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SUPER GT開幕戦 岡山は37号車 KeePer TOM'S RC Fがコースレコードでポールポジション

GT300は10号車 GAINER TANAX GT-Rがポールを獲得

2015年4月4日 予選

 日本最大のレースシリーズ「SUPER GT」は、第1戦 OKAYAMA GT 300KM RACEが岡山国際サーキット(岡山県)で開幕した。

 初日となる4月4日には、練習走行と予選が行われ、午後に行われた予選では、GT500クラスが37号車 KeePer TOM'S RC F(アンドレア・カルダレッリ/平川亮)が、GT300クラスは10号車 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正)が、いずれもコースレコードでポールポジションを獲得した。

ポールポジションを獲得した37号車 KeePer TOM'S RC F(アンドレア・カルダレッリ/平川亮)

 明日4月5日には決勝レースが行われる予定になっているが、SUPER GT独特のルールであるウェイトハンデがないレースはこの開幕戦と最終戦だけになっており、実際の性能差が分かるレースとしても注目の1戦となる。

注目のポールポジションは平川亮選手がドライブする37号車 KeePer TOM'S RC Fが獲得

 14時50分から開始された予選は、1回目(Q1)と2回目(Q2)に分けて行われ、GT500は上位8台が、GT300は上位13台がQ2に進むというノックダウン型式で行われた。

 GT500のQ1は、上位4台がレクサス RC Fと、レクサス勢の強さが目立つ結果となった。RC Fはほかにも1台が7位に入るなど、Q2に進んだ8台のうち5台までがレクサスRC Fという結果となった。その中でトップに立ったのは38号車 ZENT CERUMO RC F(立川祐路/石浦宏明)で、以下午前中の練習走行でトップだった6号車 ENEOS SUSTINA RC F(大嶋和也/国本雄資)、39号車DENSO KOBELCO SARD RC F(平手晃平/ヘイキ・コバライネン)となった。また、午前中の練習走行で、車両火災に見舞われ一時は走行を断念かと思われた12号車カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/J.P.デ・オリベイラ)はマシンの修復が完了で、Q1で6位に入る健闘を見せた。

 Q1では4位と目立ってなかった37号車 KeePer TOM'S RC Fだが、Q1で乗ったアンドレア・カルダレッリのアドバイスどおりにセッティングを変更し、かつタイヤの持ちを考えて、アタックするタイミングを1周前倒しにしたところ、これが大成功し、平川亮がコースレコードとなる1分19秒008を叩き出して見事にポールポジションを獲得した。

 予選後の記者会見で平川は、「Q2の前にアンドレアのアドバイスどおりにクルマのセッティングを代えて、Q2が始まるまでクルマの中でイメージトレーニングを行った。それらが全部かみ合ってうまくタイムを出すことができたが、セクター3のところで少し失敗してしまったので、それがなければさらにコンマ数秒は縮められたと思う」と述べ、実際にはラップタイムは完璧ではなかったそうだが、それでも上手くいったと説明した。

 チームメイトのカルダレッリは「ウインターテストでもロングランのタイムはよかったので自信はあったが、うまくポールがとれてよかった。実はQ1ではタイヤをどのように使えばいいのかをチェックしながら走っていた。それでQ2に向けて1ラップ前に攻めどきを持っていったほうがいいとアドバイスしたんだ」と述べ、Q1を走りながら、最適なタイヤの使い方についてチェックしていたことを明らかにし、通常3~4周目にタイムアタックするところを早めにすべきだという作戦で、それが成功したのだと説明した。

ポールポジション記者会見。左からアンドレア・カルダレッリ選手、平川亮選手
GT500クラスのトップ3
順位カーナンバー車両名ドライバータイム
1位37号車KeePer TOM'S RC Fアンドレア・カルダレッリ/平川亮1分19秒008
2位6号車ENEOS SUSTINA RC F大嶋和也/国本雄資1分19秒106
3位38号車ZENT CERUMO RC F立川祐路/石浦宏明1分19秒370

前評判どおり強かった2015年型GT-R NISMO GT3が最速タイム

 GT300のQ1は、波乱の展開で始まった。事前テストなどで好調が伝えられていた3号車 B-MAX NDDP GT-R(星野一樹/高星明誠)がQ1を14位で、Q1落ちが決まったからだ。当然Q1を突破し、ポール争いに加わるものだと考えられたので、そのQ1落ちは大きな驚きをもって迎えられた。

 しかし、続くQ2では、そのGT-Rが本領を発揮した。10号車 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正)が、GT300のコースレコードとなる1分26秒532をマークし、見事にポールポジションを獲得したのだ。ドライブしていたのは、昨年はヨーロッパなどに武者修行にしにいき、日本のレースを走るのは1年振りだという千代勝正。千代と、アンドレ・クートがドライブする10号車 GAINER TANAX GT-Rは、昨年まではメルセデスベンツSLSを2台走らせていたゲイナーチームが今年新たに導入した車両で、11号車 GAINER TANAX SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)とダブルエースと言える2台だが、なんとその11号車が2位を獲得し、ゲイナーチームは1-2位という絶好のポジションからレースをスタートすることになる。3位は55号車ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志)。

GT300クラスのポールポジションを獲得した10号車 GAINER TANAX GT-R(アンドレ・クート/千代勝正)

 ポールを獲得した千代は「SUPER GTのQ2でポールを獲得したのは初めてで非常に嬉しい。ダンロップタイヤもコンディションに合っていたし、オフシーズンから15年型GT-Rは大きく改善されていることに手応えを感じていた。特にブレーキや、リアのトラクションが改善されており、安定感が増している。タイムを出したラップでは特に大きなミスをしておらず、ほぼ完璧なラップだった」と述べ、会心のラップだったと笑顔で説明した。チームメイトのクートは「朝から非常に調子がよかったので、ポールが獲れて嬉しい、チームは本当にいい仕事をしてくれたと思う。明日は天気がどうなるか分からないが、しっかり戦っていきたい」と述べた。

ポールポジション記者会見。左からアンドレ・クート選手、千代勝正選手
GT300クラスのトップ3
順位カーナンバー車両名ドライバータイム
1位10号車GAINER TANAX GT-Rアンドレ・クート/千代勝正1分26秒532
2位11号車GAINER TANAX SLS平中克幸/ビヨン・ビルドハイム1分26秒828
3位55号車ARTA CR-Z GT高木真一/小林崇志1分26秒837
GT300クラスの予選2位は11号車 GAINER TANAX SLS(平中克幸/ビヨン・ビルドハイム)。ゲイナーチームは予選1位、2位を獲得
予選3位、55号車 ARTA CR-Z GT(高木真一/小林崇志)

 決勝レースが行われる4月5日は、天候が崩れて雨になることが想定されており、ドライで行われた今日とはまったく様相が異なる可能性がある。各陣営ともに明日の温度とタイヤ選択などが鍵になると考えている様子で、明日の天気次第ではドラマチックなレースが展開される可能性があるだけに要注目だ。テレビ放送ではJ-SPORTS4(http://www.jsports.co.jp/program_guide/55051.html)で、また、ニコニコ生放送(https://secure.live.nicovideo.jp/product/2886、要ネットチケット)でもネット中継が行われる予定で、ぜひ、現地や生放送で開幕戦の戦いをチェックしていただきたい。

12号車カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信/J.P.デ・オリベイラ)は、車両火災はあったもののマシンを修復し、予選6位を獲得。決勝に期待がかかる

(笠原一輝/Photo:奥川浩彦)