ニュース

トヨタ、2030年代前半に50車種・1000万台以上を「アリーン」搭載SDVへ アリーンも拡張アリーンへ進化

トヨタのSDVである新型「RAV4」。トヨタではSDVを「悲しい交通事故をゼロにすること」と定義し、アリーンおよび拡張アリーンの適用範囲を広げ、交通事故ゼロ社会を目指していく

 トヨタ自動車は欧州で行なわれた技術説明会において、2030年代前半には50車種・1000万台以上を「Arene(アリーン)」搭載SDV(Software Defined Vehicle、ソフトウェア定義車両)にするとの見通しを示した。

 現在トヨタのSDVは、RAV4 1車種 約100万台となっているが、今後は導入可能な車種から順次「ソフトウェアづくりプラットフォーム『アリーン』」を展開。2030年代前半にはトヨタのすべての車種、1000万台以上がアリーン搭載モデルとなり、SDVになるという。

トヨタのフィジカルAIロボット「エリー」。トヨタはアリーンをフィジカルAIロボット開発にも広げ、さまざまな半導体への適用も拡大していく

 アリーンは、開発キットであるアリーンSDK、データ収集分析基盤であるアリーンデータ、ソフトウェアの検証・評価を行なうツール群であるアリーンツールズから構成されており、RAV4においてはADAS(Advanced Driver Assistance Systems、先進運転支援システム)まわりと、IVI(In Vehicle Infotainment、車載インフォテイメント)まわりに採用。2ドメインの採用となっているが、今後はドメインの拡大や統合を進め、アリーンの適用範囲を増やしていく。

 また、アリーン自体も拡張アリーンへと進化させ、トヨタが今後自社製AIを搭載していくフィジカルAIロボットや家のプラットフォームへの適用も目指す。

 アリーンはソフトウェアづくりプラットフォームと称しているように、車載半導体であるSoC(System on a Chip)に密着したOSではなく、その上位レイヤーのAPIセットを提供するプラットフォームとなっている。アリーンをさまざまな分野に適用していくにあたって、トヨタは各種SoC用のHAL(Hardware Abstraction Layer)を用意。SoC固有の違いを吸収しつつ、適切な箇所に、適切なSoCを導入できるようにする。

 これは高機能なSoCや、専門機能を持つSoC、アフォーダブルなSoCなど各種車載半導体をアリーンを通して統合的に扱えるようにするもので、膨大なリソースを必要とするソフトウェア開発の工数を減らしていくことが可能になる。

 すでにWindows 11やmacOSでは採り入れられている考え方で、これを車載半導体の世界にも適用し、SDVを実現する統合プラットフォームとしてのアリーンの世界を拡張していくことで、多くの車種やドメインでアリーンの利用が可能になる。