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自工会、交通事故死ゼロ社会実現のため自動運転の社会実装を推進 E2Eのレベル2++自動運転車の優良認定制度にも言及
2026年9月17日 18:02
「全ての人・物が安全安心に自由に移動できる自動運転社会」を打ち出した自工会
9月17日、自工会(日本自動車工業会)は定例会見を開催した。通常の会見では佐藤恒治会長を中心に、各社のトップである副会長が並ぶが、今回の会見では自動運転を前提とした交通システム確立のための自工会 自動運転プロジェクトチームが会長・副会長の前に登壇。現在、自工会の中で行なわれている自動運転に対する取り組みの説明を行なった。
登壇したのは自動運転プロジェクトチームの委員長 松山洋司氏、同 委員長 山本圭司氏、同 委員長 赤石永一氏、同 副委員長 皿田明弘氏の4名。山本圭司氏はITS Japanの会長でもあり、自工会とITS Japanが一緒になって自動運転の社会実装を行なっていくことについても触れられた。
赤石委員長は、自工会の目指す姿として「全ての人と物が安全安心に自由に移動できる自動運転社会」の実現だとし、より具体的な目標として、1つ目は「事故死ゼロ」、2つ目は「移動の自由」だと語る。
2025年は2547人が交通事故で亡くなっているが、これは1日単位に換算すると約7人。7人近くの方が、毎日亡くなっていることになる。赤石委員長は、「まずはこれをゼロにする」と語り、その上で高齢化や地域公共交通の縮小が進んでいる日本において、「移動の自由を維持、またより移動できる。こういった社会を確保することが非常に重要な課題だと認識しております」とした。
レベル2++自動運転車の優良認定制度について言及
自工会としてはロードマップを作成。共通課題として「インフラ技術の進化」「社会基盤整備」「市場浸透施策」を挙げる。この3つの共通課題を推進し、「日本型の自動運転社会を実現していくというのが我々の大きな目標になる」と言う。
そうした課題を解決することで、「その結果確立した仕組み、これをベースに国際標準化。こういった議論に対して我々日本の意見をまとめ、そこにつなげることによって、日本の国際競争力、これをしっかり維持・確保していくことを目指していきたい」と語り、自工会として自動運転社会に必要なことをグローバルに提案すると述べた。
市場では、日産自動車が2027年からのAIを使ったレベル2++のE2E(エンドツーエンド)型乗用車の発売を明言。トヨタ自動車も2028年のボリュームゾーンにおけるレベル2++のE2E型乗用車の市販を明らかにしている。
自工会では個社の話ではなく、自動車業界共通の課題を解決していくことが主題となるが、「事故死ゼロ・移動の自由の実現に必要な取り組み」として、競争領域と協調領域を整理したと言う。
個社で挑む競争領域としては、「AIを活用した車両の自律性能向上」を挙げ、ここについては前述のように各社が精力的に推進している。
協調領域としては、「インフラ協調による安全性向上・交通流円滑化」「社会基盤の整備」「技術の市場浸透⇒社会実装力の向上」を挙げ、ここに自工会として取り組んでいく。
また、推進体制としては自工会 自動運転プロジェクトチームに加え、内閣府や警察庁などの政府や行政、ITS JapanやJARIなどの関連組織と連携。これまでよりも密な形でレベル2++やレベル4自動運転の社会実装を進めていくとした。
今回の発表で画期的な点は、自工会の正式な資料でレベル2++自動運転車の普及を進めていくとしている点。レベル2++自動運転車は市場で普及しているレベル2自動運転車の拡張版であり、最終的な運転責任はドライバーにあるとされているが、SAEなどで正式に決まっているレベル2や3、4とは位置づけが異なり、通称レベルのものだ。
サプライヤーからテクニカルマーケティングタームとして登場することが多かった言葉で、人が責任を持つレベル2自動運転と、機械が責任を持つレベル3自動運転をつなぐものとして登場。当初は人(マーケッター)によって、レベル2.5や2.99とも言われていたが、近年ではハンズオフできるレベル2自動運転をレベル2+、AIなどを使ったE2E(エンドツーエンド)の自動運転をレベル2++と呼ぶことが多い。
何かで規定された正式な言葉ではないので、通称としては用いられるが、現時点では自動車のカタログにうたうことは難しく、自動車という完成品ではプロモーションを広く行なうことも日本では難しいだろう。しかしながら、海外では強く普及し始めており、インベスター向けのインナーイベントなどでは普通に使われている。
自工会の資料に登場したということは、レベル2++という言葉を使った正式なマーケティングができるようになる日も近いかもしれない。
また、自工会としては技術の市場浸透として、サポカーと同様に「L2++優良認定制度」も考えているとのこと。ただ、具体的に何をもってレベル2++となり、何をもってL2++優良認定制度対応となるかは現時点で決まっていないとのこと。
赤石委員長はレベル2++自動運転について、「一般的な認識は、高速道路・シティともにNOA(Navigation on Autopilot)という言葉がよく言われておりますが、ナビゲーションにセットするとクルマが基本的にはクルマの自律的な走行によって動く、ただ何かあったときの責任は最終的に運転手が持っている、この状態のシステムのことをL2++という言い方をしております。言葉がどうというよりも、やはりお客さまに使っていただく上で高速道路だけでなく、こういったシティのより複雑なところ、こういったところでクルマがかなり自律性を持って走れる、これがお客さまにとって大きなメリットであり、特に日本の社会ではシティの中にいろんな環境があるわけです。運転をちゅうちょされたり、運転が非常に難しいな・疲れるな、こういったことが事故に最終的につながるようなケースもあると思っておりますので、そういう意味でこのL2++という言葉は公称になっておりますが、こういった技術をいかに広めていけるかがやはり非常に重要な観点です。優良というのは、エコカーみたいな。クルマ自体のいろんな先進機能とか、こういったものの認定制度みたいなものがこうあったりするものの先に、何かやはり安全性みたいなものをある程度共通仕様で認められるようなものができてくるといいかなという考え方で、まだ確定したものではありません。そんなことも普及に向けてみなさまの認知を高めるために進めていければと考えております」と説明。かっちり決まったものはないものの、普及のためには大切な言葉だと捉えている。
日本は自動運転で遅れていると言われているが、レベル2の高度運転支援機能がこれほど普及している国は珍しい。軽自動車にも搭載されており、その恩恵を受けている人もすでに多いだろう。
要は打ち出し方がうまくない(簡単に言えば、かっちり決めたいがゆえに物事が進まず、結果としてチャンスを失っている)のだが、赤石委員長が冒頭に「自動運転社会に必要なことをグローバルに提案する」と述べたように、レベル2++自動運転に関しては、自工会のガイドラインを定め世界に提案していってほしい。同様なものとしては「画像表示装置ガイドライン」があり、これは日米欧で共同して運用されている。前例のないことではないので、レベル2++自動運転車について、同様な動きを期待したい。












