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ITS Japan、自工会とワンボイスで自動運転時代へ 「E2Eの自動運転は競争領域だから、みんなガチンコ勝負で競争してください」

ITS Japanブースを前に報道陣の取材に応えるITS Japan会長 山本圭司氏

 ITS Japanは、10月19日~23日の5日間にわたって韓国 Gangneung Olympic Parkで開催されている「第32回ITS世界会議2026江陵」に同団体として共同でブースを設定。内閣府や総務省をはじめとした政府関係や、NEC、富士通といったIT関係なども多く出展していた。

 このITS Japanブースを前に、ITS Japan会長 山本圭司氏と、専務理事 山本昭雄氏が報道陣の取材に応じた。

ITSの未来像。中央や上部の色の付いている部分が協調領域。白は競争領域となりレベル2++自動運転車やロボタクシーなどがデータをアップロードする将来が描かれている

 山本会長は、ITS世界会議2026江陵における日本のITSの現状に対して、「自工会(日本自動車工業会)とITS Japanが連携して、同じことを言えるような意見調整ができているというのはすごい変化」と語る。自工会とITS Japanは9月17日の自工会定例会見において共同で「全ての人・物が安全安心に自由に移動できる自動運転社会」というゴールを設定。自工会側には自動運転プロジェクトチームを設置し、自工会とITS Japanが一緒になって自動運転の社会実装を行なっていく体制を築き上げた。

 これまでITSといえば、渋滞情報を送ったり、ルート情報を送ったり、またDSRCなどのデバイスを定めたりと、どうしても技術を利用した車載端末の整備というイメージが強かった。ところが今回の自工会との協力関係においては、高い技術的理解を自動運転社会のルールメイキングに反映でき、通信会社も加盟するITS Japanがいることで自動運転社会に必要な知見も提供できる。

 山本会長はその1つを計算基盤の整備と位置付ける。自動運転社会では、自動運転車が生み出すデータをどのように社会的に活かしていくかが大きな力になるが、そのような計算基盤、データ基盤を整備していくのもITS Japanの役割だという。

 今後、レベル2++自動運転機能を備えるクルマ、SDV、そしてレベル4自動運転を行なうシャトルバスなどが増えてくる。また、社会的にはスマートポールなどインフラ面から提供されるデータが増えてくる。そのための通信基盤、計算基盤が必要になり、ITS Japanに加盟している通信会社が力になってくる。

 また、今回自工会と一体になって情報を発信できた裏には、自工会側の中で議論が行なわれてきたからだという。自工会の中では、インフラ協調型の自動運転と言い過ぎると、自律タイプの自動運転にブレーキがかかるのではないかという意見もあったという。

 確かに、自律型の自動運転については遅れていた面もあったので、「E2E(エンドトゥエンド)の自動運転は競争領域だから、みんなガチンコ勝負で競争してください」ということになり、現在は開発が進んでいるという。

 ただ、そういう自律タイプのクルマにおいても、災害など想定外の事態が起きた場合は立ち往生することが予想され、その立ち往生が災害時には社会的な問題になるかもしれないと示唆する。そのためにもインフラ協調の部分は必要であり、「自動運転社会での困りごとみたいなものを、自動運転のクルマにしっかりアドバイスすることによって、事故をなくしていくようなものが必要」(山本会長)だと語った。

 山本専務理事は、データの持ち方が重要だという。クルマというエッジ側でどれだけのデータを持つのか、そしてクラウドにあるサーバー側でどれだけのデータを持つのか、そうした部分で通信基盤が大切になってくるという。山本専務理事はそれを「ITS Japanの時代が来たと思っています」と表現、全体像をITS Japanとして見ていくことで、自動運転社会に貢献していくとした。

ITS Japanの時代が来たと語る山本専務理事。自動運転時代を迎え、ITS Japanの活躍の場が広がっている

 山本会長は、こうしたデータなどルールメイクについて日本から発信していくことが大切だという。「日本はこう考えるっていうのを(世界会議のような場で)ぶつけていくことが大事なんです。ぶつけるために必要な武器をしっかり整えるっていうのも、実はITS Japanの役割の1つにあるんじゃないかなと思います」と指摘。「カーメーカーがたくさんしのぎを削って存在している日本ならではの機能の持ち出し方ってあると思うんですよね」と、ITS Japanとしては日本らしい提案を行ない、「ITSの基盤が将来は社会そのものにプラスになるような基盤に変わっていく」と、ITS Japanが今後担っていくべき役割を示した。

ITS JapanのJAPANパビリオン前にて