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アイシン、ITS世界会議2026江陵でSDV時代を見据えた車室内AI「LBSエージェント」 クルマ側のAIエージェントとやり取り

アイシンのブースではSDV時代を見据え、AIを中心にした応用技術を紹介。こちらはクルマの統合運動制御のデモ

 アイシンは、10月19日~23日の5日間にわたって韓国 Gangneung Olympic Parkで開催されている「第32回ITS世界会議2026江陵」に自社ブースを出展した。

 アイシンブースでは、AIを活用したさまざまな技術を展示。アイシンが得意とするクルマの運動制御や、車内モニタリング関係の展示が目立った。

低消費電力で人の動きを見ることのできるスパイキングニューラルネットワークを活かしたニューロモルフィックセンシングを搭載したカメラの展示

SDV時代に向け、AIエージェント同士のやり取りを志向する「LBSエージェント」

LBSエージェントについて。クルマのAIエージェントとやり取りすることを想定している

 現在、LLM(Large Language Model、大規模言語モデル)によるAIサービスがさまざまな形で提供されているが、この次に来ると言われているのがAI同士がやり取りをして問題を解決していくエージェントAIになる。

 エージェントAIでは、AIサービス同士(AIエージェント)がメッセージをやり取りして問題解決に向かい、これまでよりも格段に自動化が進む。例えば、旅行の予定を立てる際に、ある程度の情報を自分のスケジュールAIエージェントに頼めば、そのスケジュールAIエージェントが旅行会社のAIエージェントと予定を調整、観光局のAIエージェントやグルメサイトのAIエージェントとやり取りして、飛行機など移動手段の予約や旅行先のプランニングまですませてくれるというものになる。

 アイシンが提案する「LBSエージェント」は、アイシンがカーナビなどで培った技術をLBS(Location Based Service、位置情報サービス)として発展させたもので、ユーザーと生成AIとの対話を通じてユーザーの好みを推測。好みに合わせてナビゲーションルートなどを設定してくれる。カメラによる車内センシングも行なっており、その映像情報からも安全運転情報を把握、より快適な移動空間を提供する。

 今回は、さらに新機能としてクルマ側のAIエージェントとのやり取りも提案。車内の見守り情報・安全情報をSDV化するクルマのAIエージェントとやり取りすることで、より安全・安心な移動を実現していく。今後、SDV化されたクルマにはAIが搭載され、クルマ側でアバター表示などが行なわれる未来が予測されている。そうしたクルマ側のAIに、車室内を見守るAIエージェントとして「LBSエージェント」を位置付けている。

 現在の多くのクルマでは、メーターパネルのHMI(Human Machine Interface)と、ナビゲーションなどIVI(In-vehicle infotainment)のHMIはバラバラにデザインされていることが多く、クルマの中で異なる世界観の情報提供が行なわれている。

 これは将来的に一つの世界観で提供されることが望ましく、ユーザーがクルマを使いやすくなることで安全にもつながるのは間違いない。そうしたときに、サプライヤーとしては車室内の情報、ルート設定情報などをAIエージェントの情報としてクルマ側に提供していくことで、さまざまなOEMのAIに対応できることになる。

 もちろんクルマのOEMがすべて作り込んでいく未来もありえるが、現状もナビはナビ専業メーカーが機能を提供しており、そうしたクルマの専門機能がエージェント化していくのが自然であろう。

 アイシンでは、こうしたLBSエージェントに加え、AIを活用してより少ない消費電力(mWオーダー)で人の動きを見ることができるスパイキングニューラルネットワークを活かしたニューロモルフィックセンシング技術の紹介、AIを活用した車室内の見守り機能、AIを活用したクルマの統合制御など、AI技術を中心にしたブース展開が行なわれていた。

ニューロモルフィックセンシング技術の紹介
AIを活用した車室内の見守りシステム
統合型制御技術について
道路維持管理支援サービス「みちログ」について
論文発表の紹介
8車線変更時のクリティカルパス探索など興味深い論文を紹介していた