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ブリヂストン、4月8日「タイヤの日」に合わせて最新プレミアムタイヤ「レグノ GR-XI」ミニ試乗会
グレートバランスはもちろん、静音性と運動性能にこだわった新レグノ
(2015/4/8 07:46)
- 2015年4月3日開催
ブリヂストンは4月3日、同社のタイヤテスト施設である「プルービンググラウンド」(栃木県那須塩原市)において、最新プレミアムタイヤ「REGNO(レグノ) GR-XI(ジーアール・クロスアイ)」のミニ試乗会を開催した。
このミニ試乗会では、レグノシリーズの最新製品であるGR-XIと、同社のベーシックタイヤである「NEXTRY(ネクストリー)」の比較試乗も行われたが、主眼は4月8日の「タイヤの日」に合わせた、空気圧とタイヤ溝の大切さの訴求にあった。
4月8日はタイヤの日
4月8日がタイヤの日となったのは、春の全国交通安全運動の実施月である4月(2015年の春の全国交通安全運動は5月)と、輪(タイヤ)のイメージから8日を組み合わせたからだという。このタイヤの日は、JATMA(日本自動車タイヤ協会)によって定められており、「広く一般ドライバーにタイヤへの関心を喚起し、タイヤの正しい使用方法を啓発することにより、交通安全に寄与する」ことを目的としている。
タイヤメーカー各社は、このタイヤの日に合わせて空気圧点検イベントなどを各地で行うほか、一般ドライバーへの呼びかけもとくに積極的に行い、改めてタイヤの大切さを理解してもらおうとしている。
そのために今回のミニ試乗会で用意されたのは、レグノ GR-XIの摩耗や空気圧による性能変化のデモが中心となっていた。GR-XIの試乗記や技術プレゼンテーションなどについては、下記の記事を参考にしていただきたい。
【タイヤレビュー】プレミアムブランドタイヤ「REGNO(レグノ)」試乗会
http://car.watch.impress.co.jp/docs/review/20150227_690266.html
乗用車用とミニバン用を用意したプレミアムブランド「REGNO」新製品発表会
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20150109_683092.html
グレートバランスのレグノでも、摩耗するとウェットグリップが落ちる
現代の夏タイヤは、ラベリング制度によるグレード表示が行われている。“グレートバランス”をうたう新型レグノ GR-XIももちろんグレード表示が行われており、転がり抵抗係数は「A」、ウェットグリップ性能は「b」の「A-b」を実現している。
ウェットグリップがbという高い性能を持つGR-XIでも、摩耗してしまうと排水性能が下がり、ウェット路面での制動距離が長くなる。デモのために用意されたのは、溝深さ1.6mmにすり減ったレグノ GR-XIを装着した「プリウス」と、新品のレグノ GR-XIを装着したプリウス。この2台のウェットグリップの差を、薄い水膜を張ったウェットグリップ試験路で見学した。
すり減ったレグノのGR-XIの溝深さが1.6mm程度になっているのは、法律でタイヤの溝深さが1.6mm以上となっているためだ。つまり、「新品タイヤとスリップサインの出ているタイヤの比較」というのがこのテストの主目的になる。溝深さ1.6mmについては、各タイヤメーカーが自社のWebサイトで訴求しているが、ここではブリヂストンのWebページリンクを掲載しておく。
タイヤ溝深さの管理(ブリヂストン)
http://tire.bridgestone.co.jp/about/maintenance/performance/03-01.html
テストはブリヂストンのテストドライバーが運転し、初速80km/hからブレーキをかける。奥の「BRIDGESTONE」の看板が新品のレグノ GR-XI、手前の看板が削れた(削った)レグノ GR-XIになる。赤いポールは2mおきに立っており、約7mの差が出たことになる。約80km/hで約7mの差。高速道路の白線(区画線)の長さは8mで描かれており、ちょうど雨の高速道路で「危ないっ!!」と思ってフルブレーキをかけたら白線1本分程度短く止まれたことになる。
高速道路の白線って何メートル間隔なの?(ドラぷら)
http://www.driveplaza.com/safetydrive/mamechishiki/017.html
グレートバランスを誇るレグノ GR-XIでもスリップサインが出るほど削れてしまうと“ただのすり減ったタイヤ”になってしまうわけで、愛車のタイヤの溝深さを改めて確認していただきたい。ちなみに筆者がこのテストの説明をされたときに最初に思ったことは「新品のレグノ GR-XIを削るとかもったいない」だった。新品のレグノ GR-XIと、新品を削ったレグノ GR-XIでの差は写真のとおりだったが、実際は減るまでに経年劣化が入るので、新品タイヤとすり減ったタイヤの差はさらに大きく開くだろう。
グレートバランスのレグノでも、空気圧が適正でないと転がらない
次の実験は、「適正空気圧のレグノ GR-XIと、空気圧の減ったレグノ GR-XIでの転がり抵抗の差を見る」というもの。使用車両はやはりプリウスで、適正空気圧は前230kPa、後220kPa。適正空気圧で転がした後、約30%空気圧を下げ(前輪で150kPa程度に調整)再度比較した。
結果は写真のように大きく異なり、レグノ GR-XIでも空気圧が下がると如実に性能が低下するというものだった。このテストは風や路面に大きく影響されやすく、写真は参考程度に見てもらえればよいのだが、自分自身が想像した以上に最近の低燃費タイヤは転がるなという印象だった。
ブリヂストンのスタッフによると、「季節や住んでいる地域など、タイヤの空気圧は温度変化による要因も大きいが、1カ月でだいたい5kPaほど圧力が減っていきます」とのこと。タイヤの空気圧は、気にする人は気にするが、気にしない人はまったく気にしない点検項目だが、燃費に直結するのはもちろん安全にも大きく影響しているので月に1度くらいは点検していただきたい。
その際に気をつけてほしいのは、クルマの取扱説明書に書かれている空気圧は冷間空気圧で冷えているときの空気圧であること。ガソリンスタンドで給油のついでに計測する際は、できるだけ近所のスタンド(距離を走らない状態)で計測してほしい。高速走行直後に高速道路のガソリンスタンドで計測するとタイヤの発熱などによって空気圧が高めに出るので、必ずSA(サービスエリア)などで時間をつぶし、タイヤが冷えてから調整してほしい。不安な人はスタンドのスタッフに相談するとよいだろう。
ハンドリング性能を向上させたレグノ GR-XI
溝深さの大切さ、空気圧の大切さのデモ見学の後、アクアを使用してレグノ GR-XIと、スタンダードタイヤであるネクストリーの比較試乗が行われた。比較試乗といっても、パイロンで規制したミニコースを2周するだけのもので、細かなところまではなかなか掴めないもの。それでも、レグノ GR-XIとネクストリーの違いは、タイヤの一転がりで分かる。レグノ GR-XIのほうがしっとりとした乗り心地で、ネクストリーのほうが乾いた乗り心地になる。グリップレベルはレグノ GR-XIのほうが高く、ネクストリーでは50km/hでスキール音が出たコーナーを、54km/hでスキール音なく通過。ステアリングに伝わる手応えも信頼性の高さを感じるものだ。ただ、ネクストリーのタイヤとして分かりやすい動きは好ましいもので、販売価格の差しだいではネクストリーを選ぶというのもありだと感じた。
今回試乗車としてアクアが用意されていたが、ブリヂストンのスタッフによるとコンパクトカーにレグノを装着する人が増えているとのこと。その理由として挙げていたのが、コンパクトカーであればタイヤサイズも小さくなるため、スタンダードタイヤとの価格差が縮まるという点だった。
さらに現在のコンパクトカーは以前と違い、高級車が買えないからとりあえず購入されているというものではなく、アクアなどハイブリッド車は最高の燃費性能を持つクルマとして選ばれていることもあるだろう。プリウスよりも一世代進んだモーターを搭載し、誰が乗っても20.0km/Lの燃費を記録するのは容易だ(プリウスだとベースの排気量が大きいため、常に20.0km/L超はなかなか難しい)。さらに、アクア、フィット、プリウスと最量販車種がすべてハイブリッド車で、モーター走行時はクルマが静かなため、タイヤの静音性がとくに重視されるということもレグノ GR-XIが選ばれる点だろう。
このレグノ GR-XIに関する技術説明も行われたので、簡単に紹介しておく。レグノはグレートバランスをうたっているタイヤだが、タイヤには7つの構成要素があるという。その要素は、快適性能(静粛性、快適性)、運動性能(直進安定性、ドライ性能)、基本性能(ウェット性能、耐摩耗性、低燃費性)で、これらを“洗練されたグレードバランス”というコンセプトにより高い次元でバランスさせたのが今世代のレグノ GR-XIだ。
音量はもとより、音質の心地よさにこだわり、低燃費性能と両立しにくいウェット性能を向上。より安全なタイヤとなった。レグノといえば、タイヤパターンによる静音性の向上が新製品の注目ポイントだが、前々世代のGR9000(2007年)でサイドブランチタイプの消音技術をパターンに導入し、前世代のGR-XTではより小型化したヘルムホルツ型共鳴器を導入した。消音パターンを小型化したことで、より多数の消音器を刻み、静粛性を向上させていた。また、このGR-XTはレグノ初の低燃費タイヤとしてデビュー。「ECOPIA」マークがつけられていたのが印象的だった。
ただ、このGR-XTでは低燃費性能の向上、静粛性の向上は図れていたものの、消音器を多数トレッド面に刻んだことと、従来ゴムより柔らかい低燃費性能に優れるゴムを採用し時代の要請に応えたことで、“レグノ=王者”という印象を持つユーザーからは軟派な性能向上と捉えられた。最新のレグノ GR-XIでは、溝と溝をつなぐダブルブランチ型の消音器を導入することで、とくに前作で指摘する声の多かった、ステアリング切り始めのレスポンスの改善を図っている。
前作GR-XTと最新作GR-XIのトレッドパターンを比較すると、いずれも4本のストレートグルーブ(溝)が入り、5本のブロック列でタイヤパターンが構成されている。ステアリングレスポンスには中央のブロック列が大きな影響を及ぼし、GR-XTでは消音器が刻まれているのに対し、GR-XIでは消音器が刻まれていない。これは音の発生源となる溝に対し、ダブルブランチ型を導入することで、消音器を刻むブロック列をこれまでの4列から2列へと減少。結果として消音器を刻まなくてすむブロック列をタイヤセンターに作り出した。
ブリヂストン自身は、ダブルブランチ型の導入は音質改善であるといい、新作のGR-XIで音量低下はうたっていない。素人目にもセンターに消音器を刻めば静音化の余地はあるのに、あえてそれをしていないという点は運動性に配慮した結果に見える。そのほか、「ECOPIA」のマークも前作GR-XTから小さくなっており、最新作GR-XIの目指したグレートバランスの方向性が感じられるものとなっていた。
レグノはブリヂストンのタイヤ技術の最高峰であるのは間違いなく、タイヤパターンを見ているだけでも楽しい製品だ。ダブルブランチ型消音器も、5ピッチバリエーションで刻まれているとのことで、微妙に長さがの異なるものが刻まれている。タイヤショップやカー用品店の店頭で、実際の製品を確認してみていただきたい。