 さらに、ES90とEX90を新規で購入するユーザーに対して、5年の充電サポートを含む充実したオーナーシップパッケージを用意していることを紹介。イシカワ社長は、「ボルボの目標は車両を販売するだけではなく、購入から充電、そして日々のカーライフまで、ユーザーのBEVライフ全体を支えることです」と締めくくった。

BEVを自然な感覚で選んでほしいとイシカワ社長

最新プラットフォームを採用したフラグシップモデルが日本上陸

 今回のフラグシップの2モデル導入について、ボルボ・カー・ジャパン プロダクト・マネージャーの畑山真一郎氏は、「より安全に、より快適に、より直感的に、より便利に、そして環境への配慮を両立した、まさにボルボのこだわりに根ざした新商品といえます。また、新たな魅力を叶える技術的な要素は、2世代目へと進化したSPA2プラットフォームにより快適性と走行性能を大幅に改善したほか、800Vアーキテクチャによりパワートレーンの効率も改善しました。リサイクルマテリアルも30t超と小型SUVのEX40よりもCO2排出量が少ないのも特徴です」。

ボルボ・カー・ジャパン株式会社 プロダクト・マネージャー 畑山真一郎氏

「コンピューターも、これまでは100個くらい積んでいて、それぞれが担当機能を制御していたのですが、新しい“Hugin Core(フギンコア)コンピューター”は、それらを1つに集約して制御しています。このフギンとは、北欧神話の最高神オーディンに仕え、知性や情報収集を司る鳥の名前で、今回のECUにふさわしいと名付けられています。ちなみにコンピューター自体は、1秒間に最大254兆回の演算が可能なNVIDIA DRIVE Orinを採用し、将来にわたりソフトウェアで車両の機能を改善・進化できる仕様となっていて、SDVの基盤となるようなコンピューターを搭載しています。またドライバーモニタリング用の赤外線カメラなどセンサー類も一新され、プラットフォームからセンサーまで、何から何までが新しいモデルだとご理解ください」とすべてが新しくなっている点を強調した。

ES90とEX90に使用しているプラットフォーム
フロントアクスルドライブ
リアアクスルドライブ

 新たなプラットフォームは約3mのロングホイールベースで、軽量なアルミ製フロント&リアアクスルを採用。振動を低減する新設計のブッシュやリアコイルスプリングも導入したほか、FSD(Frequency Selective Damping:周波数感応式ダンパー)とデュアルチャンバー式エアサスペンションを採用したことで、乗り心地を大幅に向上させている。

新たなプラットフォームのホイールベースは約3mを誇る。バッテリは急速充電であれば10%から80%まで22分で完了する

 加えてピラー内部に発泡充填剤を入れて透過音を防いだり、すべてのウィンドウを合わせガラスにしたりなど、騒音対策を徹底。さらに、車内でのコミュニケーションをより取りやすくするためにマイクを内蔵しており、1列目シートでも3列目シートの声がしっかり聞こえるといった工夫を凝らしている。

 続けて、「フロントまわりのデザインも、カメラやセンサーなどがあまり目立たない独自のデザイン言語“フラッシュサーフェス・デザイン”を導入しています。よりシンプルで美しく見えるトールハンマー型ヘッドライトも実は新しい試みがあり、上下にパカッと開いて奥からヘッドライトが出てくるというギミックも採用しています。光源は130万画素を持ち、光のパターンは交通状況に応じてほぼ無限に調整できる高い柔軟性を備えています」と新機能も紹介した。

【ボルボ】3列7人乗りBEVのフラグシップSUV新型「EX90」ヘッドライトギミック(34秒)

 インテリアにはサステナブル素材を多用しているほか、ウッドパネルに使用する木材に関しても、森林管理協議会の認証を取った材料を使用しています。また照明類はブルーライトを抑え、太陽光に近い自然な光スペクトルのLEDを採用し、目の疲れを低減します。さらに花粉やウイルスを97%以上除去するエアクリーナーは、国際的認証機関ASL(Allergy Standards Limited)による認証を受けている。

ES90のダッシュボードやセンターコンソールに採用されているウッドパネル

 サウンドシステムは今回から、3次元の音響を作り出せるドルビーアトモスに対応。また、1931年にイギリスのEMIによってロンドンに開設された伝説的な録音スタジオ「アビーロードスタジオ」の名を冠したモードも追加されている。また、早期から採用しているGoogleインフォテイメントも、クアルコムが開発する高性能プロセッサであるスナップドラゴンを採用し、音声認識も映像生成も極めて速やかに行なえ、ストレスを感じないこだわりとなっている。さらに年内にはAI機能Google Geminiも日本語対応する予定で、さらなるドライビングエクスペリエンスをもたらすとしている。そのほか、この2モデルから物理的な鍵を廃止し、すべてスマホのアプリによる管理とした。

新型クロスオーバーモデル「ES90」

 新型ES90は、従来のカテゴリーには収まらないラグジュアリークロスオーバーモデルで、圧倒的な静粛性と快適な乗り心地、力強い加速性能を誇る。また、洗練された北欧デザインと175mm~195mmに高められた地上高による機動性、5ドアハッチバックスタイルによる多用途性を実現した。

 室内はラグジュアリーでゆとりのある空間で、静寂に包まれたキャビンが別格の心地よさと上質で快適な移動体験を両立。後席は40:20:40の分割可倒シートを採用し、ラゲッジスペースの実用性も高めている。

展示車両は「ES90 Ultra Twin Motor Performance」で、ボディサイズは5000×1940×1545mm(全長×全幅×全高)
ホイールベースは3100mm。車両重量は2560kg。最小回転半径は5.9m
タイヤはピレリのBEV用「Pゼロ E」で、サイズはフロント255/40R22、リア285/35R22
新型ES90のインテリア
後席
前席
フロントトランク
ラゲッジスペース
エレクトロクロミック機能付きパノラマガラスルーフ
ES90プライスリスト

新型フラグシップSUVモデル「EX90」

 EX90は、ES90と同じプラットフォームを使用することで、圧倒的な静粛性と快適な乗り心地を両立。居住性と使い勝手に優れた3列7人乗りシートレイアウトを採用し、安全性能も進化させ、モダンな北欧デザインに仕上げられている。

 最大7人が快適に座れる人間工学設計のシートを備え、シアタースタイル配置により、全席で良好な視界を確保。3列目は身長170cmまでの2人が快適に座れ、後部からの衝突に対する安全性も確保している。不要な際はボタン1つで3列目シートを格納でき、多用途性と利便性を両立している。

展示車両は「EX90 Ultra Twin Motor Performance」で、ボディサイズは5035×1965×1740mm(全長×全幅×全高)。
ホイールベースは3100mm。車両重量は3095kg。最小回転半径は5.9m
ウインカーは下方に配置されている
C字型のテールランプ
タイヤはピレリの「スコーピオン エレクト」でサイズはフロントが265/40R22、リアが295/35R22
新型EX90のインテリア
コクピット
1列目シート
3列目シート
2列目シート
ラゲッジスペース。3列目はボタン1つで格納できる
フロントトランク
エレクトロクロミック機能付きパノラマガラスルーフ
EX90プライスリスト

ボルボの「セーフティ」を訪日したヤコブソン博士が解説

 発表会では、スウェーデンのイェーテボリにあるボルボ・カーズ・セーフティ・センターで、世界初となる複数の安全技術や安全研究および評価を行なうなど、37年にわたり車両安全開発に携わってきたというロッタ・ヤコブソン博士が登壇。ボルボにとって最も大切な価値「セーフティ」についての解説が行なわれた。

ボルボ・カーズ、ボルボ・カーズ・セーフティセンター シニア・テクニカル・スペシャリスト(Injury Prevention)、チャルマース工科大学客員教授/博士を務めるロッタ・ヤコブソン氏。これまでに安全研究に関する論文を140本以上発表している安全のスペシャリスト

 ヤコブソン博士によると、ボルボは99年前の創業当時から、「設計の基本は常に安全でなければいけない」という考え方があり、それは現在も変わらずベースにあるという。また、創業当時の安全とは、車両が安全に走行できることを意味していたが、その後、安全の定義は進化しており、衝突時の人命保護、さらには衝突回避や被害軽減を支援する、より高度な対策へと発達してきたとのこと。

3点式シートベルトを開発したニルス・ボーリン氏

 自動車の安全に関する大きな転機となったのが、今でも使用している「3点式シートベルト」だ。実は1950年代にはすでにシートベルトは存在していたが、骨盤もしくは上半身のいずれかを拘束するだけの2点式シートベルトが主流だった。そこでボルボのニルス・ボーリン氏は、「使ってもらえなければ何の助けにもならないので、片手で装着できる使いやすいベルト」という基本コンセプトを定めたうえで開発に着手。そして、1959年に乗員の上半身と下半身をそれぞれ1本のベルトで支えつつ、2つのベルトを身体の最も強い“胸骨と骨盤”で拘束する3点式シートベルトの開発に成功。65年以上経った今もニルス・ボーリン氏の原則は有効であり、今もなおシートベルトは最も重要な安全システムとなっている。

 また、ボルボは1970年からボルボ車で起きた事故をすべてデータ化して、統計的な事故データの収集に加え、特定の事故については詳細な調査までを独自に行なう「ボルボ・カーズ交通事故調査センター」を開設しており、専任チームが24時間365日対応している。

1970年からボルボ・カーズ交通事故調査センターを開設して常に安全向上を目指している

 ヤコブソン博士は「新型ES90とEX90は、ドライバーサポートにもさらに重点を置き、今回新たに2つのシステムを追加しています。1つは運転中のドライバーをより適切に支援する、ドライバー・アンダースタンディング・システムです。これは即時に回復ができないドライバーの状態、つまり睡眠不足や、その影響でドライバーの運転能力が低下している場合、あるいは突発的な体調不良が起きた場合にシステムが検知して、警告を発し、必要に応じて車両を安全に停止させるなど、適切なリスクを低減する策を講じます」と説明。

ドライバー・アンダースタンディング・システム概要

 続けて、「もう1つ、運転後にドライバーが意図せず大切な人やペットを車内に置き去りにしてしまうことを防ぐためのオキュパント・センシング(乗員検知システム)も採用しています。毎年、多くの子供たちが高温になった車内で熱中症により命を落としています。データによると、原因の多くはドライバーが車内に乗員がいることを忘れてしまうことです。このシステムは、子供の呼吸などサブミリメートル(1mm未満)のわずかな動きまで検知し、ドライバーが車両をロックしようとしたときに、システムがドライバーに注意を促してくれます」と高い精度を有し、いかに2台の新型モデルが安全であるかを説明した。

車内の置き去り防止機能を搭載

俳優の坂口憲二さんが、ひと足先に新型EX90に試乗

 最後にボルボ・カー・ジャパン マーケティング&PRヘッド 京谷麻矢氏は、「普段PHEVに乗っている坂口さんがBEVに乗った際の素のリアクションをお楽しみください」と、普段「XC90」のアンバサダーを務め、自身も「XC90 PHEV」で年間2万km以上も走っているという俳優の坂口憲二さんが、ひと足先に新型EX90に試乗した様子を撮影した動画を公開した。

KENJI SAKAGUCHI MEETS NEW EX90(3分)

 また京谷氏は、「この2台は単なる新型モデルではありません。今後のボルボを象徴する大切なフラグシップです。われわれの大切な価値がたくさん集まっています。私たちボルボは人を中心に考えるブランドです。この北欧生まれのES90とEX90を通じて、本質的でシンプルかつ美しいデザインと、最先端の技術はもちろん、所有することで感じる安心感を、これからもお届けし続けます」と発表会を締めくくった。

ボルボ・カー・ジャパン株式会社 マーケティング&PRヘッド 京谷麻矢氏
新型EX90とボルボ・カーズ セーフティセンター シニア・テクニカル・スペシャリストのロッタ・ヤコブソン氏(左)、ボルボ・カー・ジャパン株式会社 代表取締役社長 エドソン・イシカワ氏(右)