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ダイハツの2代目「コペン」生産終了 最後ではなく「コペンの歩みを進める日」と井上雅宏社長

大阪・池田のコペンファクトリーでセレモニー開催

2026年8月31日 実施
コペンファイナルセレモニー「OPEN FUTURE DAY」で最終生産車両の「コペン」を見送る参加者

48名のコペンオーナーがコペンの最終生産車両をお見送り

 ダイハツ工業が2002年6月19日に発売した軽自動車のオープン2シーター「コペン」。2012年まで初代モデルが生産され、2年の間を空けた2014年6月19日に、2代目コペンが誕生した。「クルマって楽しい」をコンセプトにした2代目は、骨格のみで高いボディ剛性を確保する「D-Frame」や、外板デザインを変更できる内外装着脱構造「DRESS-FORMATION」を採用するなど、個性を強めたモデルとなった。

 その2代目コペンが8月31日に生産終了を迎え、同日に大阪府池田市のコペン専用の生産拠点となる「コペンファクトリー」で、コペンファイナルセレモニー「OPEN FUTURE DAY」が開かれた。セレモニーには事前に応募のあった855名のうち、抽選で選ばれた48名のコペンオーナーが参加し、コペンの最終生産車の旅立ちを見送った。

8月31日で役目を終えたコペンファクトリー
コペンファクトリー入り口に並べられた2台のコペン
コペンファクトリー職員やファンからの寄せ書きをまとい、K4GPに参戦した「コペン愛号」
コペンオーナーやファンの思いがつづられた「5周年記念サインカー」

 セレモニーでは、組み立て工程のデモンストレーションや、8月26日に生産された最後の1台による出荷前検査の一部再現が行なわれたほか、コペンの生産終了日を前にしたコペンファクトリー職員を追ったムービーも放映された。

コペンファクトリー内の壁にはDRESS-FORMATIONのパーツが飾られていた
Dフレームに外板を取り付けるデモンストレーション。この時点でエンジンやトランスミッションなどはすでにD-Frameに取り付けられているため、タイヤを装着すれば外板が付いていない状態でも走れるという
作業が変わる目印になるのだろうか。コペンのミニカーが置かれていた
電動ルーフのアクティブトップがきちんと開閉できるかどうかの確認スイッチもコペン
コペンの生産終了日前に撮影されたコペンファクトリーのムービーもお披露目された
コペンの最終生産車両の完成検査が一部再現され、参加者全員でその旅立ちまでを見守った

 セレモニーではダイハツ工業 代表取締役社長 井上雅宏氏があいさつを行ない、LA400K型コペンの累計販売台数は約5万7000台であり、多くの人に支えてもらったモデルであると紹介するとともに、自身もコペンのオーナーであり、ドライブを楽しんでいると話した。

ダイハツ工業株式会社 代表取締役社長 井上雅宏氏

 また、「私は今日を終わりの日だとは考えていません。むしろ、コペンの歩みを進める日だと考えています。私たちは、皆さまからの期待を真摯に受け止めながら、未来に向けたさまざまな可能性をこれからも追求してまいります。そして、再びワクワクしていただけるようなダイハツメイを実現できる日を目指し、挑戦を続けてまいります」と、コペンの今後について触れた。

 最後に、工場代表として北川宏工場長がメッセージを読み上げた。

ダイハツ工業株式会社 池田・京都工場 工場長 北川宏氏

「2014年より、多くのお客さまをお迎えし、ものづくりの現場を直接ご覧いただける場所として歩んできたコペンファクトリーも、しばらく静かな時間に入ることになります。毎日聞こえていた設備の音も、生産ラインを流れる車両の姿も、ひとまず見納めとなります」。

「寂しさがないと言えば嘘になります。しかし、私たちはこの場所が役目を終えるとは思っていません。ここは歴史を積み重ねてきた場所であると同時に、次の挑戦へ向かうための出発点でもあると考えています」。

「コペンは決して生産台数の多いクルマではありませんでしたが、1台1台に込める思いはとても大きなものでした。私たちは普段、お客さまと直接お会いする機会は多くありません。しかし、1台1台の先にはお客さまがいて、納車の日を楽しみに待つ方がいて、そのクルマとともに思い出をつくる方がいる。そんな姿を思い描きながら、多くのスタッフが汗を流し、愛を込めて、日々コペンをつくり続けてきました」。

「ご覧いただいておりますとおり、組み立てでは1本のボルトに思いを込め、検査では家族が乗るつもりで念入りに確認する。そうした積み重ねが、このコペンというクルマを支えてきたのだと思います」。

「本日出荷される最終生産車両には、長年コペンづくりに携わってきた現場の仲間たちの思いが詰まっています。ボデーをつくる人、塗装を仕上げる人、組み立てる人、品質を確認する人、それぞれが自分の役割に誇りを持ち、お客さまの期待に応えたいという思いを形にしながら、1人ひとりが誇りを持って向き合ってきました。そんなコペンに、私からひと言だけ伝えたいと思います」。

「コペンへ。多くのお客さまに運転する楽しさを届けてくれてありがとう。たくさんの仲間との出会いや、思い出をありがとう。そして、私たちに、ものづくりの喜びと誇りを与えてくれてありがとう」。

「本日をもって、コペンの生産は一区切りとなりますが、コペンとともに培ってきた技術や経験、そして情熱は、これからも私たちの中に生き続けます。最後になりますが、コペンを愛し、支え続けてくださっているすべてのオーナーの皆さまに、改めて心より感謝申し上げます。皆さまが大切に乗り続けてくださる限り、コペンの物語はこれからも続いていきます。そして、私たちもこのコペンファクトリーで培った思いを、未来へつないでまいります」。

コペンの最終生産車両と記念撮影
コペンオーナー、ダイハツ社員、コペンファクトリー職員がコペンの最終生産車両を見送った

オーナーにも生産者にも愛されるコペン

 8月31日までコペンファクトリーには165名が在籍しており、今後は池田工場周辺のものづくり部署や、池田工場内でさらなるものづくりに携わっていくという。その中で実際に生産の現場に携わっていた代表として、生産調達本部 本社(池田)・京都(大山崎)工場 池京製造部 山本光彦氏と、生産調達本部 本社(池田)・京都(大山崎)工場 池京製造部 池田組立課 職長 平戸靖二氏から話を聞くことができた。

ダイハツ工業株式会社 生産調達本部 本社(池田)・京都(大山崎)工場 池京製造部 山本光彦氏(左)と、同 生産調達本部 本社(池田)・京都(大山崎)工場 池京製造部 池田組立課 職長 平戸靖二氏(右)

 コペンの最終日を迎えたお二人の気持ちとしては「最後の1台まで心を込めてお届けするという使命を果たせたのではないかと思っています」(山本氏)、「無事に送り届けることができて一安心といいますか、ホッとしました」(平戸氏)とのこと。

 また、これまでコペンの生産に関わってきて印象に残っている出来事としては、コペンファクトリーは来場者が製造過程をすぐ横で見学できるという環境だったことから、「私、コペンを買います」という宣言や、「目の前で組み付けをしているのを見ると欲しくなります」という話を、顔を見て直接できることがコペンファクトリーの特徴であり、印象的なことでもあったという。後日、実際にコペンを購入したという話を聞くこともあったそうで、コペンの持つ素晴らしさを実感したとのことだった。

 山本氏は「お客さまには1日でも長く大切に乗っていただきたい」という気持ちがあるといい、「街中で見かけたときは目で追いかけてしまい、できることなら『これ(コペン)をつくったのは私たちなんですよ』とひと言お声かけしたくなる」と、コペンに対して愛着を持っていると話し、「実際に乗られている方は皆さま100%笑顔で乗っていただいている」とうれしそうに話していた。

「コペンファクトリーはお客さまとの距離が非常に近く、見学に来た方と直接対話したり、車両について会話を交わしたりできた」と話した山本氏

 平戸氏は街中で見かける機会が多いといい、「見かけるたびにうれしいと感じます」と満面の笑みで話し、家族と出かけているときには「あのクルマ(コペン)はうちの工場でつくっているんだよ」と欠かさず伝えているほど、コペンは思い入れの強いモデルであると話していた。

「コペンはほかの量産車とは関わり方の深さが大きく異なり、作業に関して新たに覚えなければならないことが増え、勉強しながら学んできたため、思い入れが深い」と話した平戸氏

 なお、コペンの生産終了にあわせて、ダイハツ本社に隣接する史料展示館「ヒューモビリティワールド」2階では、2026年9月1日~2027年3月の予定で「コペン展」が開催されている。

 コペン展では、コペンファクトリー特別仕様のコペンを展示。このコペンには乗り込みも可能で、シートに座っての記念撮影もできる。さらに、コペンの歴史を振り返るとともに、開発の裏話やコペンファクトリーで実際に使われていたつなぎなども展示される。

ヒューモビリティワールドでは企画展として「コペン展」が開催されている
コペンファクトリー特別仕様のコペンを展示
コペンファクトリーで使われていたつなぎなどのほか、これまでに登場したコペンのミニカーやオリジナルグッズ、パンフレットなどの貴重なアイテムも展示されている
コペンへのメッセージを募集しており、書いたメッセージは壁面にくくりつけられる

 そのほか、フォトスポットなども用意されており、ハッシュタグを付けてコペン展の様子をSNSに投稿すると、オリジナルのめじるしキーホルダーがプレゼントされる。

自分が「C」になることで「copen」の文字が完成するフォトスポット。多くの人がノリノリで撮影していた
記念撮影は、コペンの横でもよし、乗ってもよし
ハッシュタグを付けてSNSに写真を投稿すると、オリジナルのめじるしキーホルダー(絵柄はランダム)がプレゼントされる

 ヒューモビリティワールドの入場料は無料となるが、月~金は小学校の社会見学枠となり、一般見学ができるのは土曜日のみ(事前予約不要)なので、訪問の際は注意していただきたい。

コペンの未来は……

 2025年に開催された「ジャパンモビリティショー」で、軽自動車規格のオープン2シーターコンセプトモデル「K-OPEN」が公開された。つづりが違うものの、「コペン」とも読めるそのコンセプトモデルは、「歴代コペンがつくってきた道を、これからも爽快に駆け抜ける。小さいからこそ人とクルマが1つになれる。次のコペンのハツメイです」という説明のとおり、今後のコペンの未来を示すモデルになるのだろう。

 井上社長の「今日を終わりの日だとは考えていません」という言葉を信じて、またワクワクできる新たなコペンと会える日を心待ちにしたいと思う。

また会う日まで!