フォーミュラ・ニッポンにKONDO RACINGが途中参戦 近藤真彦監督と松田次生選手のコンビで1勝を目指す |
KONDO RACINGの途中参戦を発表するJRP代表取締役社長 白井裕氏 |
フォーミュラ・ニッポンを主催するJRP(日本レースプロモーション)は7月14日記者会見を行い、2007年と2008年の年間チャンピオンである松田次生選手が、近藤真彦監督率いるKONDO RACINGより参戦することを発表した。
フォーミュラ・ニッポンは、すでに第2戦を終了しており、7月17日、18日開催の富士スピードウェイで第3戦を迎える。KONDO RACINGは、その第3戦において、土曜日に行われるフリー走行に参加して、マシンセッティングなどを進め、第4戦のツインリンクもてぎより本格的に参戦することになる。
参戦の決意を語る松田次生選手 |
■2007年、2008年に2連覇をした日本有数のトップドライバー
松田選手は、チーム・インパルでフォーミュラ・ニッポンを2007年、2008年と2連覇しており、日本のトップドライバーの1人である。今シーズンもフォーミュラ・ニッポンへ参戦することを期待されていたのだが、チーム・インパルが経済的な事情により台数を減らすことを決定したことなどが影響して、今シーズンのシートを失う形になっていた。
松田選手は、「2度のチャンピオンを獲得した後、F1という道も考えたが経済的に厳しく上がることができなかった。そうした中で迎えた昨シーズンは、自分の中でモチベーションが下がっていたこともあり、結果を残すことができず、結果的に今年のシートを失う形になった。2連覇までしたのになぜという気持ちもあり、最初の2レースは見ていて悔しかったが、なんとか戻って日本のトップを張り続けることが自分の使命であると思っている」と述べ、その苦しかった胸の内を明かしてくれた。
そうした状況の中で、近藤真彦監督とはシーズン前からフォーミュラ・ニッポンに参戦できないかを模索してきたのだと言う。「自分もなんとか走りたいという熱い思いがあって、同じく熱い思いを持っている近藤監督と開幕前から話をさせていただいていたが、経済的な問題もあり実現できなかった。そうした中で自動車メーカーやJRPなどの関係者の方々の協力もあり参戦にこぎ着けることができた」(松田選手)と述べ、シーズン途中のこの段階でそうした問題の解決にめどが立ち参戦に至ったと説明した。
松田選手は「残りのレースどこかで1勝したい。そして来年はチャンピオンを狙っていきたい」と目標を力強く語ってくれた。
日本のモータースポーツに貢献したいと語った近藤真彦監督 |
■モータースポーツをもっともっと盛り上げていきたいと近藤真彦監督
そうした松田選手の熱い思いを受け入れた形となる近藤監督だが「フォーミュラ・ニッポンは、この上にはF1しかないという日本最高格式の自動車レース。そこに参戦し続けることはチームのステータスになるという思いもあり、再参戦をこれまで模索してきた」と述べ、チームとしてもフォーミュラ・ニッポンに参戦することは大きなメリットがあると語る。
さらに、近藤監督は「当初は開幕戦から参戦することを狙っていたのだが、経済的な事情もあり断念することになった。松田選手とは来年を念頭になんとかという話を進めていたのだが、本当にギリギリではあるのだが今年参戦できるメドが立った。第3戦のフリー走行に参加し、第4戦から参戦することになった」と言う。
苦しい状況でも途中参戦する理由として「今の若い男の子達は免許もいらないし車もいらないと言う。僕にしてみればそんなの許せない。日本では野球やサッカーなどに比べると盛り上がっていないモータースポーツだが、欧州に行けば文化として非常に盛り上がっている。僕としてもそれに近づくように盛り上げていきたいと考えている」と、その使命感を語った。
この記者会見には、自動車系メディアだけでなく、芸能関連のメディアも多数参加しており、近藤監督はモータースポーツの魅力を強くアピールしていた。
シーズン途中参戦となるため、チャンピオンを獲得するというのは非常に難しい状況になる。しかしながら、2連覇をするほどの実力を持つ松田選手が近藤監督のもとでフォーミュラ・ニッポンに参加することは、シリーズのチャンピオン争いに一石を投じることになるだろう。まずは、1勝を目指してKONDO RACINGは日本のトップカテゴリーを戦い抜いていく。
記者会見後の囲み取材。近藤監督は、芸能メディアに対して、モータースポーツの魅力を強くアピールしていた | 松田次生選手の胸にはトヨタのロゴがあり、参戦マシンに搭載するエンジンはトヨタ製となる |
(笠原一輝)
2010年 7月 14日