「グッドデザインエキスポ 2011」が開幕
8月26日~28日。一次審査を通過した製品2000点以上を展示

今年のグッドデザインエキスポは節電を意識し照明にLEDを採用。また、1万4000個のLEDからなる「GOOD GLOBE」を会場中央に配置。「みんなの希望や未来への思いが集う場」の象徴と言う

2011年8月26日~28日開催
入場料1000円



 8月26日、東京ビッグサイト(東京都江東区有明)東展示棟5、6ホールにおいて「グッドデザインエキスポ 2011」が開幕した。28日まで開催しており、開催時刻は27日が10時~21時、28日が10時~16時。入場料は1000円。

 グッドデザインエキスポは、日本産業デザイン振興会が主催するデザインイベントで、応募されたものの中から“優れたデザイン”を選び、「グッドデザイン賞」を決める活動。対象物は身近な生活用品から乗用車のほか、住宅やマンションといった建築物など、暮らしや社会にまつわるあらゆるもの。

 今年の一次審査は5月に行われた。今回のグッドデザインエキスポ 2011では、その一次審査を通過した約2000点が展示される。また、二次審査も8月25日、26日に終えており、その結果は10月3日に発表される。

 グッドデザインエキスポ 2011の開幕に先立ち、日本産業デザイン振興会 理事長 飯塚和憲氏、2011年度グッドデザイン賞審査委員長の深澤直人氏、同副委員長の佐藤卓氏が記者会見を行った。

日本産業デザイン振興会 理事長 飯塚和憲氏2011年度グッドデザイン賞審査委員長 深澤直人氏2011年度グッドデザイン賞副委員長 佐藤卓氏。佐藤氏は「グッドデザイン賞をグッドデザインする」べく招集されたそうで、会場全体のレイアウトやその年々に出展された製品を閲覧できる年鑑の作成を担当した

 飯塚氏ははじめにグッドデザイン賞の特徴について紹介。特徴は4点あるとし、「1つはグッドデザイン賞の礎となるイベントが昭和32年に始まり、今年で55年目という歴史のあるイベント」ということ。2つめはグッドデザイン賞で使われる「Gマーク」についてで、「あるアンケートで約87%の人がGマークを何らかの形で知っていると回答しており、認知度が高いという点。これまでも“生活者の目線で”というスローガンを掲げて審査を行っており、その効果もあって一般の方の認知度が高まったのではないか」と述べる。

 3つめは審査範囲についてで、飯塚氏は「近年グッドデザイン賞を受賞したのはJRの駅舎や差しても痛くない注射針など。生活に密着した優れたデザインのものが選ばれている」と述べ、対象製品は範囲を限らず、幅広く選定していることが同賞の特徴点の1つであることを紹介した。

 そして最後は国際化が進んでいることで、近年は海外からのグッドデザイン賞への応募が増加していると言う。その中心はアジア諸国で、今年は約17%の応募が海外からのものだと述べるとともに、外国との提携を積極的に行っていると説明。その一例がタイの「デザインエクセレント賞」で、グッドデザインエキスポ 2011でもデザインエクセレント賞を受賞した90点を展示していると述べたほか、インドでの工業製品を対象とした「Iマーク賞」とも提携しているとした。

東北6県および茨城県の製品を一堂に会したエリアが設けられた

 また、今年は約3200点の応募があったとし、「東日本大震災という未曾有の大災害があったなかで、これだけの応募があったことに感謝したいし、こうした中でもデザインに関心があるということが分かった」と述べたほか、今年のグッドデザインエキスポは東日本大震災を意識しているとし、東北6県および茨城県に本拠を置く応募者については審査料および展示料を無料にしたと言う。さらに、会場には同エリアの製品を一堂に会するブースを設ける。このブースは「Area Aid Design Project-JDP 東北茨城デザインプロモーション」と名付けられ、100社の作品が展示されている。

 最後に、飯塚氏は「展示された製品をつぶさに見ていただき、グッドデザイン賞に熱い視線を送っていただきたい」と述べ、会場に展示されるデザインに優れた製品を見てもらいたいとした。

 なお、ここでは自動車関連の出展物をピックアップして紹介する。ここで紹介する以外にも多数の製品が展示されているので、ぜひご自身の目でご覧になっていただきたい。

現代自動車日本技術研究所の「リアコンビネーションランプ」。ヒュンダイの「ソナタ ハイブリッド」に搭載されたリアコンビネーションランプで、日韓の技術とデザインが融合したものとなるトヨタのヴィッツ/ラクティスで採用される「自動車用メーター」。街中走行時の指針位置を水平基調とし、瞬時の確認が容易になるようデザインしたと言うトイファクトリーの「ハイエース用ソーラーパネルアタッチメント&システム」。車両設備に使用する電力をバッテリーに充電するためのソーラー発電システムで、パネルを天井に張り付けるためのアタッチメントも付属する
ホワイトハウス製のドライブレコーダー「スマートレコ」。130万画素のカメラを備え、常時録画、衝撃録画、駐車監視録画の3録画モードを備える富士通テンとトヨタが共同開発した純正ナビのオプション「カメラ一体型ドライブレコーダー」。コンパクトな外観を特徴とし、インテリアになじむ設置を実現したデンソーの「自動車用イオン発生器付きルームランプ」。浮遊菌やカビの除去、アレル物質の増加抑制、汗やタバコの付着臭などを分解・除去する。ランプはLEDで従来よりも約2倍明るいと言う
加地の自動車用クッション「モニート ツーリング」。究極に柔らかく、かつ安定した素材を目指して開発したと言う低反発性のクッション。運転時の疲労を軽減するブリヂストンは静粛性や乗り心地、ハンドリング性能を高次元で追求したフラッグシップタイヤ「REGNO(レグノ)」を出展ダンロップは低燃費タイヤ「LE MANS 4」を展示
JFE エンジニアリングの蓄電池内蔵型EV急速充電器「ラピダス」。内蔵した蓄電池にあらかじめ蓄電しておき、貯めた電力で電気自動車(EV)に充電することで、接続する店舗などのピーク電力削減に一役買う三英社製作所の「電気自動車・プラグインハイブリッド車用普通充電設備」。ケーブルは本体に収納されることでいたずらの防止・自然環境による劣化を防ぐ。スプリング式ケーブルリールの採用により片手操作を可能にしているホンダは「インターナビ・プレミアムクラブ」会員の車両から収集したリアルタイム走行データ「フローティングカーデータ」について紹介
パイオニアはAR(拡張現実)スカウターモード機能を搭載した新型「サイバーナビ」を出展少し趣が異なるが、川崎重工業、レカロ、サワダライティングデザイン&アナリシス、日立製作所が手がけた東日本旅客鉄道の新幹線(E5系)で使用される新グレード「グランクラス」のシート。「しつらえ」「ふるまい」をデザインしたと言う日産ブースはセレナを展示
スズキ「ソリオ」「MRワゴン」ボルボ「V60」トヨタ「FJクルーザー」
トヨタ「プリウスα」トヨタ「ラクティス」ダイハツ「ムーヴ」

(編集部:小林 隆)
2011年 8月 26日