SUPER GT第4戦セパン決勝リポート
波乱のレースを制しカルソニック IMPUL GT-R今季初優勝

マレーシアで開催されたSUPER GT第4戦セパン

2010年6月20日開催



 6月20日、マレーシア クアラルンプール近郊のセパン・インターナショナル・サーキットで「2010 AUTOBACS SUPER GT 第4戦 SUPER GT INTERNATIONAL SERIES MALAYSIA」の決勝が行われた。GT500クラスは終盤までトップが入れ替わる波乱のレースとなったが、予選1位からスタートした12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)が今季初優勝を飾った。GT300クラスはセパンを得意とするM7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7が優勝し今季2勝目となった。

 レースが開催されたセパン・インターナショナル・サーキットは1999年に完成。その年からF1グランプリが開催され、翌2000年からSUPER GT(2004年以前は全日本GT選手権)も始まり、今年で10回目の開催となる。セパン・サーキットは、ほぼ赤道直下にあるため、高温多湿でドライバー、タイヤに厳しいレースとなる。また、スコール見舞われるケースもあり波乱のレースとなることが多い。

GT500クラス
 予選1位は12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)、2位には8号車 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン/井出有治)、3位には23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)が入り、今季調子の上がらないGT-Rの2台が上位からスタートすることになった。

 現地時間16時、54周の決勝レースのスタートが切られた。上位陣が1コーナーへ向かって加速する中、後方の3台が大きく出遅れた。最終コーナーを立ち上がったところで予選11番手の32号車 EPSON HSV-010(道上龍)に駆動系のトラブルが発生し加速できない。その後方の35号車 MJ KRAFT SC430と39号車 DENSO DUNLOP SARD SC430はコントロールラインまで32号車 EPSON HSV-010の後ろで我慢し、先頭集団から大きく遅れてスタートしていった。32号車 EPSON HSV-010はピットロードエンドにマシンを止めリタイアとなった。

 先頭集団の中でもアクシデントが発生した。1コーナーで38号車 ZENT CERUMO SC430(リチャード・ライアン)が18号車 ウイダー HSV-010(ロイック・デュバル)に追突。18号車 ウイダー HSV-010はスピンし、スタートで出遅れた35号車 MJ KRAFT SC430の前でコースに復帰した。

 ポールポジションからスタートした12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生)は1コーナーを制しトップをキープ、2番手は8号車 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン)、3番手に23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲)と予選順位通りの展開となった。

スタート直後の4コーナー。トップは12号車 カルソニック IMPUL GT-Rスピンした18号車 ウイダー HSV-010と出遅れた2台が後方から追い上げる

 上位勢は僅差で続く展開となった。5周目の最終コーナーで23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲)が8号車 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン)にアウトから並びかけるが、コーナー出口でランオフエリアに押し出され加速できない。すかさず背後に付けていた6号車 ENEOS SC430(ビヨン・ビルドハイム)が抜き、さらに100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也)も並びかけ1コーナーの進入で23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲)を抜きポジションをアップした。勢いに乗る100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也)は14周目のストレートで6号車 ENEOS SC430(ビヨン・ビルドハイム)を抜き3位に浮上した。

 後方ではスタート直後のスピンで10位まで順位を落とした18号車 ウイダー HSV-010(ロイック・デュバル)が集団に追いつき、11周目の1コーナーで17号車 KEIHIN HSV-010(金石年弘)をパス、12周目の8コーナーで24号車 HIS ADVAN KONDO GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)がコースオフ、さらに18号車 ウイダー HSV-010(ロイック・デュバル)は1号車 PETRONAS TOM'S SC430(アンドレ・ロッテラー)のインに飛び込み後方集団のトップ6位まで浮上した。

ハイペースで追い上げる18号車 ウイダー HSV-010

 18号車 ウイダー HSV-010(ロイック・デュバル)はハイペースで走行を続け、4位争いをする6号車 ENEOS SC430(ビヨン・ビルドハイム)、23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲)に追いついた。20周目の4コーナー立ち上がりで23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲)に並びかけ5コーナーのアウト側からパス、さらに10コーナーと11コーナーの短いストレートで6号車 ENEOS SC430(ビヨン・ビルドハイム)も抜き4位までポジションをアップした。

 トップ争いは12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生)、8号車 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン)、100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也)が僅差のまま、ドライバー交代を迎える。21周目、上位陣で最初にピットインしたのは6号車 ENEOS SC430、22周目、23号車 MOTUL AUTECH GT-Rもピットイン、23周目には8号車 ARTA HSV-010、24周目には12号車 カルソニック IMPUL GT-Rと18号車 ウイダー HSV-010もピットインし各車ドライバー交代、給油、タイヤ交換を行った。

 25周目、アウトラップでペースの上がらない18号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史)を2周早くピットアウトした23号車 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ)がパス。27周目には8号車 ARTA HSV-010(井出有治)も抜きポジションをアップした。

 28周目、トップに立った100号車 RAYBRIG HSV-010がピットイン、ルーキー山本尚貴にステアリングを託した。100号車 RAYBRIG HSV-010(山本尚貴)はトップのままコースに復帰するが、12号車 カルソニック IMPUL GT-R(ロニー・クインタレッリ)がすぐ後方に迫る。30周目の9コーナー(ヘアピン)進入で12号車 カルソニック IMPUL GT-R(ロニー・クインタレッリ)がインに飛び込みトップを奪還した。

30周目の9コーナー(ヘアピン)の進入で12号車 カルソニック IMPUL GT-Rがインに飛び込みトップを奪還した

全車ピットインを終えた順位は、12号車 カルソニック IMPUL GT-R、100号車 RAYBRIG HSV-010、23号車 MOTUL AUTECH GT-R、8号車 ARTA HSV-010、18号車 ウイダー HSV-010、6号車 ENEOS SC430となった。

 2位に落ちた100号車 RAYBRIG HSV-010(山本尚貴)だが、12号車 カルソニック IMPUL GT-R(ロニー・クインタレッリ)の背後に付けチャンスをうかがう。37周目の2コーナー、100号車 RAYBRIG HSV-010(山本尚貴)がイン側の縁石に乗り跳ね上がり、そのまま12号車 カルソニック IMPUL GT-R(ロニー・クインタレッリ)に追突。12号車 カルソニック IMPUL GT-R(ロニー・クインタレッリ)はスピン、100号車 RAYBRIG HSV-010(山本尚貴)はそのままトップに立ち走行を続けた。スピンした12号車 カルソニック IMPUL GT-R(ロニー・クインタレッリ)の横を23号車 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ)がすり抜け2位にポジションアップ、12号車 カルソニック IMPUL GT-R(ロニー・クインタレッリ)も3位でコースに戻った。

 トップを走る100号車 RAYBRIG HSV-010(山本尚貴)と23号車 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ)が僅差のバトルを続けた。40周目の最終コーナー、23号車 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ)がブレーキングで100号車 RAYBRIG HSV-010(山本尚貴)に接触、100号車 RAYBRIG HSV-010(山本尚貴)はスピンし3位に後退した。

 その後、100号車 RAYBRIG HSV-010(山本尚貴)は12号車 カルソニック IMPUL GT-R(ロニー・クインタレッリ)への接触、23号車 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ)は100号車 RAYBRIG HSV-010(山本尚貴)への接触でドライブスルーペナルティが課せられ再び12号車 カルソニック IMPUL GT-R(ロニー・クインタレッリ)がトップに立った。

 残り10周。2位には8号車 ARTA HSV-010(井出有治)、3位には18号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史)、4位には17号車 KEIHIN HSV-010(塚越広大)、5位には23号車 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ)となった。

 ここでドライバーを酷暑から守るクールスーツが故障した8号車 ARTA HSV-010(井出有治)が急激にペースダウン。立て続けに18号車 ウイダー HSV-010、17号車 KEIHIN HSV-010、23号車 MOTUL AUTECH GT-Rに抜かれ緊急ピットイン。マシンから井出選手は引きずり出され、再度ラルフ・ファーマンが乗り込むことになった。

 3位まで上がった17号車 KEIHIN HSV-010(塚越広大)が終盤にきて猛進を見せた。残り5周、10コーナーから11コーナーの短いストレートで18号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史)を抜き2位に浮上。このまま走り切れば今季初表彰台となる。ところが、残り3周となった14コーナーの進入で、前を走る単独スピンしたGT300のマシンを避けようとしてコースアウト、グラベルに止まり動けなくなってしまった。

 直後の最終コーナーでは18号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史)がアウトに膨らんだところを23号車 MOTUL AUTECH GT-R(ブノワ・トレルイエ)が抜き2位に浮上した。

 めまぐるしく順位が変わる波乱の展開となったが、12号車 カルソニック IMPUL GT-Rが逃げ切り今季初優勝、2位には23号車 MOTUL AUTECH GT-R、3位は18号車 ウイダー HSV-010が入り表彰台を獲得した。18号車 ウイダー HSV-010の小暮選手もクールスーツが故障し、ウィニングラップ途中でマシンを止めマーシャルカーに乗せられピットまで戻った。

 シーズン序盤で調子の出なかった12号車 カルソニック IMPUL GT-R、23号車 MOTUL AUTECH GT-RのGT-R勢が1-2フィニッシュを飾り、後半戦の争いが激化しそうなレース結果となった。

後方で接近戦を続けた1号車 PETRONAS TOM'S SC430、38号車 ZENT CERUMO SC430、35号車 MJ KRAFT SC430ウィニングラップを走る12号車 カルソニック IMPUL GT-R(ロニー・クインタレッリ)GT500クラスの表彰台

GT500クラス最終結果

順位マシン(ドライバー)
1位12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
2位23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)
3位18号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)
4位6号車 ENEOS SC430(伊藤大輔/ビヨン・ビルドハイム)
5位100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)
6位38号車 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン)
7位35号車 MJ KRAFT SC430(石浦宏明/大嶋和也)
8位1号車 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)
9位24号車 HIS ADVAN KONDO GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/安田裕信)
10位39号車 DENSO DUNLOP SARD SC430(アンドレ・クート/平手晃平)
11位8号車 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン/井出有治)
12位17号車 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)
優勝した12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
2位に入った23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)
3位に入った18号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)

前半戦を終えてのGT500クラス ドライバーズポイント

順位マシン(ドライバー)ポイント
1位6号車 ENEOS SC430(伊藤大輔/ビヨン・ビルドハイム)40
2位1号車 PETRONAS TOM'S SC430(脇阪寿一/アンドレ・ロッテラー)37
3位18号車 ウイダー HSV-010(小暮卓史/ロイック・デュバル)35
4位12号車 カルソニック IMPUL GT-R(松田次生/ロニー・クインタレッリ)33
5位35号車 MJ KRAFT SC430(石浦宏明/大嶋和也)31
6位38号車 ZENT CERUMO SC430(立川祐路/リチャード・ライアン)30
7位24号車 HIS ADVAN KONDO GT-R(ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/安田裕信)25
8位100号車 RAYBRIG HSV-010(伊沢拓也/山本尚貴)21
9位23号車 MOTUL AUTECH GT-R(本山哲/ブノワ・トレルイエ)18
10位12位 17号車 KEIHIN HSV-010(金石年弘/塚越広大)14
11位39号車 DENSO DUNLOP SARD SC430(アンドレ・クート/平手晃平) 
12位8号車 ARTA HSV-010(ラルフ・ファーマン/井出有治) 
13位EPSON HSV-010(道上龍/中山友貴) 

GT300クラスのスタート

GT300クラス
 GT300クラスの予選順位は1位が11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(田中哲也/平中克幸)、2位に7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝/折目遼)、3位に33号車 HANKOOK PORSCHE(木下みつひろ/影山正美)、4位に88号車 リール ランボルギーニ RG-3(余郷敦/細川慎弥)となり、直線の速いマシンが上位となった。

 スタートは予選1位の11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(田中哲也)がトップをキープ、2位には7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝)を抜いた33号車 HANKOOK PORSCHE(影山正美)がポジションアップした。2コーナーで中段を走る5号車 マッハGOGOGO車検408R(玉中哲二)が19号車 ウェッズスポーツIS350(片岡龍也)に追突、2台ともスピンし最後尾へ落ちてしまった。スピンの影響を受けた7位以降の後続勢は上位勢と大きく差が開く展開となった。予選タイムなしで18番手からスタートした2号車 I.M JIHAN CO.LTD・APPLE・紫電(加藤寛規)は混乱を利用して12位まで順位を上げた。

スタート直後の4コーナーで33号車 HANKOOK PORSCHEが11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430に迫るが順位は変わらず。後方集団と大きく差が開いている
後方集団のトップは74号車 COROLLA Axio apr GT追突でフロントを傷めた5号車 マッハGOGOGO車検408R追突されリアを傷めた19号車 ウェッズスポーツIS350

 4周目のストレートで33号車 HANKOOK PORSCHE(影山正美)が11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(田中哲也)を抜きトップに立った。33号車 HANKOOK PORSCHE(影山正美)はそのまま後続を引き離しにかかった。セパンを得意とする7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝)が11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(田中哲也)に迫り9周目の7コーナー進入で抜き2位に浮上、トップを猛進する展開となった。

33号車 HANKOOK PORSCHEが11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430を抜きトップ浮上。7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7もすぐ後ろに迫る2位に浮上した7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7。11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430は88号車 リール ランボルギーニ RG-3に抜かれ4位

 抜かれた11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(田中哲也)はペースが上がらず11周目に88号車 リール ランボルギーニ RG-3(細川慎弥)にも抜かれ徐々に順位を落としていった。逆に後方からパッシングショーを演じたのは2号車 I.M JIHAN CO.LTD・APPLE・紫電(加藤寛規)だ。7周目には9位、8周目には8位、13周目には6位までポジションをアップした。

 一時は独走態勢を築いた33号車 HANKOOK PORSCHE(影山正美)だが、7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝)が後方に迫ってきた。15周目の5コーナー、6コーナーの高速S字で一気に差が縮まり7コーナー進入で7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝)がついにトップに立った。

33号車 HANKOOK PORSCHEの背後に迫る7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 77コーナーの進入で7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7がトップに立ったトップに立ち差を広げる7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7

 19周目の最終コーナー、5位に上がった2号車 I.M JIHAN CO.LTD・APPLE・紫電(加藤寛規)のインに抜き返しにかかった43号車 ARTA Garaiya(新田守男)が飛び込むが、リアを滑らせスピン。2号車 I.M JIHAN CO.LTD・APPLE・紫電(加藤寛規)を巻き込む形で2台ともスピンしてしまった。43号車 ARTA Garaiya(新田守男)はピットインしタイヤ交換、燃料補給を行い高木選手にドライバー交代した。2号車 I.M JIHAN CO.LTD・APPLE・紫電(加藤寛規)はエンジンを再始動し、そのままコースへ復帰した。

43号車 ARTA Garaiyaが2号車 I.M JIHAN CO.LTD・APPLE・紫電のイン側でスピン。紫電も巻き込まれる
2号車 I.M JIHAN CO.LTD・APPLE・紫電はエンジンが停止したが再始動してコースに戻った

 27周目、トップを走る7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝)がピットイン。普段はタイヤ無交換だが、今回はタイヤ交換を行って折目選手にドライバー交代した。これで33号車 HANKOOK PORSCHE(影山正美)がトップに立ち、2位には74号車 COROLLA Axio apr GT(井口卓人)が続いた。

 28周目、2位を走っていた74号車 COROLLA Axio apr GTがピットイン。30周目には33号車 HANKOOK PORSCHEもピットインを行った。2号車 I.M JIHAN CO.LTD・APPLE・紫電は33周目にピットインするが、エンジンが始動せず、追い上げむなしくリタイアとなってしまった。

11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430の背後に迫る43号車 ARTA Garaiya

 各車ピットインを行い、再び7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(折目遼)がトップに立った。74号車 COROLLA Axio apr GT(国本雄資)が給油時間の長い33号車 HANKOOK PORSCHE(木下みつひろ)を抜き2位、3位に33号車 HANKOOK PORSCHE、4位に43号車 ARTA Garaiya(高木真一)となった。

 ピット作業で順位を落とした33号車 HANKOOK PORSCHE(木下みつひろ)だが、徐々に差を詰め2番手争いはテール・トゥ・ノーズとなる。39周目のバックストレートで33号車 HANKOOK PORSCHE(木下みつひろ)が74号車 COROLLA Axio apr GT(国本雄資)の背後から抜け出し抜きにかかった。74号車 COROLLA Axio apr GT(国本雄資)は通常のレコードライン通り最終コーナーのアウト側に向かって徐々にマシンを右によせた。33号車 HANKOOK PORSCHE(木下みつひろ)の右側には1車身以上のスペースはあったが、33号車 HANKOOK PORSCHE(木下みつひろ)もラインを譲らず2台は接触、半車身先行していた33号車 HANKOOK PORSCHEが横向きになりコース中央にマシンを止める結果となった。74号車 COROLLA Axio apr GT(国本雄資)はそのまま走り抜け2位のポジションをキープした。


バックストレートで74号車 COROLLA Axio apr GTを抜きにかかる33号車 HANKOOK PORSCHE右側にゆとりはあったが2台は接触、33号車 HANKOOK PORSCHEが横向きに停止した

 残り8周、74号車 COROLLA Axio apr GT(国本雄資)にドライブスルーペナルティが課せられ4位にポジションダウン。2位に43号車 ARTA Garaiya(高木真一)、3位に11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(平中克幸)となった。前戦で初優勝した74号車 COROLLA Axio apr GT(国本雄資)はまだ諦めない。残り4周の11コーナーでアウトから大外刈りで11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(平中克幸)抜き3位にポジションアップした。

 7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(折目遼)は足回りにトラブルが発生したが、ペースを落としながら最後まで走り切り今季2勝目を挙げた。セパンでは過去10戦で5勝という結果となった。メインスポンサーの MUTIARA MOTORSはマレーシアの企業なので、大きな恩返しの1勝となった。2位には序盤のスピンから追い上げた43号車 ARTA Garaiya、3位にはピットスルーペナルティから順位を戻した74号車 COROLLA Axio apr GTが入り表彰台を獲得した。

終盤、5位争いをする3号車 HASEMI SPORT TOMICA Zと46号車 アップスタート MOLA Zウイニングラップを走る7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7GT300クラスの表彰台

GT300クラス最終結果

順位マシン(ドライバー)
1位7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝/折目遼)
2位43号車 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一)
3位74号車 COROLLA Axio apr GT(井口卓人/国本雄資)
4位11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(田中哲也/平中克幸)
5位3号車 HASEMI SPORT TOMICA Z(星野一樹/柳田真孝)
6位46号車 アップスタート MOLA Z(横溝直輝/阿部翼)
7位88号車 リール ランボルギーニ RG-3(余郷敦/細川慎弥)
8位31号車 エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ(嵯峨宏紀/松浦孝亮)
9位19号車 ウェッズスポーツIS350(織戸学/片岡龍也)
10位27号車 NAC 衛生コム LMP Ferrari(山岸大/小泉洋史)
11位87号車 JLOC ランボルギーニ RG-3(井入宏之/坂本祐也)
12位66号車 triple a Vantage GT2(松田秀士/吉本大樹)
13位5号車 マッハGOGOGO車検408R(玉中哲二/黒澤治樹)
14位360号車 石松 Kosei RUNNUP PORSCHE(田中篤/松永まさひろ)
15位86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3(山西康司/関口雄飛)
16位33号車 HANKOOK PORSCHE(木下みつひろ/影山正美)
優勝した7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝/折目遼)
2位に入った43号車 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一)
3位に入った74号車 COROLLA Axio apr GT(井口卓人/国本雄資)

前半戦を終えてのGT300クラス ドライバーズポイント

順位マシン(ドライバー)ポイント
1位7号車 M7 MUTIARA MOTORS雨宮SGC 7(谷口信輝/折目遼)40
2位46号車 アップスタート MOLA Z(横溝直輝/阿部翼)40
3位74号車 COROLLA Axio apr GT(井口卓人/国本雄資)36
4位43号車 ARTA Garaiya(新田守男/高木真一)35
5位3号車 HASEMI SPORT TOMICA Z(星野一樹/柳田真孝)29
6位19号車 ウェッズスポーツIS350(織戸学/片岡龍也)21
7位11号車 JIMGAINER DIXCEL DUNLOP F430(田中哲也/平中克幸)17
8位2号車 アップル・K-ONE・紫電(加藤寛規/濱口弘)15
9位86号車 JLOC ランボルギーニ RG-3(山西康司/関口雄飛)12
10位66号車 triple a Vantage GT2(松田秀士/吉本大樹)11
11位31号車 エヴァンゲリオンRT初号機aprカローラ(嵯峨宏紀/松浦孝亮)11
12位5号車 マッハGOGOGO車検408R(玉中哲二/黒澤治樹)8
13位33号車 HANKOOK PORSCHE(木下みつひろ/影山正美)8
14位27号車 NAC 衛生コム LMP Ferrari(山岸大/小泉洋史)6
15位88号車 リール ランボルギーニ RG-3(余郷敦/細川慎弥)4

 今回行われたSUPER GT 第4戦セパンの模様は、以下の日程でテレビ放送される。

放送局日付時間
フジテレビ6月24日26時~27時30分
関西テレビ6月27日26時10分~27時40
東海テレビ6月27日26時20分~27時50分
テレビ西日本6月27日25時50分~27時20分
仙台放送6月26日25時35分~27時05分
テレビ静岡6月24日26時~27時30分
岡山放送6月27日26時~27時30分
BSフジ6月27日17時~18時55分

 次戦は7月24日、25日にスポーツランドSUGO(宮城県柴田郡村田町)にて開催される。

(奥川浩彦)
2010年 6月 24日