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ベントレー、ブランド初のバッテリEV新型「トルカル」発表 888PS/1350Nmで0-100km/h加速2.9秒を実現
2026年9月25日 13:57
- 2026年9月23日(現地時間)発表
ベントレーのDNAに根ざした大胆な新しいデザイン言語を導入
英ベントレーモーターズは9月23日(現地時間)、ブランド初となるBEV(バッテリ電気自動車)ラグジュアリーSUV「Torcal(トルカル)」を発表した。ラインアップは標準モデルと、スポーティな「S」の2グレード展開。
デザインディレクターのロビン・ペイジ氏は、ベントレーのDNAに根ざした大胆な新しいデザイン言語を導入していて、「ベントレーをデザインする際、私たちは人々がものをどのように自然に認識するかを考慮します。クルマを一度にすべて体験する訳ではありません。目に見えるものと理解するものには階層があり、それを4つのリード(見え方の順序)で説明します」とコメントしている。
第1のリードはプロポーション。トルカルのロングホイールベース、ショートオーバーハング、堂々としたフロントフェイスは力強いスタンスを生み出し、ベントレーのデザイン指針である「アップライト・エレガンス(堂々とした品格)」を体現。「エンドレス・ボンネット(どこまでも伸びやかに続くボンネット)」の原則と相まって、伸びやかな全長、圧倒的な存在感、そしてひと目で分かるベントレーの個性を強調した。
第2のリードは車両のグラフィック要素に着目し、特にフロントフェイスを通じてアイデンティティと表情を確立した点。「コンチネンタルT」をはじめとするベントレーの象徴的な名車の面影が、先進のライティング技術と特徴的なイルミネーテッド・ダイヤモンドグリルで再解釈。リアはクリーンで無駄のないグラフィックが、コンセプトカー「EXP 15」で初導入したデザイン原則「プレスティージアス・シールド(威厳ある盾)」を体現している。
第3のリードはサーフェス(面の表現)で、造形の美しさやボリューム感、そしてクルマの周囲を移動する中で光と影が魅せる豊かな表情を表現。トルカルでは無駄なラインを削ぎ落とし、面とプロポーションそのもので独自の世界観と個性を描き出した。
その特徴が最も象徴的に現れているのが、ボリュームのあるリアハッチ(リアフェンダーの張り出し)で、キャビン後方を絞り込むことでリアホイールまわりに躍動感を与え、デザインチームが「レスティング・ビースト(佇む野獣)」と呼ぶ、静かな造形の中に満ちる圧倒的なパワーと躍動感を描き出した。
第4のリードはディテールで、車両へ近づくにつれて、クラフツマンシップのさらなる奥深さを表現。ダイヤモンドパターンはトルカル全体を貫く一貫したデザインテーマとして取り入れられており、ある部分では鮮明な造形として、またある部分では立体的な面やテクスチャー、繊細な模様として表現されている。
ローンチ時には、5種類のホイールデザインをラインアップ。標準モデルには21インチホイール、Sモデルはツインスポークデザインの22インチホイールが標準装備される。さらに、空力性能を追求した3種類の専用デザイン22インチホイールがオプション選択可能で、タイヤは21インチ・22インチともにサマーおよびウインター用のトレッド/コンパウンドを用意するほか、22インチのオールシーズンタイヤもラインアップしている。
新開発素材やサステナブル素材を採用したインテリア
このデザインの哲学はインテリアにも生かされ、ダッシュボードはベントレーを象徴する「翼」をモチーフにデザインされ、シンメトリー(左右対称)が生み出す力強さと調和を表現。さらに、ダイナミックかつ洗練された面構成が、レザーやウール、ヴェニア、アルミニウムといった本物の素材が誇る質感を余すことなく引き立てている。
繊細なローレット加工を施したダイヤルや、新たな解釈を加えたブルズアイ(丸型)エアベントは、クラフツマンシップとテクノロジーの「魔法のような融合」というベントレーの伝統を象徴。センターコンソールやステアリングホイールには、あえて物理スイッチを残すことで、触れて操作する機能に心地よい触感と確かな操作感をもたらした。
シートは、完全な新設計で、さまざまなテクノロジーを搭載。標準シートには、16ウェイ調整機能、シートヒーター、ベンチレーション、調整式サイドボルスター、新開発のリラクゼーション機能を備えるほか、オプションとして、シート形状を常に微調整して体圧分散を細かく変化させるとともに、ヒーターとベンチレーションを自動制御してキャビン内の乗客の体温を最適な設定温度に保つことで、長距離移動時の快適性を飛躍的に高めてくれる「ポスチュラル・アジャスト(姿勢自動調整)」および「スマート・シート・クライメート」システムを設定している。
さらに、リラクゼーション範囲が背もたれ(スクワブ)から座面(クッション)にまで拡大し、背中や肩だけでなく脚部まで優しく解きほぐしてくれる「ウェルネス・シート・スペシフィケーション」機能も追加できる。なお、リアの3人乗りシートには、ベントレー初となる電動格納システムが導入されている。
ベントレーのカラー・マテリアルズ・アンド・フィニッシュチームは、18世紀から上質なウール生地を織り続けてきたフォックス・ブラザーズとの協業により、世界初となる100%メリノウールの自動車用ファブリックを開発。これまで自動車のインテリアに求められる耐久性を備えていなかったメリノウールを採用できるようにした。また、自動車用ウールファブリックとして初めて、レスポンシブル・ウール・スタンダード(RWS)の認証も取得している。
トルカルのために新開発した「オンブレ・ウォールナット・バイ・マリナー」は、持続可能な方法で調達されたウォールナットの端材とクラフト(再生)ペーパーを最大1000層にわたって一枚一枚厳選し、丁寧に圧着した後、1mm未満の厚さにスライスして仕上げた素材。深いブラックからダークスモーク、ライトスモークへと移ろう4つのウォールナットカラーが自然につながり、伝統的なクラフツマンシップを礎としながら、サステナブルな現代のラグジュアリーを印象的に表現したという。
もう1つ新たに登場するのが、かつてのベントレーに採用されていたエンジンターンド加工のアルミニウム製ダッシュボードを再解釈した「サンバースト・アルミニウム・バイ・マリナー」で、触れることで質感を感じられる精密な3方向のブラッシュパターンが施され、ベントレーのクラフツマンシップが持つ精密さと細部へのこだわりを、新たな表情で際立たせている。
インテリアカラーパレットには、15色のオリーブタンレザーを用意。新たに加わったティール、テラ、グレイズの3色を含む15色のレザーに、それぞれ対応する15色のダイナミカ、さらに5色の100%メリノウールを組み合わせられる。ウッドヴェニアは6種類から選択でき、これに2種類のテクニカルフィニッシュと、6種類のピアノフィニッシュ(ブラック、グラビティ・グレー、リネン、ティール、インペリアル・ブルー、クリケット・ボール)から選択できる。
888PSを発揮する2基のモーターと全アクティブサスペンションを搭載
パワートレーンは、強力な永久磁石同期モーターを前後に2基搭載。フロントはオープンデフ、リアは各出力シャフトにマルチプレートクラッチを備えたロックデフで構成。
高電圧バッテリは公称電圧800Vで動作する192個のリチウムイオン・ポーチセルを採用し、総正味容量は113kWh(10万マイル/10年間保証)。最大400kWの急速充電に対応し、約20分弱で10%から80%まで充電可能。わずか7分で100マイル(161km)分の航続距離を追加できるほか、最大航続距離は600km(375マイル)を達成している。
シャシーには、ベントレー初となるフルアクティブサスペンションとアダプティブ2バルブダンパーを標準装備。アンチロールバーを排除し、反応型ダンパーによって無段階でアンチロールトルクを制御。さらに、最大5度の後輪操舵角を持つ電子式全輪操舵(4WS)を標準装備し、最小回転半径11.1mを実現した。
ブレーキシステムはフロント420mm、リア370mmのブレーキディスクを標準装備とし、オプションでフロント440mm、リア410mmのカーボンシリコンカーバイド(CSiC)セラミックブレーキへのアップグレードも可能となっている。
走行モードには「Bentley」「Comfort」「Sport」「Refresh」の4つのエクスペリエンスモードを設定。「Comfort」モードでは不要な情報を非表示にするデジタルデトックス機能を備え、「Refresh」モードでは新鮮な空気循環と明るい照明で車内環境をリフレッシュしてくれる。
標準グレードは、最高出力821PS、最大トルク1194Nmを発揮し、静止状態から時速60マイル(0-100km/h)まで3.3秒(3.4秒)で加速、最高速度は時速155マイル(250km/h)を実現。スポーティグレードのSは、ローンチコントロール作動時には888PS、1350Nmを発揮し、時速60マイル(0-100km/h)加速は2.8秒(2.9秒)、最高速度は時速162マイル(260km/h)に達する。
またSは、よりスポーティな外観を実現するために、黒色の外装用光沢パーツとミラーキャップ、ダークテールランプ、リアディフューザー、スポーツシル、フロントバンパーストレーキ、レッドブレーキキャリパー、Sのフェンダーバッヂ、黒のベントレーウィングバッヂ、専用のSカラーステッチパターン、スポーツペダル、ピアノブラック化粧板が標準装備となるほか、照明付きトレッドプレートとダイナミックな「滝」をイメージしたムード照明も備える。
本物の楽器音を再構成した「ベントレー・ダイナミック・シンフォニー」を搭載
BEV特有の静粛性に対し、開発チームは伝統のV8エンジンの脈動やサウンド体験を再構築。ドラム、ビオラ、ベースギターなどの実際の楽器演奏音をサンプリングし、ドライバーのトルク要求や速度に応じて調整される「ベントレー・ダイナミック・シンフォニー」を開発。
また、ウインカー音には本革をハンマーで叩く音、タッチスクリーンなどの操作音にはクリスタルグラスの音を採用。オーディオシステムは標準の620W/16スピーカーのほか、Naimと共同開発した1780W/28スピーカー(Dolby Atmos 7.1対応、ヘッドレストスピーカー、シートシェイカー付き)も用意される。
会長兼CEOのフランク=シュテフェン・ヴァリザー博士は、「107年間、ベントレーは楽々としたパフォーマンス、卓越した快適性、最高の天然素材を使用した精巧な英国の手仕事、そして魂のこもったサウンドトラックなど、完成度の高いクルマを提供してきました。新しいTorcalは、重要なすべての分野で並外れたベンチマークを設定します」とコメント。
また、トルカル製品ラインディレクターのマーティン・ペイジ氏は、「トルカルは、何か新しいもの、そしてほかに類を見ないものを象徴しています。ベントレーの本質をしっかりと保ち、テクノロジーに支配されるのではなく、強化されるよう、細心の注意を払って設計されています。ラグジュアリー、洗練、そして軽快なパフォーマンスに至るまで、トルカルはベントレーを定義する要素を、並外れた新たなレベルへと引き上げています」と述べている。
































