NEXCO中日本、380カ所の要点検個所を抽出
東名高速道路牧之原地区地震災害検討委員会最終報告において

8月11日に起きた東名高速道路 牧之原SA近くの盛土のり面崩壊。すでに応急復旧作業を終えている

2009年11月18日発表



 NEXCO中日本(中日本高速道路)は11月18日、東名高速道路牧之原地区地震災害検討委員会報告を発表した。この検討委員会は、8月11日に東名高速道路 牧之原SA(サービスエリア)近くで発生した、盛土のり面崩壊の原因を究明し、本復旧対策工などを目的に、外部の有識者を迎えて行われているもの。

 第1回委員会の模様はCar Watchでも8月19日の記事「NEXCO中日本、東名高速の崩落を受け地震災害検討委員会」としてお届けしたが、最終報告となる第3回委員会が10月27日開催され、その内容が発表された。

 報告によると、のり面崩落の原因を、「盛土下部に使用された泥岩が、長年の水の作用により強度低下するとともに、透水性が低下。結果、盛土内の地下水位が上昇し、今回の地震(8月11日の駿河湾を震源とする地震)が誘因となり崩落が発生した」と推定している。本復旧対策工は、東名高速本線の通行に影響が及ばないような施工方法とし、現在準備工事に着手していると言う。完成予定は2010年梅雨時期まで。

 また、あわせて「水の集まりやすい地形上の盛土」「スレーキング(土塊や軟岩がばらばらに崩壊する現象)しやすい岩質材料が使用されている可能性のある盛土」「高さが10mを超える盛土」の3つの観点から類似する盛土個所が抽出された。抽出個所は以下のとおり。

道路名概算数量(個所)
東名高速道路80
小田原厚木道路20
中央自動車道140
名神高速道路10
東名阪自動車道20
伊勢自動車道20
北陸自動車道90
合計380

 これら抽出された個所を要点検個所とし、2010年3月までの完了を目標として点検し、その結果を踏まえてさらなる調査・検討と、必要に応じて対策工を実施する予定。なお、これらの抽出個所は点検作業を行うため机上抽出されたもので、直ちに危険となる場所ではないとしている。

(編集部:谷川 潔)
2009年 11月 19日