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ブリヂストン、2026年の技能グランプリ/ソリューションエンジニアコンテスト全国大会開催 高止まり傾向にある大型車の車輪脱落事故を減らす取り組みを見学

2026年9月9日 開催
「第16回技能グランプリ全国大会」「第4回ソリューションエンジニアコンテスト全国大会」が北九州国際会議場および北九州メッセで行なわれた

タイヤメンテナンス作業スキルやユーザーへのアドバイス力を実作業形式で競う

 ブリヂストンのグループ会社であるブリヂストンタイヤソリューションジャパンは9月9日、北九州国際会議場および北九州メッセ(福岡県北九州市小倉北区)においてタイヤメンテナンス技能の競技会「第16回技能グランプリ全国大会」と、輸送事業者へのソリューションビジネス提案・営業力の競技会「第4回ソリューションエンジニアコンテスト全国大会」を開催した。

「技能グランプリ」が開かれることとなったきっかけは、2000年前半に大型車両の車輪脱落事故が発生したことにある。これを受け、大型車両のホイールナット締付トルク管理が義務化(2007年4月1日施行)され、それまでのインパクトレンチでのホイールナット締付から車両ごとに異なる規定トルク値をもとに正確に締め付けられるトルクセッターの使用が必要になった。また、自動車認証規格の国際標準化が進み、2010年生産車から大型車全車のホイール方式がJIS方式からISO方式に変更され、製品仕様と作業手順の違いの周知が必要となった。この2点を浸透させ、車輪脱落を防ぐことを目指して開催するに至っている。

 ただ、車輪脱落事故は2024年度も120件発生しており、過去10年間でもっとも発生件数が多かった2023年度の142件から減少しているものの、依然として高止まりの傾向にある。車輪脱落事故を防止し、輸送事業者の安全運行を確保するためには「適正なタイヤ交換作業」と「保守管理の徹底」の両面での対策が必要になっているのが現状だ。

車輪脱落事故の現状

 今回の「技能グランプリ」には全国のブリヂストングループおよび関連のトラック・バス用タイヤ販売店から377名が地区予選に出場。予選を勝ち抜いた代表選手40名が、全国大会でタイヤメンテナンスの作業スキルやユーザーへのアドバイス力を実作業形式で競った。

「技能グランプリ」では、高い技能を有するメンテナンススタッフを「技能エキスパート」に認定し、その中で技術および知識の観点から特に優れたスタッフを「技能マイスター」として認定している。今大会では新たに17名が技能エキスパートに認定され、うち8名が技能マイスターに認定された。2010年の第1回大会から本大会までの参加者は、のべ5500名以上となり、「技能エキスパート」「技能マイスター」の認定数は総勢156名まで増えたという。

 一方の「ソリューションエンジニアコンテスト」は、ソリューションビジネスの起点である販売現場における営業品質の向上と提案・商談スキル伝承による人財育成の強化を目的としたもの。市場環境の変化やユーザーの多様な課題を的確に捉え、最適な「Tire Solution」を提案・商談する力をロールプレイング形式で競い合った。

 2026年はブリヂストングループおよび関連のトラック・バス用タイヤ販売店のセールススタッフ362名が地区予選に出場し、全国大会では代表20名がソリューション提案・商談スキルを披露。最優秀1名、優秀者2名が表彰された。

表彰式のようす

車輪脱落事故を減らすには技能エキスパート・技能マイスターは欠かせない

ブリヂストンタイヤソリューションジャパン株式会社 生産財販売統括の末松聡氏

 両大会の開催に先立ち、会場ではブリヂストンタイヤソリューションジャパン 生産財販売統括の末松聡氏、技術サービス本部長の毛塚高通氏、生産財ソリューション販売本部長の松田武久氏が開催趣旨、事業上の位置付け、競技内容について説明した。

ブリヂストンタイヤソリューションジャパン株式会社 技術サービス本部長の毛塚高通氏は「技能グランプリ」について紹介
ブリヂストンタイヤソリューションジャパン株式会社 生産財ソリューション販売本部長の松田武久氏は「ソリューションエンジニアコンテスト」について紹介

 はじめに登壇した末松氏は、昨今の輸送業界を取り巻く環境が想像以上のスピードで変化しており、その課題は多様化しているとし、輸送の基盤である安全運航はこれまでも重要視されてきたものの、車輪脱落事故が大きな社会問題となる中、業界全体での対策が喫緊の課題となっているという。同時に地球規模でのカーボンニュートラルを目指す動きが加速する中で輸送事業者にとって、環境負荷低減は企業としての社会的責任となりつつあるとコメント。

 また、物流2024年問題への対応や、昨今の円安物価高、燃料費の高騰を背景に物品の購入コストが上がる中、持続的な企業経営を続けるためには経費削減を含めた総合的な経営マネジメントがかつてないほど必要になっていると指摘。こうした環境変化を前に、「当社としてはタイヤが路面に接し、安全を支える重要な車両保安部品であることを改めて認識し、その品質向上はもちろん、輸送事業者さまの多様化する課題を解決する、総合的かつ柔軟なソリューション提案を強化し、取り組んでまいります」と述べた。

輸送業界を取り巻く環境

 ブリヂストンでは品質レベルを向上するために、サービス、ビジネスモデル、人材育成の3点に注力しているといい、サービスではリトレッドサービスを中核に位置付けているという。リトレッドサービスはリトレッドを前提に耐久性の高い新品タイヤを開発し、拠点でのメンテナンス、使用後の回収、トレッド部の張り替え、最終的なリサイクルまでを組み合わせる仕組みとなっており、全国13のリサイクル工場を活用し、回収・製造・納品を一体化。リトレッドタイヤでは新品タイヤの3分の1に原材料使用量を抑えられ、CO2排出量の削減にも貢献できることから「環境価値と顧客価値の両立できる質の高いサービス」とアピールした。

リトレッドサービスについて

 もう1つ、パッケージプラン「TPP(トータルパッケージプラン)」についても紹介。TPPは顧客・車両別の状況を把握・分析し、商品とサービス、サービスネットワークを組み合わせて提供するプラン。定期確認、最適メンテナンス、タイヤ交換管理により、安全運行、タイヤ関連業務の軽減、経済的・効率的な管理を支援するものとなっており、末松氏は「タイヤ状況の定期的な確認、高品質かつ最適なメンテナンス、タイヤ交換マネジメントを行なうことで安全運行はもちろん、お客さまの煩雑なタイヤ関連業務を軽減し、経済的かつ効率的にタイヤマネジメントができる提案です。これにより、お客さまにはタイヤを安全により長く経済的にご使用いただくことが可能となっています」と説明するとともに、デジタルサービスをオプションとして設定し、月額定額のサブスクリプション型も提供していることも報告。この2つのビジネスを軸に「お客さまの課題解決に取り組んでまいります」とした。

パッケージプラン「TPP」は2つのプランが用意される
リトレッドサービス・TPPにおける販売本数、新規契約台数はともに着実に伸長

 こうしたビジネスを発展させていくには、営業スタッフであるソリューションエンジニア、現場でタイヤ交換などを行なうメンテナンススタッフの育成は欠かせない。「技能グランプリ」「ソリューションエンジニアコンテスト」は、顧客への提供価値を最大化させる活動を推進する役割を担っているのだ。

各競技の概要と目的

 今回、「技能グランプリ」は高速道路で右後輪内側のタイヤがパンクし、パーキングエリアで出張タイヤ交換を行なうという想定で実施された。修理不能のパンクタイヤをあらかじめ準備したタイヤ・ホイールへ交換し、ドライバーへの作業内容確認から作業報告書作成までを23分30秒で行なうルール。参加者40人の上位8人、または必須作業項目を満点とした人を対象に技能エキスパートに認定し、さらに技能エキスパートの中でも規定時間内で作業し、認定試験も規程点以上で通過するなどすべての条件をクリアした人は技能マイスターに認められる。

 冒頭にも書いたとおり、今回の「技能グランプリ」では新たに17名が技能エキスパートに、うち8名が技能マイスターに認定された。今なおなくならない車輪脱落事故を減らすには、豊富な知識・高い技術力を有する技能エキスパート・技能マイスターの存在は欠かせないと両大会を見学して感じた次第。

 技能エキスパート・技能マイスターが増えればそれだけ若いスタッフの習熟度も上がり、全体の底上げになるのは間違いない。単に技術力、営業力を競い合うだけではない、痛ましい事故を少しでも減らす取り組みが「技能グランプリ」であり、「ソリューションエンジニアコンテスト」なのである。

「技能グランプリ」では全国のブリヂストングループおよび関連のトラック・バス用タイヤ販売店から377名が地区予選に出場し、予選を勝ち抜いた代表選手40名が全国大会でタイヤメンテナンスの作業スキルや、ユーザーへのアドバイス力を実作業形式で競った
ソリューションビジネスの提案・営業力を競う「ソリューションエンジニアコンテスト」には、ブリヂストングループおよび関連のトラック・バス用タイヤ販売店のセールススタッフ362名が地区予選に出場。全国大会では代表20名がソリューション提案や商談スキルを披露し、最優秀1名、優秀者2名が表彰された